皆さん、こんにちは。 

食と農業問題担当の関根です。

最近、アメリカのホームセンターがネオニコチノイド系の農薬を使った(入った)商品の取り扱いを段階的に廃止していくという方針をCSR報告書で公表しました。

企業は持続可能な社会との関係があってこそ存続でき、そのためには本来の事業活動を通して環境配慮・対策を行う社会への責任があります。この「企業の社会的責任」(CSR)を果たす行動の一つとしてネオニコチノイド系農薬を使った製品の取り扱いを段階的に廃止するという方針を打ち出したのです。

 

 

その会社はアメリカに1840店舗をもつホームセンターのLows(ロウズ)社。 

背景には環境NGOのFOEアメリカによる働きかけや市民の呼びかけなどがありました。

ミツバチなどの花粉媒介生物の健康に関する研究に注目してきた同社は、「潜在的原因が示唆されているが、いくつかの研究では、ネオニコチノイド系農薬が要因かもしれない」と結論しているとして、具体的に次のようなことを約束しました。

 

(以下抜粋)

ロウズは、お客様に提供する商品や情報を定期的に見直すことにしており、花粉を運ぶ生物の健全性を保ために次のような行動をとります:

• 有機農業関連や、ネオニコチノイドを使用しない製品を以前より増やした品揃えにします。

• ネオニコチノイド系農薬を含む製品について、適切な代替品が商業的に入手可能になったものから販売をやめ、段階的に48ヶ月以内には廃止します。

・当社で販売する、ハチの好む植物へのネオニコチノイド系農薬の使用を完全になくせるよう、それらを育てるお客様と一緒に取り組みます。

・ 草花や農産物を育てるお客様に生物的な(訳注:天敵などを活用した)管理方法を推奨します。

・ パンフレットや商品表示など店内での工夫を通じて社員およびお客様への教育を勧めます。

 

アメリカ政府も最近、ネオニコチノイド系農薬の新規使用(登録)や新しい用途を許可しないことを発表しました。しかし、いま許可されているネオニコチノイド系農薬については今後も使用できてしまうため、汚染や被害の拡大につながることが心配されています。

ロウズ社のこの方針は、実質的な「脱ネオニコ」を先取りするものとして、注目すべき先例といえます。

 

(参考)ロウズ社の社会的責任報告書

http://responsibility.lowes.com/2015/wp-content/uploads/Lowes_2014_SR.pdf

 

日本ではネオニコ系農薬の規制がないどころか、使用範囲が拡大されようとしています。国会議員に、ミツバチや子どもと食の安全を守る法律をつくって、と求める署名実施中。

 

今あなたの、署名が必要です。

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