「太陽って本当に、ありがたい。自然の恵みで生きています」

そうおっしゃるのは、日本ソーラークッキング協会の会長、鳥居ヤス子さん。

もっと自然エネルギーの可能性を知りたい!と思ったわたし柏木と、エネルギーチームのメンバーは、20年以上ソーラークッカーの普及活動を続けている鳥居さんに弟子入り(?)し、ソーラークッキングの魅力を体験してまいりました!



写真:ソーラークッカーで焼き芋をつくる鳥居さん。サングラスはソーラークッキングの必需品。とてもお似合いでかっこいい!

 

そもそもソーラークッカーってなに?

ソーラークッカーには、箱形のもの、上を向けた傘のような形をした、パラボラ型のものなど、いくつかの種類がありますが、ソーラー(太陽光)クッカー(調理器)という名の通り、太陽の熱と光を集め、その熱で調理ができるものです。

鳥居さんの一日は、窓を開けて、太陽を見上げることから始まります。

「今日はきっとおいしく焼き芋ができますよ」

そんな一言を残して姿を消したかと思うと、次の瞬間には、さっとソーラークッカーをセットしています。

アメリカでは一般家庭でも、庭でソーラークッカーを使ってローストチキンをつくる…なんて光景もよく見られるのだそうですが、日本ではあまり知られていないため、鳥居さんは某「◯◯珍百景」という珍しいものを特集するテレビ番組で、”珍百景”に認定された経験もおありだとか…。

鳥居さん「お天気さえよければ、一年中、太陽でおいしいお料理ができます。冬だってお天気がよければ、料理をつくっても、まだ日がある。太陽のチカラでやかんに湯を沸かして、湯たんぽに使える。翌朝には、そのお湯で顔を洗う。一日中、太陽の恵みを受けられます」

太陽の動きにあわせて、20分に1度くらいソーラークッカーの向きを変える必要があるのですが、太陽の動きを意識しながらの小さな手間ひまで、太陽の恵みを受けていることを実感できる気がします。それに、慣れれば手間ではないそう。むしろ火とは違って、放っておいても黒こげになってしまうこともなくて、安心なのだそうです。

 

非常事態でも、森の資源を守るためにも活躍!

鳥居さん「非常のときにもソーラークッカーがあれば煮炊きができるし、一家に一台くらい備えがあると、役に立つと思うんです。

インドでは、薪を集めるための森林が減ってしまっていることもあって、日照時間が長い土地柄を生かして、ソーラークッカーを広めようと政府も補助金をだしているんですね。オーロビルという環境都市があり、海外からも視察にくるくらいなんです」

楽しいだけでなく、環境に優しくて実用性もあるんですね。もちろん、これだけで生活するのは難しいですが、ソーラークッカー、思っていたよりずっと可能性が大きそうです!

写真:子どもたちと一緒に、ソーラークッカーでポップコーンをつくるワークショップ!「普通につくったよりおいしい!」と驚きの声が。

 

楽しくて、おもしろくて、結果的に環境のためになっている

鳥居さんが20年以上にわたって、日本で、世界中で、ソーラークッキングを広める活動しているモチベーションはなんなのでしょう?

鳥居さん「子どもたちを楽しませながら、太陽に関心を持ってもらう。それが、地球環境を守るという結果になりますから、ほんとうに楽しいですよ。ガマンして、頑張って、環境を守る活動をしているというより、楽しくて、おもしろくて、結果的に環境のためになっているという感じです。

ほんとうに太陽ってありがたい。太陽でお料理すると、栄養の損失も少ないし、遠赤外線で熱も通りやすいんです。おいしくて、お金もかからないし、栄養分も損なわれずに残る。本当に、ありがたい。自然の恵みで生きています」

本当に、その通り。

 

鳥居さんの一日は、翌日の天気予報をチェックして終わります。

「明日も、ソーラークッキング日和だわ」

その笑顔は、太陽のようにとってもキラキラしています。

鳥居さんの願いは、ご自身が”珍百景”ではなくなり、もっと多くの方がソーラークッキングを楽しむこと。太陽の恵みをもっと日々に生かして、自然と仲良く、楽しい毎日を送りたいですね。

さて、太陽ギラギラのこの夏、わたしたちエネルギーチームのソーラー修行は続きます!