こんにちは。海洋生態系担当の小松原和恵です。

今回のブログは、福岡からお届けします。本日9/1に始まりました、中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)の第10回北小委員会にオブザーバーとして、同じく海洋生態系担当の花岡と一緒に参加しております。
残念ながら規定により、会議の内容をお伝えすることはできませんが、どういう会議なのか、私たちがここで何をしているのか等々をレポートさせていただきますね。

WCPFC北小委員会ってなに?

この委員会では、中西部太平洋を広く回遊する魚類の資源状況と長期的な保存、持続可能な利用について協議しています。
協議の対象となる魚は、太平洋クロマグロ、メバチマグロ、ビンナガマグロ、メカジキ、ヨシキリザメなど様々です。どのお魚も日本が獲っている量をグラフなどで改めて見ると、人口が多いことはさておき、その量に本当にビックリしちゃいます!

今回の会議の注目ポイントは?

特に協議の中心となるのが、グリーンピースでもシリーズでお伝えしている「太平洋クロマグロ」の資源管理で、日本が提案しようとしている、未成魚(成熟していない魚)の漁獲量の半減(2002年〜2004年平均比)が採択されるのか注目されています。

過去のブログでも度々ご報告していますが、太平洋クロマグロは初期資源量のたった4%しか残っていないとされています。
この大きな原因として、今獲られている太平洋クロマグロのほとんど(98.8%)は3才以下の成熟していない魚であることがあげられます。みなさんももうご存知のとおり、日本は太平洋クロマグロの世界最大の漁獲国および消費国なので、この激減への責任はとっても大きいですよね。

 

この委員会で採択された内容は、12月に開催されるWCPFCの本会議で決議にかけられます。採択されるためには、加盟国の全てが合意する必要があるので、4日の最終日まで、協議の内容とその行方を見守りたいと思います!

もちろん見守るだけでなく、私たち海洋生態系担当は、委員会に先駆けて実施したスーパーマーケットへのアンケート調査や、持続可能な資源利用に向けてのグリーンピースの提言を、委員会開催中にできるだけ多くの参加者にお伝えして、太平洋クロマグロ保全の危急性を訴えていきます!

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