こんにちは、インターンの河津です。

6月21日、Human Rights Now主催の勉強イベント
第1回 国際人権法と持続可能な開発目標(SDGs)に参加してきました。講師は、国際人権法と国際環境法を専門にするニューヨーク州弁護士、Christopher Cade Mosley先生。多様なキャリアをお持ちの参加者とともに、開発を「人権」という視点から学びました。

アメリカの大学で政治学を学んでいる私は、もともと途上国の開発支援に興味があり留学しました。社会公正そして人権という視点から途上国の立場に立って開発を考えられるようになりたいという思いで、今回のイベントに参加しました。

持続可能な開発目標、通称SDGs(Sustanable Development Goals)は、2015年9月に開かれた「国連持続可能な開発サミット」で採決された、2030年までの17の大目標と169の小目標からなる枠組みです。*1

最近になって、SDGsはよく耳にするようになりました。SDGsは簡単にいうと、貧困や飢餓、エネルギー、気候変動、平和的社会などの持続可能性確保に重点を置き、検討されている国際目標のことです。17の目標には、飢餓の根絶、クリーンエネルギーの実現、ジェンダー平等などを含みます。

人権ってなに?

「人権」とはなんでしょうか?
講義の始めに問いかけられた質問に、私は少し頭を悩ませました。
人が持つべき権利とでもいえるでしょうか。当たり前に人権という言葉を聞いていたにもかかわらず、それはいったい何を示すのか言葉に出すことに苦労しました。

Cade先生は、人権の定義をいくつかあげ、中でも協調されていた定義が、
「人権はユニバーサル(普遍的)である」ということでした。ユニバーサルであるということは、ある人の人権が違う誰かの人権より優先される、そんなことは許されず、みんな平等に人権を守り守られる権利があるということです。

人権擁護は様々な国際法で定められています。中でも、エレノア・ルーズベルトは、戦後の混乱した世界に、人権委員会の議長として世界人権宣言を起草しました。*2 第一条にはこのように記載があります。
「すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。人間は、理性と良心とを授けられており、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない。」


さらに、外務省では、
「発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,取組の過程で ,地球上の誰一人として取り残さない(no one will be left behind)ことを誓っています。」と国家体制での取り組みの意思を表明しています。*3

SDGs、持続可能な開発目標ってなに?

次に、人権という視点から、SDGsについて議論しました。
開発と聞くと、ついつい経済発展を思い浮かびませんか?そうです、開発目標は、途上国が環境に負担のないよう持続可能に展するには、どのような目標を達成する必要があるのか、そのような視点から考えられたものです。では、人権とはどのような関係があるのでしょうか?

Cade先生は、開発と人権は、互いに相互依存しあう存在であるといいます。

開発目標の達成は、その国の人権を向上させる必要が必然と出てくる指標もあります。今回授業の中で、その共通項を探すというディスカッションをしました。

例としてSDGsの目標3では、「すべての人に健康と福祉を」をめざしています。
実際に、1990年以来、1日当たりの子どもの死者は17,000人減少してはいるものの、毎年600万人を超える 子どもが、5歳の誕生日を迎える前に命を落としています。*1

この目標を達成するためには、
人権/ 女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約 (CEDAW)​第12条の第二項を遵守する、そのような必要性が考えられます。

CEDAW 第12条 第2項 
, ・・・締約国は,女子に対し,妊娠,分べん及び産後の期間中の適当なサー ビス(必要な場合には無料にする。)並びに妊娠及び授乳の期間中の適当な栄養を確保する。*4 

もちろん、様々な解釈が可能ではありますが、このように、開発目標を達成するうえで、同時に人権への取り組みを強化する必要性があることをCade先生から学びました。

しかし、開発目標にも問題点があると考えられます。
中でも、この開発目標は、先進国からの押し付けではないか、また先進国がより発展するための目標ではないか。もちろん様々な言語、伝統、文化が異なる国々で一つの目標を定めるのは容易なことではありませんよね。双方の歩み寄りと理解、そして議論が必要なのだと感じさせられました。

SDGsのこれから

SDGsは先進国にとってどのような役割を担うでしょうか?
途上国をただ発展させる目標ではなく、同時に先進国が「持続可能な社会を実現する」チャンスではないでしょうか?
実際に環境省のホームページにも、17の目標の うち12の目標が環境関連であることがハイライトされています​。*5

現在では、地球規模の気候変動が現在急速に解決されるべき問題です。「環境難民」そのような定義まで議論されるほど、地球上では環境変化により住み慣れた場所から離れないといけない方々がいます。経済発展や目先の利益だけを追求した結果、その人たちの人権がないがしろになってしまっている、そのようなことがあっていいのでしょうか。
このSDGsを通して、先進国は持続可能な国際社会を達成するのか、それとも国益を優先するのか、分岐点に立っていると考えます。

グリーンピース・ジャパンの米田祐子事務局長にも職場で聞いてみました。SDGsは「持続可能である社会、そして環境に対する意識が変わる、大きなチャンスになる」とおっしゃっていました。また同時に、グリーンピースのような環境保護団体にとっては、国際協力などの分野で活動する他団体との横の関係を築く、そんなきっかけになるといいます。

SDGsは、途上国だけの目標ではなく、その支援をする立場である先進国が同時に変わっていく必要があります。SDGsが人々の価値観を問いなおし、さらにこれからの企業の存続にかかわる、そんなグローバルな指標であると米田事務局長はいいます。

今回のイベントを通し、人権そして開発の関係性を学びました。そしてグリーンピースのような国際環境保全団体として、どのよう持続可能な開発方法を開発委託企業や個人に伝えることができるのか考えるきっかけとなりました。

わたしは現在インターンとしてグリーンピースに関わる機会をいただき、日々環境問題や解決に向けて取り組むスタッフの方々を見て、自分にこれから何ができるのか、そんな思いでいっぱいです。

でもその中で、まず知ることが大切だと思います。このブログをご覧いただいているみなさん、一緒にインターン・ボランティアやってみませんか?
私は小さな力ですが、小さな力は集まれば、必ず大きな力となります。自分自身の成長、そして環境問題に取り組むために、一緒にやりましょう!

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参照
*1. 国際連合広報センター
http://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/15775/
*2 外務省 世界人権宣言(和訳)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/udhr/1b_001.html
*3 外務省 持続可能な開発のための2030アジェンダ
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/about/doukou/page23_000779.html
*4 内閣府男女共同参画局 女子差別撤廃条約全文
http://www.gender.go.jp/international/int_kaigi/int_teppai/joyaku.html
*5 環境省 持続可能な開発のための2030アジェンダ/SDGs
http://www.env.go.jp/earth/sdgs/index.html