オーシャンズ6 3.11から立ち上がった虹の戦士たち 第3回 大野登さん | 国際環境NGOグリーンピース

オーシャンズ6 3.11から立ち上がった虹の戦士たち 第3回 大野登さん

記事 - 2013-06-19
3.11を機に立ち上がった虹の戦士たちにお話を伺いました。第3回目は、千葉で放射能検査をした魚を消費者に届けている水産加工・流通業「スズ市水産」専務取締役 大野登さんです。虹の戦士になるのに、特別な資格は要りません。環境や、周りの人を思って行動する時、人は誰もみな虹の戦士です。みなさんも今日から、虹の戦士の仲間入りをしませんか?

オーシャンズ6 3.11から立ち上がった虹の戦士たち 第3回 大野登さん

虹の戦士とは

「いまに、地球は病み、海は黒ずみ、川の水は毒となり、動物たち植物たちも姿を消しはじめるとき、まさにそのとき、人々を救うために世界中から虹の戦士が現れる」

北米先住民族に伝わる伝説です。
グリーンピースの船"虹の戦士号(Rainbow Warrior)"は、この伝説にちなんで名付けられました。

このシリーズでは、グリーンピースの海洋生態系を担当している花岡和佳男が聞き手となり、お話を伺った方を6名、「3.11から立ち上がった虹の戦士たち」として順にご紹介していきます。

自分のためではなく、家族を守りたい

-- 福島第一原発事故をきっかけに、変わったことは?

一番変わったことは、放射能に対しての恐怖心ができたことですね。
自分の生活が水産業という事で、前と同じようにできるのか、そして家族を支えられるのかが心配でした。
今でもまだ、不安は解消されませんね。
この問題が子どもや孫の世代まで続いていくことを考えると、安心とか安定はなくなってしまいました。

-- 原発事故直後に取り組んだことは?

自分の会社はISO(9001)を取得していますので、安心・安全をモットーにしています。
ですので、放射能検査は絶対必要だと思いました。
今は1Bq/Kgを検出限界値にきちんと自主検査をやっているので、安心には自信があります。
でも、国の基準値が500ベクレルから100ベクレルになったりして、色々考えましたが、自分たちは低い基準値で計ることに間違いはないと思っています。

-- 放射能の自主検査をして反応はありましたか?

自主検査をするからといって、あからさまな仲間はずれを受けるようなことはありませんでしたが、低い検出限界値での検査に業界内からの理解を得るのも難しいのが現状です。
でも、検査を続けていくと、どの魚が汚染されているかどうかが、自分でわかるようになりましたね。

-- お客さんの反応は?

検査結果を公表しているので、放射能汚染を気にされるお客様には安心して買っていただけています。
ただ中には、見えない放射能に対する恐怖心が先走りしている方もいらっしゃるように感じますね。
また、問題自体が終わっているわけではないのに、意識が薄れてしまっている方たちもたくさんいるように感じます。

-- 放射能の自主検査を続けている理由は?

千倉は自分が生まれ育った町なんで、千倉の魚が安心でおいしくありたいんですよ。
ですので、放射能検査はこれからも続けていきます。
放射能は体内に取り入れてしまえば、子どもなど次の世代に影響しますので、人を傷つけないことは当たり前のことなので、国が100ベクレルという基準値を下げない限り、自主検査は続けます。

-- 自身の活動について

放射能の自主検査をして、公表せずに自分だけ持っていては、検査をしている意味がないので、セミナーなどで広めていますし、伝えていかないといけないって思っています。
いま私たちが生きている時代に起こった事故なので、データが残れば次の世代のためになるかもと思って、フェイスブックやメールでも検査結果をお知らせしています。
30年後に自分がやっていることが正しいか間違っているかが分かるかもしれません。
やりすぎたなぁって笑い話になればいいけど、やらずにいたらきっと後悔すると思います。
自分が最前線から退いても、調査は続けていきます。

-- 調査結果の反応は?

実際はまだ放射能を怖がっている人が多いと思います。
ただ、怖いものを「大丈夫ですか?」と聞く勇気がなくなってきているんだと思います。
放射能は目で見ることができないし、臭いもないし、触っても分からない。
そういうところが一番怖いんですよ。
怖いと思ったら、お店の人にどこ産か、放射能検査はしているのかを必ず聞くことです。
消費者が声を出すことによって、お店は変わるんですから。

スーパーでも、レストランでも、お店の人に聞くことです。
そうすることによって消費者の安心のために、お店の人は動きますよ。

グリーンピースさんでも、すでに取り組まれていると思いますが。消費者が声を出して、お店の人を動かしてほしいと思います。
レストランだったら、小麦粉はどこですか? 塩は? と聞かれることで安心なものを仕入れるようになりますから。
費者が一番魚を買うスーパーやデパートで、きっちりと要望を伝えていくことがもっとも手っ取り早いんですよ。

-- グリーンピースと出会ったきっかけは?

花岡さんがセミナーで「現在の表示義務では、産地として"魚が獲れたところ"ではなく、水揚げ港を記載できる」と問題提起していました。
自分と同じ考えだったんですよ。
水産のことを勉強してないと産地偽装のことは分からないんです。
悪いものは悪いと言えるスタイルに感銘をうけて、「一緒にやりたい」と思い、すぐに声をかけたのを覚えています。
良い悪いの2つしかないんですよ。

-- 過剰漁業の問題については?

千倉では昔、サバ漁が盛んだったんですよ。
それが乱獲によって減ってしまったんです。
他に過剰漁業で私が心配しているのは、ワラサですね。
今は獲れるだけ獲ってしまっているんですよ。
巻網は本当に乱獲の象徴で、獲る量を考えないと、近海に魚がいなくなると思います。
魚がいなくなれば生態系が崩れるし、海の環境も崩れてしまいます。

逆にサンマなどは、全国さんま漁業協会がきちんと規制しているので減っていませんね。

今年の5月は、冬が旬のワラサ、サバしか水揚げされていないんです。
5月が旬のはずの初ガツオがまったく獲れていないんですよ。
生態系が狂ってきている証拠かなと思います。

-- 漁業は今後どうすればいいのでしょうか?

漁獲高制限を設けるのが一番ですね。
何トンとれたら、何日休みましょうとなれば、値段も安定し同じ値段が稼げるし、これからも漁を続けられるので、漁師にとってもメリットがあるんですよ。
このままだと、後継者どころが魚もいなくなってしまいます。

これからも、エサになる魚と潮の流れの動向を追って、それを捕食している魚、動かない海藻貝類、そして海の上層、中層、下層の5種類にわけて調べていきたいですね。
そして、潮の流れや海の仕組みをしっかり知って、いろんな意見がいえるように発信していきたい。
そのためにも自主検査は続けていきます。

2013年6月19日

あなたも虹の戦士になりませんか?

虹の戦士になるのに、特別な資格は要りません。
環境や、周りの人を思って行動する時、人は誰もみな虹の戦士です。
みなさんも今日から、虹の戦士の仲間入りをしませんか?

埼玉在住 2児のパパ
ボスジム ジャパン代表

「家族の身は自分が守る --
それが本能」

 

国際環境NGOサーフライダー・ファウンデーション・ジャパン 事務局長

「未来は自分たちでつくる。それを気づかせてくれた2年でした。」

 

水産加工・流通業「スズ市水産」 
専務取締役

「自分のためではなく、
家族を守りたい」

 

飲食セーフティーネットワーク 代表
イタリア料理店「エリオ・ロカンダ・イタリアーナ」レセプション

「放射能汚染されていない安心な外食を目指して」

 

八王子市民放射能測定室「ハカルワカル広場」ボランティア

「やっぱり家族を守りたい」
 

 

「首都圏反原発連合」 
スタッフ

「普通の人が声をあげることが大切」
 

 
 

photo: © GREENPEACE

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