2月27日、アースガーデン<冬>の特設ステージで、ミュージシャン兼ヨガ・インストラクターのComugiさんを司会に、アムネスティ・インターナショナル日本の事務局長、寺中誠さんと対談した。寺中さんとは昨年6月、カフェスローでサンプラザ中野くんやヒューマンライツ・ウォッチ東京ディレクターの土井香苗さんをまじえたトーク以来、ライブでは二度目だし、『刑罰に脅かされる表現の自由――NGO・ジャーナリストの知る権利をどこまで守れるか?』(現代人文社)の鼎談など、クジラ肉裁判や日本国内の人権状況については何度も意見交換してきたので、ほとんどお笑いコンビの域に近づいている(!?)かもしれない。事前の南兵衛さんの仕切り、そしてComugiさんの進行もすばらしかった。

私は、税金を投じた国営事業の調査捕鯨で行われていた大きな不正を暴くことはNGOとしての責任であり、佐藤と鈴木の訴追を通じてまのあたりにした日本の警察・検察・司法の実態は「人権の秘境」だから、グリーンピースが極地やアマゾンといった人目につかない場所で行われる環境破壊の現場へ出かけ、そこから世界に情報発信するように、クジラ肉裁判に国際的な注目を集めるのは当然だと説明した。

寺中さんは、国連人権理事会の「恣意的拘禁に関するワーキンググループ」が佐藤と鈴木の訴追について、日本政府に対し世界人権宣言や国際人権(自由権)規約に違反するとの勧告意見を出したことの重大性を指摘した。同じ勧告は、自衛隊官舎にイラク派兵反対のチラシを投函したら有罪にされた立川ビラ事件にも当てはまるだろう、とも述べられた。

今回の対談の副題は「不思議の国ニッポンをどう変えたい?」だったのだが、私たちがアタリマエだと思わされてきて、じつは国際基準ではアリエナイことは……

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逮捕されたら犯人扱い(本当は裁判で有罪が決まるまで無罪と推定される)。

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警察の中で最長23日も身柄を拘束され、弁護士もつかずに恐喝のような取り調べを受ける(海外では警察施設ですごすのは長くても数日、そのあとの取り調べは可視化された条件で)。

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検察が独走・暴走してしまう(三権分立の原則が守られていれば、行政府に属する警察・検察に対し、司法府の裁判所は独立の立場から厳しくチェックを入れなければいけない)。

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検察が手持ち証拠を弁護側に見せない(公平・公正な裁判を行うには、検察側・弁護側がすべての証拠に対等にアクセスできるのは世界の常識)。

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メディアが政府監視をしない(日本では国策や大広告主に歯向かわず、今回のグリーンピースの件のように政府の手先となってNGOを叩くが、本来はメディアが市民社会の目・耳・口となって政府・公権力の見張り屋の役割を果たすべき)。

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市民が政府やメディアの言うことを鵜呑みにする(政府・公権力は隠したいことがいっぱいあるし、それと癒着したメディアもあてにならないから、本当は一人ひとりの市民がNGOなどの情報を手がかりに自分自身で判断し、オルタナティブなメディアを創り出していかなくては)。

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「NGOの分際で、警察・検察も令状がなければできない証拠確保をしたのは許せない」と、検察官が真顔で口走る(民主社会の国民主権原則と逆転したアリエナイ発言で、意味不明。税金で雇われた公僕であり、それだけ大きな権力を付託された警察・検察は市民の生活や権利を不当に侵害しないように、裁判所の令状でブレーキをかけるのであって、市民側は政府・公権力の不正をチェックする権利と責任がある。ちなみに、これを言った検察官は、近年最悪の冤罪事件の一つである志布志事件の担当だった)。

などなど、私たちはなんとも窮屈なアベコベ社会に生きているわけだが、こんな不思議の数々に萎縮せず、グリーンピースのようにちょっぴりやんちゃに、のびのびと明るい未来を切りひらいていこうというのが結論。3月8日~11日の第2回公判(@青森)もご注目を!

 

寺中さん、二人で出前興行はじめましょうか?