忌野清志郎さんの訃報に接し、あらためてグリーンピースもロック魂に貫かれたNGOだと思う。

RCサクセションの結成が1970年、グリーンピースの発足が71年。日本では全共闘運動の終息とともに「政治の季節」が幕を閉じたとされるが、世界ではむしろ既存権力への異議申し立てが環境や平和や人権の分野に広がっていった。非暴力に徹しながらも、問題提起には思いきりロックでパンクでエッジな方法を探り続けたグリーンピースは、その牽引役だったし、いまもそのスピリットは変わらない。

ロック・ミュージックのrockは「揺さぶる」という意味だ。魂を揺さぶるだけでなく、体制を揺るがす“毒”がロックの身上だと、清志郎さんも強調していた。

ロック魂から見れば、政府=官僚の主張を鵜呑みにして権力の肩をもつことなど、恥ずかしすぎて人前で口にできない。いまの日本では、それがネット言論からマスメディアまで恥ずかしげもなく横行している。よく言われる9と6、つまり憲法9条と六ヶ所(プルトニウム再処理と原発推進)のタブーも、鯨肉横領のような不正がまかり通る“調査捕鯨”の黙認も、根は同じ。

ロック魂が愛(ラブ)と平和(ピース)にこだわり、グリーンピースが環境(グリーン)と平和(ピース)をつなげるのは、公権力をしっかり見張っていないと、愛も平和も環境も危うくなるからだ。

きのうは憲法記念日。清志郎さんのご冥福を祈りつつ、憲法は国民/市民から政府への命令文書であることを、あらためて肝に銘じよう。

そして今年は、1989年創立のグリーンピース・ジャパンも20歳の成人式。政府監視がNGOの役割であることを真正面に掲げて裁判を闘う。


Let’s rock on!