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こんにちは。食と農業担当の関根です。

5月も下旬になり、田植え前線は、東北〜北海道に到達しているようですね。

関東ではアマガエルや、畦にまだちいさなクモの姿を見かけるようになりました。

のどかな風景ですが、育苗箱ごと農薬に浸した苗を田に植える場合もあり、また、あとふた月もすると、農薬を空中散布するヘリやドローンが飛び交うようになります。

ネオニコチノイド系農薬などの農薬の散布は、ミツバチの大量死を引き起こしているほか、トンボや鳥の数が減るなど生態系への影響も明らかになってきています。でも、農家も農薬を使いたいわけではなく、使わざるを得ない状況があります。

農薬をやめたくてもやめられない理由とは?

カメムシが若い穂の汁を吸ってできる黒い点々のあるお米、斑点米。

斑点米が1,000粒に2粒混じってしまうだけで農産物検査で等級が落ち、買取価格が下がってしまうという厳しい基準のため、農家は神経質にならざるを得ません。

 

ではその厳しい基準、どういう根拠で算出されているのでしょうか。

グリーンピースでは農林水産省にその算出根拠や元にしたデータを公開してくれるよう要求しました。すると…。

「算出した数式やデータは存在しない・・・」

農林水産省によると、斑点米について1等米〜3等米の混入限度を算出した数式やデータは存在しないというのです[1]。

多くのお米農家が神経をとがらせ、

あちこちでハチが大量死し、養蜂家も困っているのに、

その大元になっている斑点米の厳しい基準には根拠がなかったのです。

お米農家の思い

秋田県のお米農家の今野さんは

「コメの厳しい検査基準には当然、客観的合理性があるものと思っていたので、根拠となるデータ無しに作られたと知ってとても驚いた」

といいます。そして

「関係者の意見で決まったようですが、関係者とはどういう方々だったのか、基準の見直しを求める地方議会の意見[2]はなぜ反映されてこなかったのかなど、疑問です」

と不信感を隠せない様子で語ってくれました。

 

今野さんは、

「今後の見直しに当たっては、透明性・公平性を担保してもらいたいです」

と訴えます。

それは消費者にとっても同じです。もちろんミツバチや、環境にとっても。

根拠もなく農薬散布をさせるような制度は一日も早い見直しが必要です。

そして、消費者と農家が力を合わせれば、不要な殺虫剤散布はやめられます。

あなたにできることがあります

グリーンピースでは今、農家団体や消費者グループとともに水田に殺虫剤をまく構造を作り出しているお米の等級制度を見直し、ネオニコ系農薬の散布を規制するよう求めるオンラインキャンペーンを実施中です。

あなたも下のバナーをクリックして賛同してください!>>賛同する >

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[1] 斑点米の等級ごとの混入限度の算出根拠や基礎としたデータを求めたグリーンピースの請求に対する農林水産省からの回答[PDF]

[2] 斑点米の基準が厳しいことについて、検査項目や基準の見直しを求める意見書が岩手県(2004年)、秋田県(2005年)から国に提出されてきました。

 

 

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