(6月9日配信のメールマガジンGREENPEACER最新号巻頭言に加筆)http://www.greenpeace.or.jp/info/mail/mailmagazine_html
 

調査捕鯨船団での組織的なクジラ肉横領を東京地検に告発してから2年あまり、6月8日に青森地方裁判所でグリーンピース・ジャパンの佐藤潤一と鈴木徹の公判が結審を迎えました。

 

裁判官が「表現の自由」と並んで「横領の有無」を論点に含めたにもかかわらず、検察官は論告求刑のなかで横領についてひと言も触れませんでした。佐藤と鈴木が確保して告発の証拠とした段ボール箱のクジラ肉について、6回の公判を通じ、送り主をはじめとする船員たちも、共同船舶の担当者も結局、不正な横流しを否定する説明ができなかったからです。

 

それどころか、最後に追加で証拠採用されたクジラ肉のDNA鑑定データにより、「5本の塩漬けウネスを2つに切り分けて10本とした」という箱の送り主の証言がウソだったことが確証されてしまいました。なぜなら、DNA鑑定結果は、ウネス肉の7本が1頭、3本が別の1頭のクジラのものであることを示していたからです。船員の証言が本当なら、結果が奇数になることは絶対にありません。検察側は、2008年8月に出ていたこの鑑定結果を2年近く隠し続けてきたのです。

 

弁護団は結審後の記者会見で、「検察は公共の利益の代表者であるべきで、被告を有罪にするのが仕事であってはならない」と、その姿勢を厳しく批判しました。

 

検察官の求刑は懲役1年6カ月、判決は9月6日に言い渡されます。裁判官には、すべての証拠を公平・公正に判断し、日本の“人権鎖国”状態を開く歴史的な無罪判決を下していただけるよう期待します。

 

ここまで私たちとともに真実を見つめ、真の民主社会にふさわしい「表現の自由」と「知る権利」を求めてくださったみなさま、本当にありがとうございました。無罪判決に向けて、いっそうのご注目とご支援をお願いいたします。

 

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