こんにちは、新年の目標は決めましたか? 海洋生態系担当の小松原です。
新年早々ですが、ちょっと困ってしまったお知らせです

グリーンピースではいま、海の環境や水産業界で働く人々にも優しいサステナブル・シーフードが、日本で広まるようにキャンペーン活動を行っています。
その一環で、日本のスーパーがサステナブルなお魚を売っているか調べた『スーパーマーケットランキング6』で、調査に参加したコープネット事業連合の情報に誤りがあったのです。

本まぐろを取り扱わないお店があって喜んでたのに…

コープネット事業連合は、「コープデリ」や「コープみらい」のお店で知られる日本最大級のコープです。
2016年11月に発表した『お魚スーパーマーケットランキング6』で、初参加で2位にランクイン。絶滅危惧種の取り扱いについては、アンケート調査の項目ごとに最も得点の高い企業に贈る「カテゴリー・チャンピオン」でもありました。
それというのも、ヨーロッパウナギやアメリカウナギを扱わないスーパーはたくさんありますが、それに加えて、太平洋クロマグロと大西洋クロマグロを扱わないとしたのはコープネット事業連合だけだったからです。

 

販売しているのを見つけてしまいました

ところが、昨年末から、コープデリの商品カタログやコープみらいの店舗で、実際に売っているお魚商品をチェックしてみたら、大西洋クロマグロと太平洋クロマグロがなんと販売されているではありませんか。
事実確認を求めたところ、販売の実績があることが判明したため、絶滅危惧種の項目の得点を57.14点から28.57点に修正し、総合順位は2位ではなく3位となりました。また、絶滅危惧種のカテゴリー・チャンピオンは、取り下げとしました。
 

コープネットさんに面会し伝えてきたこと

今回の誤った報告は、よりサステナブルなお魚を買いたいと思い、その普及への取り組みを応援する消費者にとって本当に残念なこと。スーパーマーケットランキングは、アンケート調査に対する参加企業からの回答を評価しており、回答内容が正しいものであることが大前提です。
グリーンピースは1月25日に面会をし、再発防止の対策と、今回取り扱っていることがわかった絶滅危惧種の取り扱いの中止を含む、調達方針の改善を求める要請書を提出してきました。
面会の中でコープネット事業連合からは、誤報告に対する謝罪とともに、3月末までに調達方針の内容見直しをするとご報告いただきました。
詳細はこちら

 

改めて問いたい、本まぐろを売り続ける意図

スーパー、回転寿司、CMなどなど、本まぐろのお寿司やお刺身などを見かけない日はありません。そんな中で、私たち消費者が意識するのは難しいですが、いわゆる「本まぐろ」と呼ばれる太平洋クロマグロと大西洋クロマグロは絶滅が心配されています。特に太平洋クロマグロは、残りわずか2.6%まで減ってしまっていて、個体数を回復するための安心できる計画がまだありません。
本まぐろの世界最大の消費者である日本のスーパーに求められる姿勢は、政府がより厳しい規制を敷くのを待っているのではなく、実際に売る立場の人々が「売らずに守っていく」というイニシアチブをとることではないでしょうか。

スーパーの取り組みを後押しするのは「消費者の声」

みなさんは、お魚を食べる時や買う時に、何を気にしていますか?

企業は、消費者がどういったものが欲しいのか(つまり、何が売れるのか)を気にしています。だから、サステナブルなお魚なんて売っていないと諦めず、私たち消費者が声を届けることが大事です。

「サステナブル・シーフードがほしい」と伝えて、消費者の声を調達方針に反映してもらいましょう。それは、自分が買うお魚に責任を持つことに繋がります。海にも人にも優しいサステナブルなお魚があたり前に買えるように、スーパーの調達方針の改善をサポートしましょう。

 

グリーンピース・ジャパン

ライターについて

グリーンピース・ジャパン
グリーンピースは、環境保護と平和を願う市民の立場で活動する国際環境NGOです。世界中の300万人以上の人々からの寄付に支えられ、企業や政府、一般の人々により良い代替策を求める活動を行っています。ぜひ私たちと一緒に、行動してください。

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