こんにちは、食と農業担当の石原です。環境にもよく、安全安心なオーガニックのお米や野菜をもっと身近で買えるようにしたい。それでは、どうすればいいのでしょうか?

オーガニックを広めたい人々がつながるきっかけを

グリーンピースでは環境に優しい農業を広めるため、みなさんと一緒にオーガニックを広げるキャンペーンを実施してきました。今までのキャンペーンを通して、オーガニックをもっと身近にしたいけど、様々な壁に悩んでいる消費者、生産者、販売者の方々と出会いました。
そして、それぞれ「オーガニック商品をより身近にしたい」という気持ちは同じだけど、お互いの取り組みを知る機会が限られていることや、お互いの考えを知る機会があれば一歩前に進めるのでは、ということに気が付きました。
そこで、共通の目標・問題意識を持っている消費者、生産者、販売者が一堂に会して、「全国の消費者にオーガニック商品を届けるため、それぞれができることは何か?」というテーマでワークショップを実施しました。
一緒に話し合うことでオーガニックを広めるためのアイデアや、気になる疑問を解消するヒントなど、新たな気付きが芽生えることが狙いです。

オーガニックを広げるため、立場を超えて、様々な視点から話し合う

ワークショップには農家、小売店、専門家、消費者など様々な参加者26名が集い、5グループに分かれて、2時間のプログラムを行いました。
冒頭、山口タカ氏(オーガニックヴィレッジ・ジャパン事務局長・「ORGANIC VISION」編集長)の基調講演では、2020年に開催される東京オリンピックの選手村にオーガニックを届ける取り組みや、今後、消費者・生産者・販売者に期待されることなど興味深いお話しがありました。講演の詳細は、別のブログでレポートします。
グループワークでは、オリジナルのワークシートを使いながら、オーガニックが広がっていない原因とその解決策を話し合いました。ここではグループワークで話し合った3つのステップを紹介します。

ステップ1原因を探る

まず、オーガニックが広がっていない原因は何か、各グループでブレインストーミングを行います。この作業では、参加者の方々が普段から感じている悩みや問題意識を書き起こし、グループ内でシェアしました。「オーガニックの定義を消費者が知らない」、「どこで買えばいいかわからない」、「形がそろっていない野菜は扱ってもらえない」など、それぞれの視点から多くの課題が上げられていました。

ステップ2 解決策を考える

次のステップとして、その原因を克服するために何ができるか、政治、経済、教育などあらゆる分野から解決策のアイデアを探ります。例えば、「形がそろっていない野菜も販売できるように、各スーパーに形のそろわない『B級野菜コーナー』を設置するのはどうか」、「食育を深めるため、学校でオーガニック野菜を育ててみてはどうか」などのアイデアがでました。

ステップ3 誰が何をできるのかを確認する

解決策として書き起こしたそれぞれのアイデアは、消費者・生産者・販売者・行政のうち誰によって達成できることなのかを確認しました。例えば、「B級野菜コーナーを実現するのにはスーパーの取り組みが大事だけど、消費者・生産者にもできることはあるはず」、「学校や家庭でオーガニックの良さを伝えるため、有機農家が野菜の育て方を伝授できるのでは?」など、各参加者がそれぞれの視点に戻って考え、話し合いました。

最後に、各グループの代表者がそれぞれ話しあった内容を発表しました。「ネットワークを広げるため、消費者と生産者が直接話せる出会いの場をスーパーが作る」、「小さい子どもを持っている親の意識は高く、加工品でオーガニックが少ないことから、ベビーフードでアプローチしてみる」、「母親・父親向けのワークショップを農家・スーパーと協同で開催する」など白熱して話し合った様々なアイデアを発表してくださいました。

発表した内容を通して、基調講演をしていただいた講師の山口氏からは、
「オーガニックが当たり前になる時代はここからは早いと思う。それぞれが生活の場で試行錯誤している集大成が一つずつ見えてくる、その可能性を感じたワークショップだった」とのコメントをいただきました。

グリーンピースもNGOの役割を活かしてオーガニックを広げていきます!

今回のワークショップは、オーガニックを広げたいと願う様々な方々と一緒に話し合うという新しい試みでした。参加者からは「立場の違う人からいろいろな意見を聞くことができた」、「今後も定期的な勉強会をしたい」などの感想をいただきました。
また今回の企画を主催するにあたり、消費者、生産者、販売者などさまざまなステークホルダーをつなげることはNGOならではの役割でもあると感じました。今回のワークショップを通して生まれたアイデアを実践にも活かして、オーガニックをより広げることができるよう、グリーンピースも活動していきたいと励みになりました。

まずは身近なアクションからはじめてみませんか?

みなさんもオーガニックや環境にやさしい農業を身近にするために何ができるか、それぞれ考えてみませんか?グリーンピースでは、スーパーに「オーガニックを増やして」という消費者の声を届ける署名を実施しています。2月12日が締切なので、まだの方はぜひ参加し、もう署名された方も周りの方にシェアしてください。

「国産オーガニックを全国に!」いますぐ署名する >


グリーンピースは、政府や企業からお金をもらっていません。独立した立場だからこそできる活動で、私たちの知らないところで進む環境破壊や生態系への影響を明らかにしています。寄付という形でも一緒にグリーンピースを応援していただけませんか?

寄付する 

グリーンピース・ジャパン

ライターについて

グリーンピース・ジャパン
グリーンピースは、環境保護と平和を願う市民の立場で活動する国際環境NGOです。世界中の300万人以上の人々からの寄付に支えられ、企業や政府、一般の人々により良い代替策を求める活動を行っています。ぜひ私たちと一緒に、行動してください。

Comments

あなたの返答を残す