環境と人権を無視した無責任な企業に与えられるパブリックアイ・アワードの投票が、今年も始まりました。


■パブリックアイ・アワード(The Public Eye Award)とは?

スイスのダボスで毎年1月に行われる世界経済フォーラムの年次会合にあわせて、スイスの「Berne Declaration」というNGOが2000年から開始した賞で、グリーンピースも2009年から選考委員として参加しています。

この賞の目的は、企業の社会的責任を果たしていない「世界最悪企業」を世界経済フォーラム中に表彰することで、企業に対して社会的責任を果たすように求めるものです。
 
投票は、世界経済フォーラムの開始直前までオンラインで行われ、2014年のダボス会議期間中に受賞者が発表されます。


■2013年の世界最悪企業賞にノミネートされた企業は?

  • 農薬化学会社「シンジェンタ」「バイエル」「BASF」
  • ロシアの国営天然ガス大手「ガスプロム」
  • 英金融大手「HSBC」
  • 米アパレル大手「ギャップ(GAP)」
  • ノルウェーのサーモン養殖会社「マリンハーベスト」
  • スイスの商品取引・鉱業大手「グレンコア・エクストラータ」
  • 南アフリカの電力公社「ESKOM」
  • 国際サッカー連盟「FIFA」


これらの企業は、事業活動において人権の侵害、環境破壊に実質的に加担したため、企業の社会的責任を果たすことができなかったとしてノミネートされました。


■いますぐ投票を! 10秒でできます。
パブリックアイ・アワードは、あなたの一票で決定されます。

<投票方法>
投票方法は簡単。ページは英語ですが、2ステップ、10秒でできます。
① このページにアクセスする。
http://publiceye.ch/en/

② ページの下にある企業一覧から、自分が「最悪だ」と思う企業の「VOTE FOR THIS CASE」のロゴをクリック


■グリーンピースの活動を通して名前の挙がっている企業を少しだけご紹介します

農薬化学会社シンジェンタ、バイエル、BASF

シンジェンタ、バイエル、BASFは 、環境、農業、世界の食糧生産に欠かせないミツバチの大量死の原因にもなっている毒性の高い農薬を生産、販売する巨大な多国籍企業です。農薬に関連するビジネスは数億ユーロ利益が発生し、一握りの多国籍企業が独占しています。

毒性の高い農薬であるネオニコチノイド系農薬は、2013年12月から、ヨーロッパでは使用が一時禁止されています。しかしこれらの企業は、農薬事業がハチや生態系への悪影響を及ぼす事を否定し、誤解を促すような広告や、積極的なロビー活動を行い、政府機関等に圧力をかけています。

シンジェンタ・クロップ・プロテクション社、バイエル・クロップサイエンス社、BASF SE(「シンジェンタ、バイエル、BASF」)は、殺虫剤、農薬、種子やその他の様々な製品を販売する巨大な多国籍企業です。スイス、バーゼルに本社を置くシンジェンタの年次報告では、2012年のは売上高140億米ドル以上、純利益は19億米ドルだった。同じ年に、ドイツ、レバークーゼンに本社を置くバイエルは、400億ユーロの売上高と24億ユーロの純利益を示した。ドイツ、ルートヴィヒスハーフェンに本社を置くBASFでも2012年の売上高787億ユーロと90億ユーロの純利益と発表した。


ガスプロムGazprom

北極海は氷で覆われていたために人間の開発から逃れてきていましたが、気候変動で氷がとけて海底に石油や鉱物があることがわかると、各国が競って開発にのりだしました。
ガスプロムは、人類史上初めて北極圏に石油掘削基地を設置した企業です。石油掘削事業という非常に危険な事業で、万が一原油漏れ事故などが起これば、厳しい気象条件の中で汚染は取り返しのつかないことになってしまいます。ロシアの石油開発では、陸上でもパイプラインのメンテナンス不備などによる 原油流出が頻繁に起こっています。


グリーンピース・ロシアの調査によれば、1万件以上、合計500万トンもの 原油漏れが毎年起きているといいます。この量は、2010年に大問題となったメキシコ湾での原油流出事故の7倍に 当たります。この計画による原油流出の危険性のある総面積は、海洋14万平方㎞以上、海岸線3000㎞にわたり、野生生物保護区、海鳥やセイウチのための重要な生息地を危険にさらす可能性があります。

ロシアの国営天然ガス「ガスプロム」は、現在、世界最大のガス会社です、報告によると2012年、ガスプロムは830億ドルの純利益を得ています。

 

← 投票はこちらから(クリックするとページへ移動します)