みなさんこんにちは。


ネオニコチノイド系農薬の規制が世界ではどんどん進んでいます。そんな中、アメリカからもグッドニュースが舞い込んできました。

アメリカのオバマ大統領は、6月20日に「ミツバチ、その他花粉媒介生物の健康を促進する連邦レベルの戦略の策定」注1)という覚書を発表しました。

その背景には、ミツバチなど花粉を媒介する生物がアメリカ経済に大きく貢献している(約2.4兆円)ことへの認識と、こうした生物への被害が近年きわめて深刻化しているという強い危機感があります。

 

(1) オバマ大統領の覚書の概要

 

・特別委員会

覚書ではまず、花粉媒介生物に関する特別委員会(Pollinator Health Task Force)を立ち上げるよう指示しています。

この特別委員会はアメリカの農務長官と環境保護庁長官が共同議長を務め、その他国務省や国家安全保障会議、科学技術局など15注2の機関から、閣僚または指名された担当者が参加する、とされています。

 

・特別委員会の役割

特別委員会の使命は、覚書の発出日(6/20)から180日以内に、「花粉媒介者の健康のための国家戦略」(以下戦略)を立案すること。明確な目標と節目ごと達成目安、進捗を評価する基準を含めなければならない、としています。

 ・花粉媒介生物調査行動計画

戦略の中には、花粉を媒介する生物の減少をより詳しく理解することで、防ぎ、そして数(群れ)の回復のために必要な調査も含まれています。

・市民への情報共有計画

花粉を媒介する生物の数や多様性を回復するために、市民への教育プログラムを発展させることを求め、個人や企業、学校、図書館や博物館などを通じて市民の関心を高めることを推奨しています。

・連邦を挙げて努力を進めるため、公的機関も市民も企業も協働すること

・特別委員会のメンバーに入っている省庁は、定期的に委員会に報告を行うこと

などを求めています。

 

さらに、花粉を媒介する生物の生息地を増やし、環境改善するために掲げられた手段の一つとして、ネオニコチノイドを明記して、次のように影響調査を求めています。

(l)環境保護庁は、ネオニコチノイドなどの農薬がハチなど花粉媒介生物に与える影響を調査し、それらを守るための行動をとること(・・・以下略)

 

2) 授粉の価値と農林水産省の対応

ところで、ミツバチなどの生物による授粉の経済的な価値の高い国はアメリカだけではありません。実は日本も授粉のもたらす経済的な価値の高い国の一つなのです。

今が旬のさくらんぼも、よく実るためには花粉の媒介が欠かせません。リンゴもそうです。そして、イチゴ栽培は、ミツバチがいなければ成り立たないとさえ言われています。

でも日本の農林水産省はまだ、ミツバチの被害に対する調査を始めたばかり。それでも6月20日に発表された中間報告ではすでに、ネオニコチノイド系農薬を含む農薬被害の可能性が指摘されています。

農林水産省の調査は来年いっぱい続く予定とされていますが、調査が終わるまで何もしないようでは、手遅れになる恐れがあります。調査の手法にも科学者や養蜂家から疑問の声が上がり始めています。これらの問題ついて、次回のブログでご紹介します。

 

注1)Presidential Memorandum -- Creating a Federal Strategy to Promote the Health of Honey Bees and Other Pollinators

注2) 国務省、国防省、内務省、住宅都市開発省、運輸省、エネルギー省、教育省、環境問題諮問委員会、国民政策審議会(保健福祉省)、一般調達局、全米科学財団、国家安全保障会議、行政予算管理局、科学技術局

 

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