こんにちは。エネルギーチームの鈴木かずえです。

神戸製鋼は原発部品もたくさん供給。

だから、「原発をとめて、調べて」ほしい。

10月31日午前11時、とめて調べることを求める緊急署名7,214筆を原子力規制庁の広報室に手渡しました。

「今、神戸製鋼も電力会社も調べているところ。その確認を待っている」ということだったので、「報告待ちという受け身の姿勢でなく、もっと積極的に、きちんと文書で調査の指示を出してください」と重ねてお願いしました。

ご参加してくださったみなさん、ありがとうございました。

また、その足で今動いている国会議員の事務所をいくつかまわり、この問題を訴えました。

「待ち」の姿勢の原子力規制委員会

製品の品質管理データを改ざんしていた神戸製鋼は原発にもさまざまな製品を提供しています。

ところが、原子力規制委員会は、電力会社にも神戸製鋼にも調査指示の文書を出すこともなく、電力会社と神戸製鋼による確認を待っているだけ。

ウラン濃縮工場では神戸製鋼部品3700点にデータ改ざん

10月26日には、青森にあるウラン濃縮工場の神戸製鋼製の部品3700点で検査データに改ざんがあったと発表されています。

原発では、神戸製鋼製の東京電力福島第二原発の配管(未使用)に検査データが改ざんあったことが発表されています。他の原発にも神戸製鋼の製品が使われていますが、状況はわかっていません。

九州電力、関西電力の報告、信頼できる?

とくに、今、原発を動かしている九州電力。 2011年6月には、玄海原発2、3号機の再稼働に向けた「佐賀県民向け説明会」で九州電力が関係会社の社員に再稼働支持のメールを投稿するよう指示した「やらせメール事件」を起こしています。

また、本州で唯一原発を動かしている関西電力も、1999年10月に、燃料会社によるデータ改ざんを知りながら、12月まで国や県に報告を怠っていました。

九州電力や関西電力からの自己申告を待っていていいのでしょうか。

スキャンダル当事者の神戸製鋼や、原発の運転を止めないことが重要な経営課題となっている電力会社からの報告を待つだけで、規制委員会は原発の安全を確保できるのでしょうか。

原子力規制委員会は、もっと積極的に、電力会社に調査を指示し、情報を公開させるべきです。

神戸製鋼のパンフレット「神戸製鋼グループの原子力技術と製品」をダウンロードしてみてください。安全上重要な製品・部品・技術があらゆるところに使われています。

たとえば、原子炉を冷やすための部品に問題があって原子炉が冷えなければ、大事故になる可能性もあります。

電力会社に聞いてみよう 国会議員にも働きかけよう

ぜひ、みなさんも、お住いに近い原発を運転する電力会社に、神戸製鋼の製品がどこに使われているか聞いたり、地元の国会議員に、政府も調査をするよう働きかけてください。

グリーンピースも聞いています。

声が広がっています。

10月27日には東京新聞が「こちら特報部」の紙面でグリーンピースなど6つのNGOが原子力規制委員会に対して稼働中の原発をとめて調べることを求めていることを大きく報じてくれました。

10月29日には、「脱原発をめざす首長会議」も「原発関連施設に納入された神戸製鋼製品の検査などを求める緊急要請」を採択し、31日に政府に提出しています。

声を大きくしていきましょう。

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神戸製鋼の原子力関連技術・製品

PWR用上蓋や湿分分離加熱器(MSR)給水加熱器(FWH)等の熱交換器類
原子炉圧力容器上蓋など原子炉容器用部材をはじめ蒸気発生器用コニカルパーツ、チューブ・シート、また、鍛造品、軽水炉用ジルカロイ被覆管、燃料集合体用チャンネル
使用済燃料および放射性廃棄物の輸送・貯蔵容器(キャスク)の設計・製造、低レベル放射性廃棄物処理技術開発施設(LWTF)をはじめとして、気体・液体・固体状の各種廃棄物を対象とした処理設備・プラントの建設、日本原燃(株)六ヶ所再処理工場のチャンネルボックス等の放射性廃棄物の遠隔ハンドリングと処理・貯蔵システム

神戸製鋼の原子力関連材料

制御棒駆動用ステンレス鋼管、給水加熱器用ステンレス鋼管、蒸気タービンブレード材、チタン製冷却管、原子炉・炉内構造物や冷却水循環用ポンプ部品、各種熱交換器伝熱管用のフェロコチューブ、各種の原子炉機器に使用される厚鋼板、溶接材料

これまでの原子力規制のうごき(< >は市民の動き)

10月9日の週    原子力規制事務所経由で各事業者に対し、今回の事案に関係した製品が納入又は使用されていることがわかれば原子力規制庁に連絡するよう伝達

10月13日(金) 東京電力が、福島第二原発の在庫品に不正品あったと発表

10月17日(火) 関西電力、九州電力と面談の際、事実関係の確認含め調査を行うように依頼

10月18日(水) 四国電力と面談の際、事実関係の確認含め調査を行うように依頼

10月23日(月) 電力事業連合(電事連)に対し、事業者の調査状況を

11月9日の会合で報告するよう依頼(電事連は、検討すると返答)

10月24日(火) 23日の依頼への返答として、会合での報告を確定的な報告は困難と返答した電事連に対し、会合で調査状況を説明するよう依頼(電事連は、検討すると返答)
<グリーンピースら6市民団体が、原子力規制委員長へ原発部品の検査・検証を求める要請書送付>

10月25日(水)神戸製鋼と面談し、同社の不正問題への対応の説明を受ける。規制庁は、原子力関連製品に問題が確認された場合の情報提供を依頼(神戸製鋼は了解したと回答)

10月26日(金) 日本原燃、ウラン濃縮工場に不正品あったと発表

10月27日(土)<東京新聞(中日新聞)がグリーンピースら6団体の要請を報道>

10月29日(日)<脱原発をめざす首長会議が「原発関連施設に納入された神戸製鋼製品の検査などを求める緊急要請」を採択>

10月31日(火)<グリーンピースが原子力規制委員長あての原発を止めて調べることを求める署名を提出>


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