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国が発表している東日本大震災による避難者数が、この春激減しました(注1)。

多くの人が故郷に戻り、復興が急速に進んだのでしょうか?

現実は、そうとは言えません。

通学路に置かれる除染廃棄物 福島県

この3月に住宅支援が打ち切りになった、原発事故の避難指示区域外から避難した人々が、計上されなくなったのです。

 「原発事故が起きても数年で元どおりになる」ということを印象づける目的でしょうか。

避難指示解除を急いだり、被害者の数を小さく見せる統計を出すなど、政府は原発事故が終結したと見せかけようとしています。

息子を守るために故郷を離れ、今も避難生活を続けるSさんは、「私たちのことは無視されている、原発事故の被害者はなかったことにされてしまうと感じています」と話してくれました。

避難区域外から母子避難した家庭にとって命綱である住宅支援の打ち切りや、まだ十分に線量が下がっていない地域の避難指示解除など、今、東京電力福島原発事故被害者に起きていることは人権侵害にほかなりません。

グリーンピースでは、今年4月、日本政府に対し原発事故被害者の人権をまもるよう求める署名(20,385筆)を提出しました。

署名提出 

国連が日本の人権状況を審査 

今年、国連が日本の人権状況を審査するのをご存知ですか?

グリーンピースは今年3月、国連による日本の人権状況審査に対して、意見書を提出しています。(意見書全文/英語 意見書提言部分/日本語

グリーンピースからの意見書も含め、NGOから出された提出文書がまとめられ、この秋、いよいよ審査が始まります。

グリーンピースは、国連の中でNGOが持つ最高のステイタスである「総合協議資格」を有していて、各種会議に参加、発言することができます。

この資格も生かしながら、グリーンピースでは、東京電力福島原発事故をめぐる日本政府による人権侵害について取り上げてもらうよう働きかけを続けています。

 国連ロゴ

世界の目が日本の人権問題を改善してきた

人権の促進と擁護を目的とする国連人権理事会では、国連加盟国の人権状況を4年ごとに審査しています。

審査結果の報告書などにより勧告された国は、勧告を受け入れるか、受け入れないかを答え、受け入れるなら、どのように対応するかなど意見表明をします。

ハーグ条約の批准や、国内の人権機関設置への動きにも、勧告が貢献したのではないでしょうか。

東京電力福島原発事故後の2012年には、国連の特別報告者が避難者や市民団体と面会できるようにすることが勧告されましたが、これについては面会が実現しています。

この秋、ジュネーブで審査が行なわれます

国連人権理事会の審査は、国連憲章、世界人権宣言、人権条約などに照らして行われます。また、対象国が自ら提出する「政府報告」、人権高等弁務官事務所による関連する国連公用文書のまとめとNGOによる提出文書のまとめ(人権高等弁務官事務所作成)に基づいて行なわれます。

審査結果文書が採択される作業部会が11月にありますが、その前にプレセッションがあり、そこでNGOは各国の代表者に直接働きかけができます。

プレセッションは10月10日から13日にジュネーブで開かれます。今、この場に行って、国連に直接訴えられるよう、調整をしているところです。

グリーンピースでは、このプロセスを通して、東電福島原発事故をめぐる日本政府による人権侵害を明らかにし、国連に訴えることで日本政府に事故被害者の人権を守らせたいと考えています。

ぜひ、このことを多くの方に広めてください。

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注1「統計から消える自主避難者 福島原発事故、無償住宅打ち切り影響」(朝日新聞)

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