こんにちは。海洋生態系担当の小松原です。以前のブログで、産卵しに日本海に戻ってきた太平洋クロマグロ(本まぐろ)のお母さんたちが一網打尽にされている実態について紐解きました。今日は私たちとのかかわりについて書いてみます。
お母さんマグロの行きつく先は、あなたがいつも行くスーパーやデパートだった
初夏のこの時期、スーパーやデパートのお魚屋さんで日本海や境港と表示されている、お値打ちの本マグロ(クロマグロ)見たことありませんか?
それ、卵をおなかに抱えたお母さんマグロだったかも。
「海の黒いダイヤ」とも呼ばれる本マグロ。ダイヤと言われるだけあって、本来はお値段が張るものなので、スーパーよりもデパートで見かけることが多いかもしれません。
ですが、産卵期に日本海の巻き網で獲られたものは、味や質が悪いことからものすごーく安い値段しかつかないので特にスーパーでは、お買い得品として重宝されるのです。
当たり前すぎるのですが、何度も言っちゃいます。産卵しないとマグロは増えません!子どもを産むチャンスまで奪ったら、絶滅しろって言っているようなもの。
いつまで見て見ないふり、続けますか?
なんでこんな状態まで誰も助けてあげなかったのでしょう? 簡単に言ってしまえば、本マグロが美味しいばっかりに、食べてもいい量をはるかに超えてずーっとずーっと食べて続けてきたしまった結果、未来に食べるはずだった分から前借りしちゃっているような状態。まさに借金まみれ。
資源の危機を知りつつも、スーパーやデパートは、「消費者のニーズに応えるため」とか「市場に出回っているから」と言います。実際にマグロを獲っている水産会社は、「行政の管理・規制に従う」と言います。
どうにかしないとマズいなーと思ってはいても、「誰か」がどうにかしてくれるのを待ってるんですよ。誰かに言われないとやらないなんてかっこ悪すぎる!
産卵期のマグロが食べたい!って言いましたっけ?
そもそも、獲りすぎているのを知っていながら、長年何もせずに放置してきた水産庁がいけないんですが、彼らが動くまで待てるほどの時間はマグロたちには残されていないのよ!
そこでカギを握るのが私たち「消費者」です。たしかに私たち消費者にとって、「安い」のは嬉しいことですが、前借りに拍車をかけ破産に導くような「産卵期のマグロが食べたいっ!」ってニーズありますか? スーパーやデパートは、私たち消費者のせいにして、売り続けているのと一緒です。
状況を知りつつも獲ったり、売ったり、規制しなかったりしている人たちを責めたい気持ちは山々ですが、それでは事態は変わらないので、本当の消費者のニーズを声を大にして教えてあげましょう、「産卵期のものはいらないよ」と。
お母さんマグロと未来の赤ちゃんマグロを守るキャンペーンはじめました!
いま、産卵期の太平洋クロマグロを扱わないと宣言してるスーパーやデパートはないので(いらっしゃいましたら、ぜひお声がけください!)、あなたの声を届けて変えましょう。全国から消費者の声を届ける方法がなかったので、作っちゃいました!
私たちグリーンピースは6月22日に、産卵期の太平洋クロマグロを救うべく、消費者のメッセージをスーパーやデパートに届けるキャンペーンをはじめました。集まったみなさんの声は、私たちがスーパーやデパートに届けに行きます!スーパーやデパートが変われば、実際にマグロを獲っている水産企業マルハニチロとニッスイだって動かざるを得なくなるはず。(詳細は調査結果をご覧ください)
人も魚もハッピー!豊かな海をみんなの力で取り戻しましょう!みなさんのメッセージお待ちしてます!