今すぐ過酷事故を想定したシミュレーションをしてください

 

こんにちは、エネルギー担当の関根です。

 

グリーンピース・ユースの若者たちが2月11日、伊方原発近くから空にはなった200個の風船。

 「再稼動の前に、もしも大事故が起こったらどうなるかを、まず地域に住む人々が十分知ることが大切」そんな思いを込めて放たれた風船のうち、これまでに二つが発見されました。拾ってお知らせ下さった方々、どうもありがとうございました。


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風船の発見された場所は、一つは、伊方原発から南東に85kmはなれた高知県四万十川市竹島付近の四万十川河口。もう一つは、翌12日には、伊方原発から東北東に約67㎞はなれた、愛媛県松山市府中付近の田んぼでした。

 

離れたところに落ちた風船。

放射性物質と風船とが同じ軌跡をたどるというわけではありませんが、確実なのは、事故の規模や風によってはどこにでも拡散し得るということと、今のところ、大事故が起こった時の予測を誰もしていないということです。

 

明日は伊方原発の避難訓練。そんなことでよいのでしょうか?

 

伊方原発は、再稼動がもっとも懸念されている原発の一つです。避難訓練は、万が一の事故に備えて行うもの。ならば、現実に起きた最も深刻な事故を想定した放射能拡散シミュレーションをもとにやってみなければなりませんね。

文部科学省は、原発から30km圏内の府県へのSPEEDI計算結果の情報提供を2月3日から開始していて、要望があれば過酷事故のシミュレーションをやるといっています。

 

愛媛県は、明日の避難訓練のために過酷事故を想定したシミュレーションを文部科学省に求めるべきです。それによって、明日の避難計画の現実性を検証することができるでしょう。そして、被害の規模や期間を予測することもできるでしょう。

そうして、原子力発電がそんな被害リスクに値するのかどうかを、すべての利害関係者が考え、開かれた議論をはじめる。明日の避難訓練がそのきっかけになることを願っています。

 

★  グリーンピースは、すべての原発に関して、過酷事故を想定したSPEEDIの拡散予測を公表するよう求めるオンライン署名を行っています。