お魚スーパーマーケットランキング2 | 国際環境NGOグリーンピース

お魚スーパーマーケットランキング2

記事 - 2013-09-27
国内の大手スーパーマーケット5社(イオン、イトーヨーカドー、ユニー、ダイエー、西友)を対象に各社の取り組みについてアンケート調査を行い、その回答を①トレーサビリティーについて、②消費者への情報提供について、③調達を避けるべき魚介類について、④積極的に調達すべき魚介類について、⑤調達方針について、⑥放射能汚染問題について、の6つの項目に分け、評価したものです。

「お魚スーパーマーケットランキング2」について

グリーンピースはこれまで、国内の大手スーパーマーケット5社(イオン、イトーヨーカドー、ユニー、ダイエー、西友)に対して、魚介類の安全性と持続可能性を追求する調達方針の作成を求め、対話を続けてきました。

今回の「お魚スーパーマーケットランキング2」は同5社を対象に各社の取り組みについてアンケート調査を行い、その回答を

①トレーサビリティーについて
②消費者への情報提供について
③調達を避けるべき魚介類について
④積極的に調達すべき魚介類について
⑤調達方針について
⑥放射能汚染問題について

の6つの項目に分け、評価したものです。

上位にランクされたスーパーマーケットほど、魚介類の安全性や持続可能性を重視し、消費者の声に耳を傾けていると言えます。

お店で売られているお魚の一体何が問題なの?

日本では現在、家庭で消費される魚介類の約70%がスーパーマーケットで買われています(※平成23年 水産白書より)。

放射能汚染:
福島第一原発事故から約2年が経った今でもなお、スーパーマーケットで販売されている魚介類からは放射性物質が検出されています。
業界全体として、食品の安全性確保や消費者への十分な情報提供における取り組みは、まだ限定的な現状です。

過剰漁業:
チェーン展開するスーパーマーケットは、年間を通して同じ魚を同じ値段で販売するために、持続可能性を無視して世界中の海から大量の魚を集めています。
例えばウナギ、ミナミマグロ、太平洋のクロマグロやメバチマグロなどは「獲りすぎ」の状態にあるにもかかわらず広く流通されており、この調達スタイルが、世界各地で過剰漁業を加速させています。

各スーパーマーケットのアイコンにマウスを合わせると、評価をご覧いただけます。

イオン

総括:
総合順位:1位
総合ポイント:59ポイント(100ポイント中)
国内最大のスーパーマーケットであるイオンが最上位となり、他の企業に比べ安全性及び持続可能性への意識が高いことが示された。
ただし、業界最大手のイオンですら総ポイントは100ポイント中59ポイントにとどまっており、業界全体が魚介類の安全性や持続可能性の確立へ向けた活動をいかに緊急に強化する必要性があるかが浮き彫りとなった。
放射能汚染問題に関しては、イオンは対象企業中で唯一、グリーンピースとの対話を通じて消費者の声に応え「放射能ゼロ目標宣言」をしており、高く評価できる。
  • トレーサビリティーについて: 
    項目別順位/ポイント:1位/53ポイント(100ポイント中)
    魚介類商品の仕入れ段階で数々の確認はしており、トレーサビリティーの確立に取り組んでいるものの、商品の原料となる魚介類を獲る漁船まで仕入れ段階で特定することは困難。
    また対象スーパー全社に共通することだが、かまぼこや缶詰などの一部加工品に関しては、トレーサビリティーの確立自体が困難なものがある。
  • 消費者への情報公開について:
    項目別順位/ポイント:1位/40ポイント(100ポイント中)
    店頭やホームページなどで、多くの商品情報を消費者に提供している。
    ただし漁法、漁具、流通経路などについては、消費者が選択購入できるだけの十分な情報が公開されていない。
  • 調達を避けるべき魚介類について: 
    項目別順位/ポイント:1位/65ポイント(100ポイント中)
    仕入れ段階で数々の確認は行ってはいるものの、「獲りすぎ」の状態にある魚介類を全国規模で販売している。
  • 積極的に調達すべき魚介類について: 
    項目別順位/ポイント:1位/57ポイント(100ポイント中)
    違法に獲られたり、違法な流通が認められたものや、国の基準に基づき資源状態に問題があると認められたものを仕入れない方針がある一方で、予防原則に基づいた調達の実施ついては情報不足もあり対策を打てておらず、課題となっている。
  • 調達方針について:
    項目別順位/ポイント:1位/40ポイント(100ポイント中)
    他企業に先駆けて持続可能性について取り組んでいる。
    持続可能性が担保された魚介類を優先的に仕入れると公言しており、一部の商品の取り扱いを通じて社員への研修や監査体制がある。
    今後はトレース可能な商品の割合を増やし、持続可能性が確保されていない種の取扱いを見合わせる方針の策定が求められる。
  • 放射能汚染問題について
    項目別順位/ポイント:1位/100ポイント(100ポイント中)
    イオンはグリーンピースとの対話を通じ消費者の声に応え、2011年末に食品の「放射能ゼロ目標宣言」をし、それ以来、検査体制の強化に取り組んでいる。この動きは業界を牽引しており、高く評価できる。

各社の評価結果の詳細(PDF)をまとめてダウンロードする >>

西友

総括: 
総合順位:2位
総合ポイント:48ポイント
第1回目のランキングで最下位だった西友が、今回の調査では2位にランクイン。
魚介類の持続可能性及び安全性への取り組みにおいて、世界最大のスーパーマーケットである米国ウォルマート・ストアーズ・インクの傘下にある西友が、国内業界最大手のイオンを追随する形となった。
  • トレーサビリティーについて:
    項目別順位/ポイント:2位/50ポイント(100ポイント中)
    魚介類商品の仕入れ段階で数々な確認をする方針があり、トレーサビリティーの確立に取り組んでいるが、まだその方針に則る商品には限りがあり、今後は全商品に適応させていく必要がある。
  • 消費者への情報公開について:
    項目別順位/ポイント:2位/37ポイント(100ポイント中)
    商品ラベルや店頭表示などで漁獲地などの情報を消費者に提供している。
    漁具、漁法、流通経路などについては、ほとんどがトレース可能なものでも積極的な情報公開をしておらず、消費者が選択購入できるだけの十分な情報が公開されていない。
  • 調達を避けるべき魚介類について: 
    項目別順位/ポイント:2位/65ポイント(100ポイント中)
    ワシントン条約対象品目については取り扱いを禁止するなどの方針はあるが、国際機関や政府などが「過剰漁業」「枯渇」と評価する種や、資源水準が「低位」と評価されている種においては、その評価内容を取扱いの可否を判断する基準としては採用していない。「獲りすぎ」の状態にある魚介類が全国規模で販売されている。
  • 積極的に調達すべき魚介類について:
    項目別順位/ポイント:2位/53ポイント(100ポイント中)
    関係法規や条例などにのっとり事業を行う漁業者から商品を調達するよう取引先に指示をしている。
    また資源状態に関するデータが不足する種の取扱いに関しては、現在は方針がないものの、策定に向け検討を始めている。
  • 調達方針について:
    項目別順位/ポイント:2位/40ポイント(100ポイント中)
    西友の親会社にあたるウォルマート・ストアーズ・インクでは、米国を中心に水産品の取引先に対して、MSC、BAP等の認証の取得を奨励している。こうした方針の内容を踏まえ、西友も実行可能なところから取り組みを進める。
    プライベートブランド商品については外部の食品検査・コンサルタント企業動向の基で年1回定期監査を行っている。
    今後はトレース可能な商品の割合を増やし、持続可能性が確保されていない種の取扱いを見合わせる方針の策定が求められる。
  • 放射能汚染問題について:
    項目別順位/ポイント:3位/32ポイント(100ポイント中)
    第1回目のランキングで対象5社中最下位だった西友が、今回の調査ではこの項目で第3位となった。
    独自の流通基準は現在ないものその策定を検討している。
    必要に応じて外部機関で商品の放射能検査をする体制があるものの、定期的な検査は行っていない。
    自社で積極的に取り組めないのであれば、公的機関に対策の強化を要請するなどして、汚染された食品が消費者の口に入らぬよう徹底する必要がある。

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ダイエー

総括: 
総合順位:同率3位
総合ポイント:23ポイント
第1回目のランキングで3位だったダイエーが、今回の調査でも3位(ユニーと同列)となった。
  • トレーサビリティーについて: 
    項目別順位/ポイント:3 位/44ポイント(100ポイント中)
    対象全社に言えることだが、すり身などの加工品については取引先でも原料について把握な困難なものがある。
    漁獲者や漁船の特定については、一部のプライベートブランドを除いて把握が困難。
    漁法、漁具、流通経路についても、多くの商品で特定が難しい状態にある。
    消費者に安全で持続可能な商品を提供するために、トレース可能な商品のみを扱うよう方針を策定する必要がある。
  • 消費者への情報公開について: 
    項目別順位/ポイント:3位/33ポイント(100ポイント中)
    一部の商品において漁獲海域などの店頭表示を行っているが、漁法、漁具、資源状態、流通経路など多くの商品情報が消費者に提供されておらず、消費者は選択購入ができない状態にある。
  • 調達を避けるべき魚介類について:
    項目別順位/ポイント:4位/10ポイント(100ポイント中)
    魚介類商品を仕入れる際に環境への負荷を考慮していない。
    過剰や違法に獲られた魚介類を取り扱わない方針もなく、その策定も検討していない。
  • 積極的に調達すべき魚介類について: 
    項目別順位/ポイント:4位/10ポイント(100ポイント中)
    商品調達において持続可能性や合法性についての方針がなく、策定を検討していない。
  • 調達方針について:
    項目別順位/ポイント:4位/10ポイント(100ポイント中)
    持続可能性を担保することを目的とした調達方針がなく、社員への教育や第三者機関による監査も行っておらず、実施の検討をしていない。
    トレース可能な商品の割合を増やし、持続可能性が確保されていない種の取扱いを見合わせる方針の策定が求められる。
  • 放射能汚染問題について: 
    項目別順位/ポイント:2位/42ポイント(100ポイント中)
    独自の流通基準は現在ないが、自社での定期的な放射性物質検査を実施しており、また業界団体を通じて日本政府に対応強化を要請している。自社での検査結果は公開されていない。

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ユニー
(アピタ)

総括: 
総合順位:同率3位
総合ポイント:23ポイント
第1回目のランキングで第4位だったユニーが、今回の調査では3位(ダイエーと同列)となった。
  • トレーサビリティーについて:
    項目別順位/ポイント:4位/32ポイント(100ポイント中)
    対象全社に言えることだが、すり身などの加工品については取引先でも原料について把握な困難なものがある。
    漁獲者や漁船、漁法、漁具、流通経路などの特定については、多くの商品においてトレース可能だが、調達前に全てを特定しているわけではない。
    消費者に安全で持続可能な商品を提供するために、トレース可能な商品のみを扱うよう方針を策定する必要がある。
  • 消費者への情報公開について:
    項目別順位/ポイント:4位/27ポイント(100ポイント中)
    一部の商品において漁獲海域などの店頭表示を行っているが、漁法、漁具、資源状態、流通経路など多くの商品情報が消費者に提供されておらず、消費者は選択購入ができない状態にある。
  • 調達を避けるべき魚介類について: 
    項目別順位/ポイント:3位/20ポイント(100ポイント中)
    多くの商品はトレースできるので確認できるが、調達時の判断基準とはしていない。
    魚介類商品を仕入れる際に環境への負荷を考慮しておらず、過剰や違法に獲られた魚介類を取り扱わない方針もない。
    ただしその策定の検討を始めている。
  • 積極的に調達すべき魚介類について:
    項目別順位/ポイント:3位/20ポイント(100ポイント中)
    商品調達において持続可能性や合法性についての方針がなく、情報不足もあり現段階では実施が困難としている。ただしその策定の検討を始めている。
  • 調達方針について:
    項目別順位/ポイント:3位/20ポイント(100ポイント中)
    持続可能性を保証することを目的とした調達方針がなく、社員への教育や第三者機関による監査も行っていないが、その実施の検討を始めている。
    トレースできる商品の割合を増やし、持続可能性が確保されていない種の取扱いを見合わせる方針の策定が求められる。
  • 放射能汚染問題について:
    項目別順位/ポイント:4位/22ポイント(100ポイント中)
    独自の流通基準はないが、5品目毎月1回程度のペースで店頭商品抜取にて検査を行っている。
    自社での検査結果は公開されていない。

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イトーヨーカドー

総括: 
総合順位:5位
総合ポイント:0ポイント
イトーヨーカドーは対象企業の中で唯一、今回のアンケート調査において詳細情報の提示を拒否した。
魚介類の持続可能性や安全性、そして消費者への情報公開に関して後ろ向きだと判断せざるを得ず、今回の調査では0ポイントで、5社中最下位となった。
  • 2012年10月、グリーンピースは今回の調査における背景や目的と共に、各質問への回答の正確性を保証する詳細情報が必要である旨と、調査結果が消費者に広く公開されることを対象企業全社に説明し、アンケート票を送付した。イトーヨーカドーはこれへの回答をグリーンピースに返信したが、回答用紙に詳細情報の記載はほぼなかった。
    同年11月、グリーンピースは他の対象企業への対応同様、同社に詳細情報の提示を求め、詳細回答がない場合は「ゼロ評価」となることを再度伝えたが、同社からの回答はなかった。
    2013年1月、グリーンピースが改めて回答の正確性を確認できる詳細情報の提示を求めると、同社は「これ以上伝えることはない」として、今回の調査への協力を打ち切った。
    イトーヨーカドーは、次の世代の食卓にも美味しい豊富な魚介類を提供するために、グリーンピースや消費者などの声に耳を傾け、持続可能性と安全性の確保に積極的に取り組む必要が求められる。

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調査方法、採点方法、スーパー各社からの回答

調査方法
対象企業にアンケート形式の調査票を送付し、その回答を基に評価した。
「トレーサビリティーについて」
「消費者への情報提供について」
「調達を避けるべき魚介類について」
「積極的に調達すべき魚介類について」
「調達方針について」
「放射能汚染問題について」
の6項目を、各100ポイント満点で評価した。
また全回答を対象とする総合評価も100ポイント満点で行い、0~49ポイントを「×」、50~79ポイントを「△」、80~100ポイントを「○」で表示した。

各スーパーマーケットのアイコンにマウスを合わせると、評価をご覧いただけます。

スーパー各社からの回答をご覧になるには(PDFダウンロード)>>

 

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