こんにちは。海洋生態系を担当しています、花岡和佳男です。

129日、国内スーパーマーケット大手5社(イオン、イトーヨーカドー、ユニー、ダイエー、西友)の魚介類商品の調達や、情報公開等に対する取り組みを調査・評価して「お魚スーパーマーケットランキング3」を発表しました。持続可能性や安全性の観点から継続的に調査・評価をしてきたこのランキングは今回で3回目となりますが、第1第2で共に3位だったダイエーが、今回一気に最下位に転落しました。

 

ダイエー最下位の理由は?

今回の調査項目は魚介類商品における「調達方針」「取扱商品」「トレーサビリティ」「情報公開」「放射能汚染問題」の5つ。その中でダイエーは、「取扱商品」と「トレーサビリティ」で5位となり、総合評価で対象スーパーマーケット中最下位となりました。

「取扱商品」と「トレーサビリティ」で最下位ということは、実際にダイエーの店頭で販売されている魚介類商品は他スーパーで売られているお魚よりも持続可能性が考慮されないまま採用・調達された可能性が強く、商品の持続可能性に関する情報を得ようにも他スーパーに比べて生産履歴を遡ることができない可能性が強い、ということです。

特にダイエーは、缶詰やかまぼこに代表される「加工品」において、商品情報の把握・管理に大きな問題があるようです。グリーンピースが行ったアンケート調査において、ダイエーは鮮魚売場商品においては他社と同レベルの回答をしていましたが、鮮魚以外売場商品については回答をしませんでした。加工品は複雑なプロセスで製造され、更に商品表示義務が甘いからこそ、過剰や違法に獲られた魚や、放射能汚染された魚が、原料として使われていてもそれが明るみに出にくい特徴があります。

スーパーマーケットは大量の魚介類加工製品を消費者に販売するからこそ、原料情報を十分に把握したうえで採用・調達することは不可欠です。鮮魚以外売場商品について回答をしなかったダイエーは、消費者に安心して食べられるものを提供するという小売としての責任を放棄してしまっているのでしょうか。

 

交渉にあたって

グリーンピースはこの調査に先駆け10月に、皆様からお預かりした「未来に魚を残すため、放射能汚染、乱獲、違法漁業の魚を売らないで」とする約8000通のオンライン署名を、ダイエを含む大手5社及び業界団体に届けました。持続可能性や安全性への対策を強化して1位・2位を獲得したイトーヨーカドーイオンに比べ、最下位となったダイエーは、残念ながらこの「消費者の声」を実際の魚介類の調達にほぼ全く反映していない状態です。

ダイエーは、2011年にグリーンピースが作成・発表した「お魚スーパーマーケットランキング1」のとき以来一貫して、グリーンピースとのコミュニケーションにおいても対象5社の中で最も消極的な姿勢でいます。他社とは担当者と複数回面会し問題を共通理解し解決策を話し合う中、ダイエーが私たちの呼びかけに答えて面会を受け入れたのはこれまで1だけ。今回も、ランキング3の結果を受けての情報共有のために面会を希望しましたが、イオン西友が早速面会し、ユニーイトーヨーカドーが年末から来月での面会を約束する中、ダイエーからは残念ながら「今後の取り組みについては鮮魚部門以外においても検討する必要があることから、改めて別の機会にお願いしたく~~」という歯切れの悪いお返事でした。

 

10,000通まであとわずか!スーパーを変える消費者の声

スーパーマーケット業界は、店舗に寄せられる一通の「お客様の声」の後ろに10100の需要があると考えるそうです。

実際にお金を落とす消費者の力で、スーパーは変わります。食卓に並ぶお魚の約70%はスーパーを経由しています。これからも多くの「消費者の声」でスーパーの前向きな取り組みを応援し、子どもたちの海と食卓に豊富で美味しいお魚を残していきましょう。

スーパーを変えるオンライン署名、まだやっています。一人でも多くの「消費者の声」をお寄せください!