今回の北極調査で海中カメラを操作しているギャビン・ニューマン(Gavin Newman)は、おもに海の中の環境を20年にわたってグリーンピースとともに目撃し、記録している写真家・ビデオグラファーです。フランスの核再処理工場から海中に噴き出す放射能を含んだ排水や、乱獲によって昔は群れをなしていたマグロが消えてしまった地中海などを撮影してきました。日本でも2002年、建設中の六ヶ所村プルトニウム再処理施設周辺でグリーンピースが行ったサンプリング調査や、核燃料(MOX)輸送船を追跡する活動に参加したことがあります。

ギャビンはグリーンピースで働く前、英国BBC放送の自然部門で『プラネット・アース』シリーズなどのドキュメンタリー製作に携わり、いくつもの国際フィルムフェスティバルで受賞。海を愛してやまないことが高じて、品質の高い映像を撮影するため、当時工業用のカメラしかなかった水中カメラに自分で改良を重ねてきたそうです。

なるほど、彼が北極海で撮った、色鮮やかなオレンジ色の大きな二匹のカニがプクプクと小さな泡を吐き出しながら、その目や手足を微妙に動かしている映像はとても美しく、まるで映画を見ているようでした。

グリーンピースが2007年に刊行した海の写真集『Planet Ocean』には、彼が海中で1時間かけてタコにお願いし、名刺大の「いまこそ海洋保護区を(Marine Reserve Now)」と書かれたバナーを持ってもらったというユーモラスな写真が掲載されています。






「大のオモチャ好きだからね」と笑いながらも、海の中を見られない人に見せたい、だれも撮ったことのない海を撮りたいという熱意につき動かされ、ギャビンの北極海での撮影チャレンジが続きます。