2011/5/4 海底土から高濃度放射性物質が検出されたことについて グリーンピース声明

プレスリリース - 2011-05-04
グリーンピースは福島第一原子力発電所周辺の海底土から検出されたという高濃度放射性物質が海洋環境に与える影響と、海底土汚染の状況をこれまで調査してこなかった東京電力株式会社と日本政府の姿勢を危惧するとともに、海洋調査の改善を政府に求めます。

東電は3日、福島第一原発から北に約15キロ、南に約20キロの場所で高濃度の放射性物質を検出したと発表しました。原発から北側では、1キログラム当たり190ベクレルの放射性ヨウ素、同1300-1400ベクレルの放射性セシウム、また南側では、同98ベクレルの放射性ヨウ素、同1200ベクレルの放射性セシウムが検出されています(注1)。これは、通常の約1000倍にあたるとの報告です。

福島第一原発から大量の汚染水を海洋環境に放出してから約1ヵ月が経過しようとしているにもかかわらず、汚染が容易に予測できる海底土を今回初めて測定したことに対応の遅さを感じざるを得ないことから、今後の海洋環境の把握のために以下のことを政府に要請します。

要請

  1. 複数の独立した調査機関の福島第一原子力発電所周辺海域及び三陸沿岸海域の海洋調査を受け入れること。(4月20日から沿岸域における海底土調査を政府に申請しているグリーンピースの調査協力も受け入れること(注2))
  2. 宮城県石巻港から茨城県銚子港までの海底土の広範囲かつ継続的な調査を行うこと。
  3. 上記2に示された範囲で海藻類、貝類、魚類などの調査を広く行うこと。また、調査を行う際には、現行のような可食部(頭や内臓を取り除いた部分)だけの汚染度を調査するのではなく、生態系への影響を把握するために、「可食部」と「非可食部」でそれぞれの汚染値を算出する、もしくは対象生物をそのまま可食部・非可食部でわけずに調査すること(注3)。

以上

注1)東京電力株式会社 プレスリリース (平成23年5月3日

注2)日本政府にグリーンピースがオランダ政府を通じて提出した調査計画書(pdfファイル)

注3)グリーンピースの海洋調査と政府の対応 (2011年5月1日記者発表資料 pdfファイル)

お問い合わせ:国際環境NGOグリーンピース・ジャパン

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