2013/5/28 福島、宮城、茨城、千葉の漁港で放射能調査を実施 ――富岡港や久之浜港で採取した海藻や魚から放射性セシウム検出

プレスリリース - 2013-05-28
国際環境NGOグリーンピースは5月28日、福島県、宮城県、茨城県、千葉県の8つの港で採取した海産物の放射能調査の結果を発表し、福島第一原子力発電所から南へおよそ10kmの富岡港(福島県富岡町)で採取したフクロフノリから1キログラムあたり167ベクレルの放射性セシウムが検出され、依然としてこの海域の魚介類が放射性物質によって汚染されていることが確認されました。(注1)

東京電力福島第一原発事故から2年が経過した今でも、放射能に汚染された魚介類が広く流通し、福島県の漁業者は休業を強いられているにも関わらず、東京電力は同原発施設内に増え続ける汚染水の海への放出を計画しています。そこでグリーンピースは、現在の海の状況を知る手がかりとして、地域の漁業や流通に携わる方々と共に福島県を中心とした漁港でサンプリング調査を行いました。

今回の調査は2013年5月8から10日に、福島県(富岡港、久之浜港、豊間港、小名浜港)、宮城県(気仙沼港)、茨城県(大津港)、千葉県(鴨川港、千倉港)の8港において実施しました。調査方法は、地元の漁業や流通に携わる方々からの協力のもと、それぞれの港で水揚げされた魚介類を入手し、第三者機関である株式会社エコプロ・リサーチでゲルマニウム半導体検出器を用いて検査しました。

採取した24サンプル中、8サンプルから放射性セシウムを検出しました。福島県では富岡港で採取したマコンブから1キログラムあたり20ベクレル、ワカメから同28ベクレル、フクロフノリから同167ベクレルを検出。久ノ浜港で採取したワカメから同9ベクレル、アカモクから同8ベクレルと検出。小名浜港で入手したクロダイから同9ベクレル、ヒラメから同11ベクレル、アイナメから同41ベクレルを検出しました。

グリーンピースの海洋生態系問題担当の花岡和佳男は、「私たちが現場で出会った多くの漁業関係者が、福島第一原発のタンク等に貯蔵されている放射能汚染水の海洋放出に強く反対しています。漁業関係者の生活を再建するためにも、市民の安全性を確保するためにも、地下水においては第三者機関によるチェック体制の構築を急ぐべきであり、汚染水の放出計画は白紙に戻すべきです。これ以上、海を放射能で汚染することを見過ごすことはできません」と訴えました。

便宜上、セシウム134とセシウム137を合算し、小数点以下を四捨五入しました。詳細は検査機関からの検査証明書(PDF)をご覧ください。

注1)第19回目放射能調査の結果

--
国際環境NGO グリーンピース・ジャパン

トピックス