2015/08/11 グリーンピース声明:必要のない川内原発は廃炉に ――住民の命と環境を危険にさらす九電・川内原発再稼動に抗議

プレスリリース - 2015-08-11
国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは本日8月11日、九州電力が鹿児島県の川内原子力発電所1号機を再稼動したことを受けて、再稼働は必要がなく、住民の命と環境を危険にさらすとして、下記の抗議声明を発表しました。また同日、グリーンピース・ジャパンでエネルギー問題を担当する関口守は川内原発の周辺で行われている抗議行動に参加し、市民とともに再稼働反対を訴えました。

グリーンピース・ジャパン エネルギー担当関口守
「九州電力川内原発の再稼動は、電力供給という観点からの必要性もなければ、電力会社が直面している危機からの脱出に貢献もしません。なぜならば、日本は2年近く全ての原発が稼働しておらず、その状況の下で電力不足による停電もありません。九州では、2011年5月から4年以上原発が稼働していない状態が続いていました。再稼動による利益が極端に少ない一方で、再稼働のリスクはきわめて高いと言えます。日本の全ての原発は活断層や老朽化など安全性の問題と同時に、住民の反対や運転差し止めなどの裁判を抱えています。いくつかの原発は活断層の存在や老朽化のために再稼動できずに廃炉となることが予測されます。たとえ、いくつかの原発が再稼動しても、日本の電力供給のわずか数%を担えるかどうかというのが現状です。

再稼働によるリスクを高めているのは、人の命や環境よりも、原子力産業の意向を優先させた原子力規制委員会の審査です。国際基準や自ら制定した「火山影響審査ガイド」もないがしろにして火山審査を進め、地震によるリスクも過少評価し、老朽化審査も異例のスピード審査でした。そして原子力規制委員会は、実効性のない避難計画に対して審査を求める住民の声を無視しつづけています。

安倍政権は、国民の過半数が望んだ原発ゼロのエネルギー政策を反故にして、再稼動を推し進めています。日本の自然エネルギーは、経済産業省によると太陽光発電だけでも2400万kW(2015年4月時点)が導入されており、東電福島第一原発事故以降、飛躍的に伸びています。省エネルギーも、2013年に789億kWhが需要減と省エネで代替されるなど、まだまだ伸び代があったことが証明されています。東京電力福島第一原発事故を経験した国の進むべき道は、原子力産業への保護を止め、省エネを進め、自然エネルギーを飛躍的に伸ばすことです。グリーンピースは川内原発再稼動に抗議するとともに、川内原発を含む国内すべての原発の廃炉を求めます」。

参考:グリーンピース委託:川内原発 再稼動差し止め仮処分裁判・原告団意見書 『原子力規制委員会の原子力発電所新安全基準の適用と国際原子力機関特定安全ガイドSSG-21, 2012に対する適合性』www.greenpeace.org/japan/ja/library/publication/20150130/  

グリーンピース委託レポート『川内原発と火山灰のリスク』 www.greenpeace.org/japan/ja/library/publication/20150226/

グリーンピース委託レポート『川内原発における耐震性評価の問題:国際基準と日本基準』
www.greenpeace.org/japan/ja/library/publication/20150428/

プレスリリース  「グリーンピース、川内原発の避難計画に関する実地調査を独自に実施 ―原発避難計画は津波ハザードマップと整合性なし、複合災害考慮せず」(2014年6月10日)www.greenpeace.org/japan/ja/news/press/2014/pr20140610/

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国際環境NGOグリーンピース・ジャパン

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