2018/03/01 グリーンピース声明: 欧州食品安全機関、ネオニコチノイド系農薬のミツバチへの危険性を再認ーー日本も規制は急務

プレスリリース - 2018-03-01
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区、以下グリーンピース)は、本日3月1日、欧州食品安全機関(EFSA)が広範囲に使用されているネオニコチノイド系農薬3種のミツバチへの毒性が高いと再確認する報告書(注1)を昨日発表したことを受けて下記の声明を発表しました。

欧州食品安全機関は、イミダクロプリド、クロチアニジン、およびチアメトキサムについての700以上の研究結果の検討を元に、これらの化学物質がミツバチにとって非常に危険であり、欧州連合(EU)が2013年に導入した現行の規制では、リスクを十分に回避できないと明示しました。

グリーンピース・EUのフードポリシー・アドバイザーのフランツィスカ・アシュテルベルグは、「報告書は、ネオニコチノイド系農薬がミツバチやミツバチが授粉する作物や植物にとって、差し迫ったリスクであるとする確固たる証拠を示しています。EU各国政府は、ミツバチへの壊滅的なダメージを防ぐためにまず、EU圏内のネオニコチノイド禁止案を支持しなくてはなりません」と訴えました。

2017年3月、欧州委員会は、ネオニコチノイド系農薬3種の使用を、温室内を除き全面的に禁止する案を提出しました(注2)。EU各国政府は、同案への投票を今年3月に実施する予定です(注3)。

本日発表された科学的証拠の検討レポートは、ネオニコチノイド系農薬3種の使用散布についてEUが2013年に導入した使用規制を受けてのものです(注4)。その後、2015年と2016年に実施された研究報告でも、管理下におかれたミツバチと野生バチに対して、同3種の農薬がもたらす悪影響が一貫して強調されています。

グリーンピース・ジャパン食と農業担当の関根彩子は、「EUでは2013年末から開始されている使用規制をさらに厳しくすることを議論しています。対照的に日本政府は、次々にネオニコチノイド系農薬の使用範囲や承認数を増やし、残留基準も緩和しています。農林水産大臣は、同種の農薬による影響から環境や花粉媒介生物を保護し、農業とそれを支える生態系の健全性を保つ施策が急務です。欧州食品安全機関の判断とその背景にある科学的証拠から、同農薬の危険性はますます揺るがぬものとなっており、この結果を重視し、日本でも使用規制に早急に着手すべきです」と強調しました。

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注1)EFSAの報告書発表のプレスリリース(報告書へのリンクあり) 

注2)http://www.greenpeace.org/eu-unit/en/News/2017/Commission-takes-major-step-to-ban-three-neonics/

注3)https://ec.europa.eu/food/sites/food/files/plant/docs/planning_sc_meetings_2018.pdf

注4)EUによる使用規制には「現行の規制が適用された日から2年以内に当委員会は新たな科学的な情報の検証を不当に遅れることなく開始するものとする」と記されています http://eur-lex.europa.eu/eli/reg_impl/2013/485/oj

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国際環境NGOグリーンピース・ジャパン

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