こんにちは、エネルギー担当の関根です。

今日は、東京電力の原発事故から3回目、実質国有化されてから初めての東電株主総会でした。

今回、グリーンピースは株主として(注1)、東京電力は、事故を起こした原発の製造物責任をきちんと問うべきであるという趣旨の株主提案(議案)を提出し(注2)、総会に参加しました。

 

20130626-_MG_9923_web.jpg総会の開始に先立ち、グリーンピースは、会場の国立代々木競技場第一体育館の前で、「原発ギャンブル もう、たくさん」、「Nuclear gamblers must pay(原発ギャンブラーは支払いを)」などと日・英・ヒンディー語で書かれたバナーやプラカードを入場する株主に掲げ、ルーレット台を設置し「原発カジノ」を模してリスクをアピールしました。

これは、原発はひとたび事故が起これば計り知れない環境破壊と社会的影響を与える“ギャンブル”であることを表現したものです(ギャンブル、といっても、リスクは国が負ってくれるというイカサマつきですが)。

 

(脱原発株主の提案)

グリーンピースの提案(第12号議案)は、原子炉の設計や建設、保守点検などでの問題が、福島第一原発事故の原因につながっていなかったかを東京電力がしっかり調査し、もしなんらかの因果関係がみつかった場合には、どのように賠償を要求できるか法律的な調査をするというものです。

グリーンピースからは、私が総会に出席して、この提案の趣旨を直接会場の株主に対して説明しました。会場からも拍手があり、メーカーも汚染者として責任を負うべき、というのは広い層の株主さんに支持されたのではないかと思います。

他にも、福島県浪江町から来てくださった株主さんは、「放射能の恐怖の無い社会実現に企業努力と尽力を惜しまない姿勢を示すことこそが深い傷を負った、避難の民への償いなのです」と、福島第二原発の廃止を求めて訴えました。

柏崎刈羽原発の地元新潟から駆け付けた株主さんも、「柏崎刈羽原発が動かないと決まったら、地元自治体も関連業者も、廃炉産業や新エネルギー産業の創設など新しい一歩を踏み出すことができます。今は蛇の生殺し状態で、地元はどんどん疲弊しています」と廃炉を訴えました。

また、取締役の報酬減額や、株主総会の公開(実質国有化されているのですから国民も株主)を求める提案についても会場から大きな拍手がありました。

 

 (原発事故の反省がみられない議事運営)

議事運営は、被災者の方を含む株主の声を誠実に受け止めようという意思が、全く感じられないものでした。事業報告に続けて全部の議案を上程したあとで、すべてについてまとめて質疑を行う、という方法でしたので、質問も意見も混在し、議論はあちこちに飛んでしまいます。このやりかたに動議も出されましたが、否決されてしまいました。

毎年参加している脱原発の株主さんからは、福島原発事故以前よりも悪くなった、という批判の指摘がありました。

グリーンピースは、今回が初めての参加でしたが、東電が国有化されたことで、国の方を向いてさえいれば、他の株主の意見などどうでもよいというような、形だけの総会という印象は強く受けました。

そして、まだ質問したい株主さんたちが大勢挙手しているにもかかわらず、議案の採決が始まりました。会場からは鋭い非難が上がりました。

 

(採決と国の議決権--国の議決権行使はどう決20130626-_MG_9844_web.jpgめたの?)

 会場での採決は賛否を挙手で表明するものですが、脱原発株主の提案はグリーンピースのものも含めてすべて否決されてしまいました。

 採否は、前日までに書面などで株主が東電に送った議決権行使書の賛否と、当日の挙手で決まります。この採決に最も影響力をもつのは、東電の株式を54.74%もつ原子力損害賠償支援機構(国)です。 脱原発の提案を国は支持しませんでした。

国が過半数の株式をもち、3兆円を超える税金を投入して賠償にあたっている東京電力。

国が議決権の行使(賛否の意思表示)をするのか、それを誰がどのように決めるのか、実は明確ではありません。

経済産業省によると、この賛否を決めるのは、原子力損害賠償支援機構だそうです。

グリーンピースは、株を持っている原子力損害賠償支援機構に問い合わせをし、機構のなかのどの機関(委員会や理事会など)が決定するのか、決定の責任を負うのか、尋ねましたが、答えてもらえませんでした。

しかし、国(原子力損害賠償支援機構)がどのように議決権を行使(=どの議案に賛否を投じる)のか、少なくとも、その決定過程は国民に公開されているべきではないのでしょうか?

さらに、議案には、東電の原発の廃炉や、株主総会の公開についての意見も出されているのですから、それに対する賛否は、原発のある地元の方をはじめ国民の意見を聞いて決めるべきではないでしょうか。20130626-_MG_2316_web.jpg

この決定プロセスを明らかにしてほしいとグリーンピースは考え、株主総会終了後、原子力損害賠償支援機構に、株主議案の決定プロセス(議事など)に関する情報開示請求を送付しました。

この結果がでましたら、またご報告します。

 

注1:グリーンピース・ジャパンは脱原発と自然エネルギーの飛躍的導入を求め、株主総会への参加・議決権行使などのために、東京電力、関西電力、および日立製作所の株式を最小単位で購入しています。(ご参考: プレスリリース 東電、関電の株式購入について

注2: グリーンピース・プレスリリース「東電株主、脱原発を求める株主提案を提出: グリーンピース・ジャパンも提案に参加」(2013年4月26日)

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