2018/10/10 コカ・コーラ、ペプシコ、ネスレが世界のプラスチック汚染に最も責任ある企業 ーー42カ国の市民による清掃活動によるブランド調査で判明

プレスリリース - 2018-10-10
【マニラ 】国際環境NGOグリーンピースも含む世界で1,300以上の団体が参加する『ブレイクフリープラスチック』は、 42カ国・6大陸で実施した239回の清掃活動で、企業のブランド別にごみを仕分けた結果、最も多く発見されたのは、コカ・コーラ、ペプシコ、ネスレであると発表しました。18万7千個以上のプラスチックごみを調査し、世界中の海や河川を汚染する、使い捨てプラスチックの包装に依存する数千もの企業を特定しました。中でもコカ・コーラ社が関連するごみの数がトップで、参加した42カ国のうち40カ国で確認されました。

『ブレイクフリープラスチック』のコーディネーターである、フォン・ヘルナンデス氏は、「このようなブランド調査は、世界的なプラスチック汚染の危機を永続させている企業が果たす役割について、否定できない証拠を示しています」と述べ、「問題のある、リサイクル不可能な使い捨てプラスチック包装を使用した製品を大量生産することにより、これらの企業は大規模な環境破壊を行っています。彼らは、無駄が多く、汚染を引き起こす製品への責任を消費者に転嫁するのではなく、自己の責任を認める時です」と続けました。

『ブレイクフリープラスチック』の団体メンバーによる調査(注1)でごみの発見頻度が高かった企業順に並べると、次の通りです。コカ・コーラ、ペプシコ、ネスレ、ダノン、モンデリーズ・インターナショナル、プロクター・アンド・ギャンブル、ユニリーバ、ペルフェティ・ファン・メレ、マース・インコーポレイテッド、コルゲート・パルモリヴ、マクドナルド。最も多く見られたプラスチックはポリスチレンで、多くの場所でリサイクルができません。次に多く見られたのはポリエチレンテレフラート(PET)で、ボトル、容器、その他の包装に使用されます。

グリーンピース・東南アジアのプラスチック・キャンペーナーのアビゲイル・アギラールは、「安価な使い捨てプラスチックに頼るグローバル企業のつけを、私たち市民が払わされ、そして、私たちは路上や河川でプラスチック汚染を清掃することを強いられています。 フィリピンでは、ビーチ全体を清掃しても、次の日にはまたプラスチックの汚染が広がっています。ブランド調査を元に、最も汚染に責任のある企業が誰かということは明らかです。これらの企業に、プラスチックの生産自体を抑制することを求めます」と訴えました。

【調査結果】

アジア:トップ汚染企業は、コカ・コーラ、ペルフェティ・ファン・メレ、モンデリーズ・インターナショナル
これらの企業は、韓国、タイ、ベトナムなどアジア諸国(日本含まず)のボランティアによって収集された全企業のプラスチック汚染の30%を占めていた。 今回の調査は、ネスレとユニリーバがトップの汚染企業であることが判明した、2017年に行われたフィリピンのフリーダム島での一週間の清掃と調査に続くもの。(注2)

北米・南米:トップの汚染企業は、コカ・コーラ、ペプシコ、ネスレ
これらの企業は、今回の調査で見つかったプラスチック汚染の64%(北米)と70%(南米)を占めている。

ヨーロッパ:トップの汚染企業は、コカ・コーラ、ペプシコ、ネスレ
これらの企業は、今回の調査で見つかったプラスチック汚染の45%を占めている。

オーストラリア:トップの汚染企業は、セブンイレブン、コカコーラ、マクドナルド
これらの企業は、今回の調査で見つかったプラスチック汚染の82%を占めている。

アフリカ:トップの汚染企業は、ASASグループ、コカ・コーラ、プロクター・アンド・ギャンブル
これらの企業は、今回の調査で見つかったプラスチック汚染の74%を占めている。

『ブレイクフリープラスチック』は、企業に使い捨てプラスチック製品の使用を削減し、包装を最小限に抑えるために配送システムを見直すこと、もうすでに限界のある廃棄物処理システムに負荷を与えているプラスチック汚染と地球環境への責任を負うことを求めています。

ブランド調査では、企業のプラスチック汚染への影響を完全に把握することはできませんが、最も汚染に責任ある企業を示す有効な手段です。『ブレイクフリープラスチック』運動は、企業に、使い捨てプラスチックに依存することをやめ、製品開発と新しい商品配送システムに優先的に取り組むよう促しています。

注1)『ブレイクフリープラスチック』は、プラスチック汚染のない未来を目指す世界的な動きです。 2016年9月の発足以来、世界各地から約1,300のグループが加わり、使い捨てプラスチックの大幅な削減と、プラスチック汚染の危機に対する永続的な解決を推進しています。 参加グループは、環境保護と社会正義といった目標を共有しており、コミュニティレベルでの活動を導き、グローバルで統一されたビジョンを表しています。

注2)2017年の調査の結果

※写真と映像はこちらから

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