こんにちは、気候変動・エネルギー担当の高田です。

福島のお母さんたちと、俳優の山本太郎さんといっしょに、脱原発と自然エネルギーの今をたずねるドイツの旅、最終回は、廃炉が決まった原発編です。

私たちが今回の旅の最後に訪れたのは、北ドイツの港町ハンブルク(人口174万人)の30キロ圏内にあるクリューメル(Kuemmel)原発。

福島原発事故の直後、ドイツ政府が停止した8基のひとつで、その後7月に正式に廃炉になることが決定した原発です。

世界最大規模の沸騰水型原子炉をもつこの原発は、火災による大規模停電をはじめ、いくつものトラブルが続き、過去4年間で稼働したのはわずか数週間。

今後、クリューメル原発では、10年~20年かけて廃炉に向けた作業が続きます。

原発のすぐ隣のバーで、地元の男性数人に福島のお母さん・西片さんが、原発の廃炉が決まったことについて話を聞いたところ、

「廃炉の決定の後、地元の地価が上がった。廃炉の仕事は今後何年も続くから雇用はある。福島の事故をみて原発の危険性がわかった。この原発が止まってよかった」
との言葉が。

廃炉が決まっても、原発の雇用はなくなりません。

むしろ、原発のまわりには、揚水発電の施設や送電網などが整備されているため、別の発電関連の事業に切り替えやすい利点も。

自然エネルギー導入による新しい雇用を生み出しながら、廃炉完了に向かって徐々に地元の経済構造を変えていく準備ができます。

今回の旅をとおして、私たちは福島の方の避難の権利を進めることを訴え、原発ではなく自然エネルギーに切り替える実例をドイツで体験してきました。

福島から希望を――。
2011年3月11日が、災害と原発事故だけではなく、日本のエネルギー政策が大きく変わった日として歴史に記録されるよう、ドイツの事例に学びながら、市民のチカラで自然エネルギー革命を起こしていきたいです。

日本でも、エネルギー転換は可能です。
詳しくは、こちら: レポート『自然エネルギー革命――2012年、すべての原発停止で日本がよみがえる』