第17回目放射線調査

記事 - 2012-12-14
2012年11月18〜20、22、25日に千葉県・東京都の7つの港から採取した魚介類で行った海洋調査結果です。

第17回目調査
千葉県の船橋港、保田港、勝山港、千倉港、鴨川港、銚子港、東京都の三宅島 で行った海洋調査

調査結果


↑クリックすると拡大します。

東京都と千葉県のおよそ7つの海域で漁獲された合計22サンプルの魚介類を採取し、第三者機関で核種分析を行いました。

今回の調査では、房総半島沖の食物連鎖に関わる魚や、東京湾内の魚、メゴチやウスバハギなど海底に生息する魚など調査しました。
例えば、この時期に房総半島東側で獲れるサンマは東北地方太平洋沖でプランクトンを食べ南下し、イナダ(ブリ)やスズキに捕食されます。また、メジマグロ(マグロの幼魚)はサンマ、アジを捕食します。

分析の結果、すべてのサンプルから、放射性セシウムは検出されませんでした。
検出限界値はサンプルごとに異なりますが、最も大きい値で、1キログラムあたり5.0ベクレル(セシウム134+セシウム137)です。

※測定値の単位はベクレル/キログラム
※ゲルマニウム半導体検出器による測定

調査の背景

千葉県で漁獲/水揚げされる魚の大部分からは放射性物質が検出されていません。
しかし、東京電力福島第一原発から大量の放射性物質が流出した東日本太平洋沖や、河口近くの海底土の汚染が話題となった東京湾などで穫られた魚について、小さな子どもを持つ家庭を中心に不安は根強く残り、「千葉県産の魚は普通に売られているけど大丈夫なの?」という声もグリーンピースに寄せられています。

そこで、魚と海と私たちをつないでくれる漁業・水産業をサステイナブル(持続可能)にするための『ママうみ』プロジェクトの一環として、千葉県の水産関係者の方たちと協力して、2012年7月より県内の多様な環境に位置する漁港で水揚げされる魚介類を調査しています。

ご協力いただいた方との座談会を開きました。
ぜひご覧ください。
「ママうみ座談会~千葉の漁港を訪ねて 漁業関係者からの声~」 >>

調査日程

2012年11月18~20、22、25日

調査場所・範囲

千葉県:船橋港、保田港、勝山港、千倉港、鴨川港、銚子港
東京都:三宅島

グリーンピースはみなさんと一緒に、下記の提案と活動を続け、スーパーとの個別交渉や、ママうみ実行委員がスーパーや回転寿司店に問い合わせをしたり、要請書を提出したりして来ました。

しかしまだ、政府も小売業界、外食産業も消費者が安心できる体制を提供するに至っていませんので、引き続き活動を続けて行きます。

みなさんもぜひ、ママうみ実行委員への登録や寄付で活動に参加して下さい!
具体的な活動方法はこちら>>

グリーンピースの提案

現在、政府や自治体によるスクリーニング検査は「主要漁港で週に一度」程度でしか行われておらず、千葉県の小さな漁港だと、2カ月に一度しか県がサンプリングをしないところもあります。これでは、汚染された魚の流通を防ぐことは困難です。

また、検査結果や漁獲海域が消費者に分かりやすく公表されていないことから、消費者は魚を食べることに対して漠然とした不安を抱えています。

さらに、牛肉では実現しているトレーサビリティー体制(いつ、だれが、どこで生産し、どのような経路で流通したかを追跡することができる仕組み)が魚介類で確立されていないことが、消費者の不安を払しょくできないことに拍車をかけています。

消費者の不安を解消することが、漁業復興の実現に必要不可欠です。そこで、グリーンピースは下記3つの取り組みを提案します。

  1. 汚染された魚介類の流通を防ぐ
    魚介類が水揚げされる漁港は流通のスタートです。
    すべての漁港でより多くの検査が実施されることが必要です。
  2. 魚介類のトレーサビリティー体制をつくる
    スーパーや回転寿司などに並ぶ魚介類が、いつ、どこで、誰によって獲られたか、そしていつ、誰が、どのように流通したかを追跡できる流通システムをつくる必要があります。
  3. 安心して買い物ができるような情報を提供し、風評被害も防ぐ
    「1キログラムあたり○○ベクレル」という具体的な数値に加え、実際にその魚が獲られた海がどこなのかが表示されることで、消費者は自身の基準と照らし合わせて魚を選ぶことができます。

もちろん、二度と同じ被害を生まないよう、一刻も早く原発依存から脱却し、自然エネルギーへとシフトする政策が必要とされています。

グリーンピースの取り組み


  • © Jeremy Sutton-Hibbert/Greenpeace
    地元の漁業者と協力し、魚介類に含まれる放射性物質の調査を計画的に継続します。
  • 消費者と一緒に、大手スーパーで販売される魚介類の抜き打ち検査を継続します。
  • すべての調査結果を、消費者に分かりやすく発表します。
  • 消費者と一緒に、安心して買い物ができる情報が提供されるよう、大手スーパーに交渉します。
  • 日本政府に対して、検査の強化やトレーサビリティーの体制づくりを急ぐよう交渉します。

私たち消費者ができること1

寄付で調査を支えましょう!
グリーンピースが行う調査やその他の活動は、全て市民のみなさまの寄付で行っています。
一人一人のご寄付が、安心な食へとつながります。
ぜひ、ご寄付でご参加ください。

寄付はこちらから

私たち消費者ができること2

2012年9月、魚と海と私たちをつないでくれる漁業・水産業をサステイナブル(持続可能)にするための新しいプロジェクト『ママうみ』がスタートしてから、消費者である『ママうみ実行委員会』の皆さんが積極的にスーパーマーケットなどへ問い合わせをしています。
企業からの放射能検査や産地表示に関する回答 >>

しかし10月に入ってからは、問い合わせへの回答がなかったり、回答があっても情報の公表を断られるなど、スーパーマーケットは消費者と向き合うことに消極的です。
安心して魚を買うことができるよう、スーパーには企業の姿勢や取り組みを正直に教えてほしい、という声が『ママうみ実行員会』のメンバーからも寄せられています。

もし、あなたの問い合わせに回答がなければ、ぜひもう一押しを。企業に「なぜ回答をくれないのか」「なぜ回答を公表してはならないのか」を問い合わせて、グリーンピースまでお知らせください。
ママうみ実行委員会について詳しくは、こちらをご覧ください>>

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