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こんにちは。海洋生態系担当の小松原です。今日は、グリーンピース・アメリカから届いた、嬉しいストーリーをお伝えします。

ピュリナやカルカンなど、有名なペットフードブランドをもつグローバル企業のマースとネスレ。ペットの飼い主や市民の声を聞いて、サプライチェーンにおける労働者の安全と海に配慮するための取り組みを、ついに公に約束しました。

人権侵害や生態系の破壊など多くの問題を抱えるマグロ産業。その闇は、人が食べるマグロだけでなく、ペットフードにも。

これまでに、リルバブなどの世界の著名な猫たちも、マグロ産業で起きている問題に声をあげてきました。今回のネスレとマースの動きを猫たちも歓迎しています!!

グリーンピース 海をまもる ペットフード 人権問題

海の人権問題や違法漁業の隠れ蓑、洋上転載とは?

ふつう、遠洋漁船は漁を終えると港にもどって獲ったマグロなどの魚を水揚げします。港には戻らず、洋上で別の船に漁獲物を積み替えること「洋上転載」といいます。漁船を港に戻す必要がなくなるので、何カ月、はたまた何年もの間、監視の目が届かない遠洋で漁を続けることが可能になります。

この性質から、洋上転載をする船の多くが、乗組員の人権侵害や無許可で漁をするなどの違法漁業サメ(フカヒレ)の密輸などに関わっています。まさに「ズル賢い」方法です。

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ネスレとマースが洋上転載の規制を発表

ネスレは、自社のサプライチェーンにおいてこの洋上転載を完全に禁止することを宣言しました。マースは、自社に水産物を供給しているサプライヤー企業が、人権や違法漁業に関する問題について適切に対処しない場合には、洋上転載に由来する製品の使用を停止すると発表しました。

ここ数年、ガーディアン、AP通信、ニューヨークタイムズなどの世界の名だたるメディアが、海で起きている人権問題を大きく報道しています。世界中のシーフードブランドや小売業に魚を供給している漁船で、人身売買・強制労働・借金による隷属などの人権侵害が行われていることが明らかになりました

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マースやネスレ、そして世界で最もツナ缶を売り上げているタイ・ユニオンなど世界の大企業が、こういった問題に関与していたことは、水産業界全体のサプライチェーンにおけるトレーサビリティに世界が注目するきっかけとなりました。

自分たちが販売する水産物はどこから来たのか、誰が獲ったのか、労働者がどう扱われているのか.....。レストラン・外食サービス・スーパーマーケット・ペットフード業界の企業が続々と、その現状を把握する必要に気づきはじめています。

マースとネスレがサプライチェーンを浄化するために動き出したことは、素晴らしいニュースです!

しかし、水産業界に蔓延した問題に対処するためには、もっともっと多くの取り組みが必要です。

深刻な海へのダメージ

洋上転載をし、海の上で漁をし続ける。これは、環境の観点から考えると大問題です。24時間365日、海には絶えず漁獲による負荷がかかっているということで、その影響は既に現実のものとなっています。

また、違法漁船は、洋上転載を利用して港での検査から逃れ、他の船が獲った魚に自分たちの違法な魚を紛れ込ませています。今年の2月、グーグルと海洋保護団体らが立ち上げたグローバル・フィッシング・ウォッチが、洋上転載の調査レポートを発表しました。それには、昨年だけで数千件の洋上転載があったという、驚愕の結果が書かれています。

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現代なのに、脚気が蔓延する労働環境

洋上転載は、人間にとっても恐ろしい影響を及ぼしています。

漁師たちは、逃げるチャンスもなく、1年以上も漁船に囚われたままになることもあります。グリーンピースが取材をした漁師の多くは、カンボジアやミャンマーから来た人身売買の被害者でした。漁船での彼らが受けた扱いは、まさに地獄のようでした。殴られ、眠ることを許されず、1日20時間の労働、性的虐待、さらには文句を言ったり病気で働けなかったりした同僚が殺されたことすらありました。

生き延びるために漁に使う餌を食べるしかなかった漁師も多くいました。また、脚気が元となって亡くなった人たちもいました。何百年も前の航海で脚気にかかるのであれば、まだ納得がいきますが、現代の10億米ドル規模の経済価値を生み出すマグロ産業で起きているなんて

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まだまだ、企業や政府の取り組みが必要です。

タイの遠洋漁業における人権侵害や違法漁業を調査した、グリーンピースのレポート「変化の波(※日本語版は近日発表)」にあるように、洋上転載を利用する最も悪質な漁船の多くは、監視の目が届かず、規制の緩い海域に移動しています。

獲られた魚は、主にヨーロッパやアメリカ向けの、ペットフードやツナ缶に使われています。

そんな中、良いニュースもあります。NGOや政府が洋上転載の危険性を認識し、商品を海まで遡って辿れるようになるための挑戦が始まっています。

マースやネスレなどの企業がサプライチェーン浄化の取り組みをリードすることによって、洋上転載への規制強化が期待されます。問題は山積みです。グリーンピースは、まだ確認のできていない洋上転載に対処するよう、企業に呼びかけを続けています。

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あなたの声で、企業のサプライチェーン改善を後押ししよう!

言うまでもなく、いかなる強制労働も許されることではありません。ペットフード企業は、自社のサプライチェーンを浄化せねばなりません。

ところが、マースとネスレ、双方のサプライヤーであるタイ・ユニオンは、同様の取り組みをしていません。タイ・ユニオンが洋上転載を廃止すれば、水産業界全体に変化をもたらす大きな力となります。水産業界で働く人びとにも、海の生物多様性にとっても、明るい未来を創ることができます。

グリーンピースは、一日も早く、そして確実に、マースとネスレの約束が海にも大きな変化をもたらすよう、サプライヤーであるタイ・ユニオンにも行動を求めています。

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いま、世界中で署名を集めています。

今回、マースとネスレが動いたのは、多くの市民の声があったからこそ。

日本からも署名に参加して、タイ・ユニオンにも海と働く人々をまもる約束をしてもらいましょう。

署名サイトはこちら! www.greenpeace.org/badtuna

英語ですが、右下にある入力欄に、上から「名前・苗字・メールアドレス」を入力するだけ!
余裕のある方は、お住まいの国名を選んでくださいね。

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