グリーンピースが暴露して一ヶ月

昨日になって、フランスの原子力関連企業アレバが、日本の原発のプルサーマルで使うためのプルトニウム入りの核燃料(MOX燃料)を日本に運ぶための準備を進めていることを明らかにした。

このMOX燃料輸送については、2月26日にグリーンピース・フランスがその情報をキャッチし暴露していたものだ。それから約一ヶ月が経過してようやくその事実を認めたということになる。

 

 詳しくは、こちらのグリーンピース・ブログを参照。「原発は止まっているのに、フランスからプルトニウムMOX燃料輸送準備中(3月7日)」

これに対して、先ほど関西電力もプレスリリースでフランスからのMOX燃料が高浜原発の3号機用であることを明らかにした。しかし、輸送日やその経路などについては直前まで明らかにしないという。

 

いまだに続く秘密体質

MOX燃料の輸送はテロなどの危険性を伴うため、アレバ社や関西電力は情報を公表しにくいと言うかもしれない。しかし、それであれば、そもそも準備段階でグリーンピースに情報を暴露されるようであってよいのか。

輸送陸路・海路の周辺住民や周辺国への安全確保情報が最優先されるべきだろう。

(そもそも、ここまで危険なものをはるばる陸路、海路を通じて日本まで運ぶこと、さらには、そんな危険なものを使って発電していること自体が問題だが。)

いずれにしても、原発・核燃料関連の情報は秘密が多い。事故前も、事故後もこの姿勢は一貫しているようだ。

福島第一原発事故で「情報公開」の重要性を嫌というほど思い知らされたのではなかったのか。MOX輸送についてもアレバ社の発表が先にあるべきではなく、関西電力、原子力規制委員会こそが情報を発信すべきではないか。また原子力規制委員会に至っては、再稼働が決まってもいない原発へのMOX燃料輸送が許可される理由も示すべきだろう。

原発の再稼働に前のめりすぎて、情報公開を軽視しているように思える。

18日から19日にかけて東電福島第一原発をおそった停電でも、その情報開示のスピードが問われた。原因は「ネズミ」だったらしいと東電が今朝発表したが、この間、原子力規制委員会からも官邸からも住民に向けた情報発信はない。危機意識にかけているとしか思えない。

「MOX燃料輸送」や「ネズミ停電」を見ていると「再稼働」がわざわいを呼ぶ「災稼働」になるまえに、原発から撤退するのが一番安全・安心な方法だということをあらためて感じる。