今日はめずらしく青空が広がり、ロングヤーベンの山々に積もった雪を見渡すかぎり一面に輝かせています。木がまったく育たない気候風土のせいで、山にはせいぜい高さ10cm程度の植物が生息するだけ。そのため雪をかぶった山々の風景は、とてもなめらかな表情をしています。今日でこの町ともしばらくのお別れ。トロール船によって受けた海底の影響を調査するカメラ搭載ロボット(ROV)をエスペランサ号に搭載し、スバールバル諸島スピッツベルゲン島の北側へ向けて、いよいよ出航です。


ぜひ、北極海のライブ映像をご覧ください。このカメラはエスペランサ号のマストに設置されていて、衛星をつかったブロードバンドシステムによってお届けしています。




衛星観測によると、今年の5月は1980年以来、最速の速さで海氷が解けていることが判明したそうです[*]。海氷が後退するにつれてトロール漁船はより北方へと進入し、最近の報告ではスバールバル諸島の北でタラやエビ、オヒョウなどの海産物を捕っていることがわかっています。海底をかく乱しながら操業するトロール船が、北極海のサンゴやカイメンにどんな損傷を与えてその生態系を破壊しているのか、調査を行います。この海域での海底調査はNGOとして世界で初めてのことです。



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http://nsidc.org/arcticseaicenews/



ロングヤーベンの山々










海底調査に使用するカメラ搭載ロボット(ROV)の積み込み