2018/06/26 ミツバチに有害な農薬の禁止を求める署名14,630筆を農林水産省に提出 ーー農家と養蜂家と消費者が望むのは、安全で生態系にやさしいお米

プレスリリース - 2018-06-26
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区、以下グリーンピース)は本日6月26日、農林水産省の安岡澄人消費・安全局農産安全管理課長ほかと面会し、ミツバチに有害なネオニコチノイド系農薬の使用禁止を求め、特に被害の大きい水田での散布を促進している農産物検査法の米の着色粒規程の見直しを求める賛同署名(注1)14,630人の市民の声を届けました。署名は昨年10月より、NGOや農家、養蜂家など8団体とともにオンラインと紙で全国から集めました。

署名を受け取った農林水産省の安岡課長は、「今回の農薬取締法改正のポイントは、一旦登録した農薬の再評価制度で、ネオニコチノイド系農薬も含めて見直していきます。神経毒性など人への影響、ミツバチや環境への影響について、科学調査に基づいて再評価を進めていきたい」と話しました。

グリーンピース ミツバチ ネオニコチノイド 署名
写真:署名提出の様子 

生き物共農業をすすめる会代表で稲作農家である今野茂樹氏は、農林水産省に対し、稲作農家と養蜂家との共同提言(注2)を行い、「夏が来ると、国内の米農家は不合理な農薬散布を強いられます。それは、安全安心を求める消費者ニーズに即さない農産物検査法の検査規程のためです。国産米が農薬にさらされるのを、生産者だけでは止められません」と訴えました。 

グリーンピース・ジャパン食と農業担当の関根彩子は、「農家も養蜂家も消費者も、ネオニコチノイド系農薬を使わない、生態系にもやさしいお米を強く望んでおり、それは農家と消費者の連携によって既に実現可能となっています。農林水産省には、ネオニコ系農薬のリスクを認識し、農家が危険な農薬を使わざるを得なくしている構造を改め、生態系と私たちの健康を守る農業へと舵を取ってほしいです」と述べました。

署名提出に立ち会った、生活協同組合連合会コープ自然派事業連合 常勤理事 鎌田妙子氏は、「徳島県では、地域にある未利用資源(鶏糞、廃菌床、ミミズの糞土など)を使うと、コストが半分になり、収量が2~3割増え、高品質になることで1.5~2倍くらいの売り上げを目指すことができます。農家150名、200ヘクタールで取り組みが広がっています」とネオニコチノイド系農薬を使わないお米作りの広がりを伝えました。

グリーンピースは、ミツバチを始めとする生態系と私たちの健康を守る、化学農薬に頼らない有機農業や自然農法など、生態系と調和した農業を全国に広める活動を農家、養蜂家、消費者とともに引き続き進めて行きます。

キャンペーン『農薬をむやみに使わないお米がいい!』呼びかけNGO9団体 

生き物共生農業を進める会
米の検査規格の見直しを求める会
食政策センター・ビジョン21
生活協同組合コープ自然派事業連合
ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議
提携米研究会
日本有機農業研究会
反農薬東京グループ
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン

注1)NGO8団体、田んぼでミツバチに有害なネオニコチノイド系農薬の禁止とお米の検査規格見直しを求める新キャンペーン開始 

注2)農産物検査法及び食品表示法、植物防疫法の抜本的見直しの必要性に関する養蜂家と稲作農家からの共

--
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン

トピックス