「ホッキョクグマがいる!」――ひとりのスタッフが知らせに来てくれて、操縦室に駆け上がります。週末、スピッツベルゲン島の北側の海から、ウッドフィヨルド(Woodfjorden)を南下したときのことです。ホッキョクグマは晴れ渡った青空のもと、白い雪が残る岩山をゆっくりと下りてきます。このあたりは海氷が残っていないので、山を下りてきたホッキョクグマは海岸沿いを歩いていきました。

 

雪の大地とエスペランサ号の間に広がる海の中を、悠然と泳ぐ大きなクジラ、海岸の絶壁に巣づくりをして飛びかう鳥たち。厳しい自然の中を生き抜く生きものたちは、とても強そうに見えます。しかし、彼らの生活は私たちの行為次第でもろくも崩れ去ってしまいます。大型の産業漁船で混獲される海鳥は年間30万羽、クジラ、イルカは30万頭が網にかかって命を落としていると推定されます。混獲について詳細)

 

2008年にグリーンピースの招きで来日したブリティッシュ・コロンビア大学漁業センター所長のダニエル・ポーリー氏によると、小規模漁業とは違ってトロール漁などの大規模漁業では混獲で海洋投棄される魚や無脊椎生物の量が非常に多く、年間1000万~2000万トン捨てられているといいます。それだけ膨大な生き物を無駄に殺して得る漁獲物。その多くは日本に輸入され、知らないうちに私たちの食卓にのぼっています。私たちは、目の前の魚がどんな漁法によって獲られてきたものかも知る権利があると思います。

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