オーシャンズ6 3.11から立ち上がった虹の戦士たち 第1回 田島剛さん

記事 - 2013-04-18
3.11を機に立ち上がった虹の戦士たちにお話を伺いました。第1回目は埼玉県在住 2児のパパ 田島剛さんです。虹の戦士になるのに、特別な資格は要りません。環境や、周りの人を思って行動する時、人は誰もみな虹の戦士です。みなさんも今日から、虹の戦士の仲間入りをしませんか?

オーシャンズ6 3.11から立ち上がった虹の戦士たち 第1回田島剛さん

虹の戦士とは

「いまに、地球は病み、海は黒ずみ、川の水は毒となり、動物たち植物たちも姿を消しはじめるとき、まさにそのとき、人々を救うために世界中から虹の戦士が現れる」

北米先住民族に伝わる伝説です。
グリーンピースの船"虹の戦士号(Rainbow Warrior)"は、この伝説にちなんで名付けられました。

このシリーズでは、グリーンピースの海洋生態系を担当している花岡和佳男が聞き手となり、お話を伺った方を6名、「3.11から立ち上がった虹の戦士たち」として順にご紹介していきます。

家族の身は自分が守る -- それが本能

|政府が出す情報が信用できなくなり、家族の身は自分が守ろうと思いました

-- 福島第一原発事故をきっかけに、変わったことは?

それまで原発の事を考えたことがなく、良いのか悪いのかさえ意識しませんでした。
しかも事故が起きてからも、政府の情報を信じてましたね。最初は。
その時に、メルトダウンって言葉も知りましたが、ひどい状況ではないと本当に思っていました。

-- 当初政府は「メルトダウンはしていない」としていましたしね。

その時にオランダにいる格闘技の師匠から、「日本の原発は今メルトダウンしてると海外では言われているぞ」と連絡が来て、どっちが正しい情報なのかわからなくなったんですよ。

だって、政府はメルトダウンしてないと言ってたんですよ。

この頃から、だんだん政府が出す情報が信用できなくなり、そこから心境の変化がありましたね。

あとで、日本政府の「メルトダウンはしていない」はウソだとわかり、信頼できなくなりました。

-- 政府の情報が信頼できなくなったんですね。

自分は、先進国である日本の政府がウソを言うとは思っていなかったし、新聞や大手メディアが出す情報は正しいと思っていましたから。
その時からどの新聞が、どんなことを書いているのかを考えるようになりましたね。

人間の本質として、危ない状況の時にこそ本質が現れると思うんですよ。
その危ない状況の時に大事なSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)の情報を隠したりしたことなどで、政府をますます信頼できなくなりました。
一度失った信頼を取り戻すのは難しいですね。

-- 子どもへの影響も心配ですよね。

自分が独身で一人だったら、あまり気にしなかったと思います。
若ければ若いほど気にしないんじゃないかな。
ただ、放射能は目に見えないし、危機感は伝わってきませんでしたね。

けれど当時、埼玉にいた6歳と2歳の自分の子どもが同じ時期に鼻血を出したんです。
それまで放射能の影響で粘膜が損傷して鼻血が出るというようなことは聞いていたんですが、この時初めて目に見えて危険を感じましたね。
情報を信じても、被害を受けるのは自分なので。
子どもや家族の身は自分が守らないといけないと、思いました。

-- 食べ物にも気を付けるようになりましたか?

水と食べ物は、かなり気をつけるようになりましたね。
放射能検査をしてるという割には、流通して いる食品から検出されるし、どんな検査をしているのかよくわからないし。
核種もヨウ素とセシウムしか検査をしていないですけれど、他にも放射性物質はたくさんあると聞いています。

魚はグリーンピースの放射能調査のデータを参考にしながら、できるだけ検出されていない魚を選んでいます。
自分で調べて、出やすい野菜などを見極めて、食べても比較的大丈夫そうなものを購入しています。
データを見ながら傾向を把握しています。

|スーパーは消費者のニーズがわかってきた

-- スーパーに対して何か働きかけしていますか?

グリーンピースのスーパーマーケットへの働きかけも影響したのか(グリーンピースでは2011年からスーパーマーケットに調達方針や放射能検査に対する取り組みのアンケートを行い、消費者と一緒に改善を呼び掛けています。)近所にあるスーパーのマルエツは、事故直後こそ「食べて応援」でしたが、今は西の野菜や魚が多いですね。

スーパーは消費者の欲しいものがわかり、仕入れ方が変わったんだと思います。
あと、きちんと放射能検査の結果の数値を出して売れば、産地だけで商品を避けることはないんですから。
数値を公表することが、手っ取り早く風評被害を防ぐことになると思います。

-- 政府が「安全だ 安全だ」と言うことが逆に風評を作ってますよね。

そうですね。スポーツで言えば「この人は足が速い」と何百回言うより、「100m○秒で走る」と言えばすぐわかるわけですから。
きちんと安全だとわからないものを食べないのは、わがままではなく、人間、野生の防衛本能だと思うんです。

-- それが生産者へのサポートになると言うお考えですよね?

売れないのを風評被害だ、買わないのが間違っていると言ったり、安全だという宣伝にお金を使うより、補償に使った方が良いと思います。
農業や漁業をやっている方たちにとっては、自分たちが作った野菜や魚を売りたいし、食べてもらいたいって思うんですよ。
しかし、少量でも放射性物質が検出されれば、気を付けている人たちは避けると思います。

放射性物質が入っていない物を求めるのは、わがままでもなんでもないと思います。
だからこそ、補償が必要で40年にわたって原発を推進してきた日本政府の責任なんです。

|グリーンピースは最初からメルトダウンしていると言っていた

-- グリーンピースと一緒に活動しようと思ったきっかけは?

グリーンピースは最初からメルトダウンしていると言っていました。
その時は誰もそんなことはないという感じだったのに。
結局はグリーンピースの情報通りだったと言うことがわかりました。

それからグリーンピースはよくシーシェパードと混同されたりして、報道される内容と実際のグリーンピースに食い違いがあることを知り、グリーンピースがウソを言っていないことに気づいて一緒に活動したいと思いました。

|学校菜園の野菜の放射能検査を市に求めて

-- ご自身でも活動されていますよね?

子どもの学校に学校菜園があるんですが、放射性物質がたまりやすい場所にあるんです。
自分でガイガーカウンターで測ったら0.2マイクロシーベルトくらいあって、埼玉県の除染基準にも引っかかる数値だったんです。

そこで作った野菜を子どもたちが食べるというので、学校に「検査しているのか」と聞いたら、していないと言われ、さいたま市に「検査をしてほしい」との要望書は出しました。
学校で栽培するものは教育委員会や市が検査してほしい
ですね。

それから、下の子が通っている保育園は秋になると芋掘りに行くんですが、取れた芋の検査をしているのかどうか尋ねたところ、砂場の砂は取り替えていても、農家の土壌は調べていないようで、きちんと調べてほしいと思いました。

-- そのような活動の成果はなにかありましたか?

自分の活動の成果かどうかは分かりませんが、埼玉では校庭の対角線、中心点など、その区の代表校のものを計測、公表されていて安心材料にはなりますね。

それから、残念ながら世間一般には、放射能のことを口に出してはいけないという風潮を強く感じます。

-- タブーみたいなものですね。

原発、特に放射能に関しても言いづらいところがあるというのが現状。
口に出して言わなくても個々で気をつければ良いという考え方もあります。
しかしそうなると自分だけ気をつければ良いと言うことになり、大きな活動につながらない傾向があります。

ですので今は、家庭内で気をつけ、身内というか小さなコミュニティーで言うようにし、徐々にコミュニティーを広げていくのが良いと考えています。

-- ということは、活動を広げていくのは今は難しい?

見て見ぬふりではなく、それぞれが事実を踏まえてどうするかを考えるべきだと思います。
どの情報が正しいのか自分で判断できるようになってほしいですね。

-- 政府に頼りきるのではなく、自分で判断してほしいと言うことですね。

自分は格闘技という激しいスポーツをやってきたので、安全と危険を比較して、危険なことがあればそちらに基準を合わせてやる癖がついています。
自分の方が強いからと、ノーガードで戦うと倒される危険がないわけではありません。
そうならば、気をつけて戦う必要があります。

-- 倒されたら取り返しがつきませんしね。

試合ならまた頑張れば良いですが、放射能で病気になったら取り返しがつきません。
子どものためにも、より安全を重視した選択を、これからも自分で考えていきたいです。

2013年4月18日

あなたも虹の戦士になりませんか?

虹の戦士になるのに、特別な資格は要りません。
環境や、周りの人を思って行動する時、人は誰もみな虹の戦士です。
みなさんも今日から、虹の戦士の仲間入りをしませんか?

定期的に継続している食品の放射能汚染調査などは、市民1人1人のご寄付で行っています。
企業や政府から経済的援助を受けないからこそできる活動に、みなさんもご寄付でご参加ください。

ご寄付

埼玉在住 2児のパパ
ボスジム ジャパン代表

「家族の身は自分が守る --
それが本能」

 

国際環境NGOサーフライダー・ファウンデーション・ジャパン 事務局長

「未来は自分たちでつくる。それを気づかせてくれた2年でした。」

 

水産加工・流通業「スズ市水産」 
専務取締役

「自分のためではなく、
家族を守りたい」

 

飲食セーフティーネットワーク 代表
イタリア料理店「エリオ・ロカンダ・イタリアーナ」レセプション

「放射能汚染されていない安心な外食を目指して」

 

八王子市民放射能測定室「ハカルワカル広場」ボランティア

「やっぱり家族を守りたい」
 

 

「首都圏反原発連合」 
スタッフ

「普通の人が声をあげることが大切」
 

 
 

photo: © GREENPEACE/Kazuya Hokari   

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