ツイート
 

 

こんにちは。サポーター窓口の金海です。

いつもはメールやニュースレターなどでサポーターの皆さんにグリーンピースの活動をお知らせしていますが、今日はブログで、今年夏にグリーンピースが行なった田んぼの生きもの調査の様子をご報告します。

ご協力くださった石川県金沢市・津幡町の田んぼにお邪魔したのは、7月終わりの暑い日のこと。

曇り空で少し風もあるお天気のなか、河北潟湖沼研究所の皆さんと、石川県内から来てくださったボランティアの皆さんといっしょに、農薬をこれからまく田んぼとまかない田んぼとで、生きものを捕まえる調査をしました*1。

[写真:生きもの調査を実施した石川県金沢市・津幡町にて]

虫たちを調べてわかったこと

その後、農薬散布を挟んで同じ田んぼで調査を3回繰り返し、捕まえた虫たちを分類して数える作業でも、ボランティアの方々にご協力いただきました。

小さな虫を顕微鏡越しにひたすら観察する作業に、3カ月近くもかかりました。

でてきた結果を分析したところ、農薬をまいた田んぼとまかない田んぼで害虫と益虫の数のバランスの変化に大きな違いが見えてきました。

害虫というのは農作物に悪影響を与える虫、つまり田んぼではウンカやヨコバイやカメムシのことで、益虫というのは、農作物には悪影響を与えずに害虫を捕食する虫(今回の調査ではクモ類)のことです。

農薬をまいた田んぼでは、散布直後には減った害虫が3度目の調査時には大きく増えていて、まかなかった田んぼではそれほどの増加はみられませんでした。

一方、害虫を食べるクモは、農薬をまかなかった田んぼでは順調に数が増え、体も大きいものが多くなっていました。

(詳しい調査結果はこちらからご覧ください)

 

[写真:生きもの調査を実施した石川県金沢市・津幡町にて]

田んぼに暮らしている生きものはバッタやチョウやトンボ、アブラムシ、ウンカ、カメムシなど昆虫の仲間のほか、クモやテントウムシ、カエル、ザリガニ、ヘビといった虫を食べる生物やミミズなどの土中生物、バクテリアなどの微生物も生息しています。

害虫も益虫も、農作物に直接影響のないものも含めたさまざまな生きものが、田んぼやその周辺で互いにバランスをとりながら暮らしているのです。

農薬が、本来農産物に害のない生きものたちにも影響を与えることで、その生態系のバランスが不自然に変化し、その変化が、農薬散布の意図するところとは別の方向に作用することもありえるのです。

ひとりでも多くの人に、その変化にちょっと注目して、そもそもなんのために農薬を使っているのかを、しばらく立ち止まって考えてもらいたいなと思います。

 

 [写真:生きもの調査にご参加くださった皆さん]

ボランティアが活躍する調査活動

今回ご参加くださったボランティアの皆さんにはさまざまな方がおられましたが、なかには実際に無農薬栽培でお米をつくっておられる農家の方々もいらっしゃいました。

自分の手でおいしくて安全なお米をつくりたい、という強い信念のもと日々農業にとりくまれている皆さんの調査活動に対する意気込みは、思っていた以上に真剣なもの。

どうすればより効率的に正確な調査ができるかという議論にも、積極的なご提案をいただきました。

農薬に頼らずに、おいしくて安全なお米を生産するということは、健康な田んぼの生態系と農業とのよいバランスを保つこと。

農家の方々にとって、彼ら田んぼの生きものたちをよく知ることはとても重要です。

 

[写真:河北潟湖沼研究所の高橋久さん]

といっても、あぜ道に立って夏の風に吹かれながら、どこにどんな生き物がいてこんな対策をしていてなどといった情報交換を活発にされている皆さんは、元気いっぱい笑顔いっぱいで、自然とふれあいながら食べ物をつくるお仕事を、愛情をもって心から楽しんでおられる様子でした。

グリーンピースの活動にご参加・ご協力くださる方々のなかには、今回の皆さんのように、農業や漁業など環境に密着したお仕事をしておられる方が少なくありません。

気候変動による干ばつや長雨といった自然災害、土壌や水質の汚染、お魚資源の減少などの環境の変化が、生業に直接影響します。

自ら自然と共存しながら、おいしくて安全な食べ物をつくっていくための環境保護活動として、グリーンピースの活動を支持してくださっているのです。

そんな皆さんとの調査を通じて、生態系農業への本物のあつい情熱がひしひしと伝わってきて、活動のたいせつさや責任の重さを、改めて再確認しました。

 

[写真:調査中の田んぼの目の前で行われていた農薬散布作業]

グリーンピースの環境保護活動の基本は、環境破壊がおこっている現場に直接いって、そこで調べた事実をもとに、心をともにする人々といっしょに行動することです。

その意味で今回の田んぼの生きもの調査は、グリーンピース設立以来まもられてきた基本の活動でもあります。

そんな活動に、ボランティアやサポーターの皆さんといっしょに、緑いっぱいの爽やかな田んぼで参加することができ、感謝の気持ちでいっぱいです。

おいしく安全で、生きものにも優しい農業を応援しよう

現在、日本の多くの田んぼでは、ミツバチの大量死の原因とされるネオニコチノイド系農薬が使われています。それは主に、たまに混じることのある黒いお米・斑点米をなくすため。でもこの黒いお米、体に害はなく、農薬を使わなくても機械で取り除くことができます。

むやみに農薬が使われるいまの現状を変えるために、私たちにできることがあります。ぜひ下のバナーをクリックして賛同してください。

 

賛同する >

 

 *1生き物調査の結果と活動報告はこちら

 

ツイート
 

グリーンピースは、政府や企業からお金をもらっていません。独立した立場だからこそできる活動で、私たちの知らないところで進む環境破壊や生態系への影響を明らかにしています。寄付という形でも一緒にグリーンピースを応援していただけませんか?

寄付する 

 

こちらもオススメ

電力自由化から1年半。もう乗り換えた?よくある疑問、お答えします 

やんばるの森の世界自然遺産登録を喜べない理由

神戸製鋼不正スキャンダル:原子力規制委が電力会社に調査を文書で指示しない理由

石油よりいのちを選ぼう

国連人権理事会の対日人権審査で、福島原発事故被害者の人権問題に懸念 ーー日本政府は勧告の受け入れを

地球上でいちばん大きい海洋保護区を南極につくろう!

「消費者と一緒なら、水田でのネオニコ系農薬はやめられます」