【海外スタッフ】 アキコ・フリッドより

新年早々、グリーンピース・ポーランドの遺伝子組み換え問題担当者のジョアンナから、「ポーランド政府、遺伝子組み換え作物の商業栽培禁止を決定」という朗報が届きました。
2013年1月28日以降、ポーランドでは遺伝子組み換えジャガイモとトウモロコシの栽培は禁止されます。

なぜ、ジャガイモとトウモロコシかと言うと、欧州連合(EU)が商業栽培を認可している遺伝子組み換え作物は、この2種類だけだからです。

ドイツの化学会社BASFが特許を持つ遺伝子組み換えジャガイモは、2010年春にEU委員会によって商業栽培の認可が下りましたが、抗生物質耐性の遺伝子が組み換えられていることなどから、オーストリア、ハンガリー、イタリア、ルクセンブルグ、ギリシャの政府が「予防原則」にのっとり、直ちにその栽培禁止を決定しました。

 

もう一つは、アメリカの農薬化学会社モンサント社が特許を持つ遺伝子組み換えトウモロコシです。
このトウモロコシはすでに、ドイツ、フランス、オーストリア、ハンガリー、イタリア、ルクセンブルグ、ギリシャ、ブルガリアの政府がその栽培を禁止しています。

モンサント社のあるアメリカは、世界最大の遺伝子組み換え作物栽培国です。しかし、実際に栽培している人たちも最近では苦しい現実について話し始めています。グリーンピースは事実を世界に知らせるため、現地に行って生産者および近隣で暮らす方々に話を聞いてドキュメンタリー映像としてまとめました。

 

「グローイング・ダウト ~つのる不安~」。字幕をOnにして日本語を選択してご覧ください。

 

日本の現状は?

ヨーロッパの状況と比べると、日本の現状はかなり厳しいと言えます。消費者の反対が強いことから、日本で遺伝子組み換え作物の栽培をしている生産者はいませんが、環境省のカルタヘナ議定書関連サイトで検索すると、トウモロコシだけでも50種を超える遺伝子組み換え種の栽培が認可されていると出ます。

遺伝子組み換え食品を避けたい消費者としては、食品表示を頼りにしたいところですが、すでに多くのみなさんがご承知のように、現行の日本の表示は節穴だらけでまったく使いものになりません。

EUでは、原料のトレーサビリティに関する書類があることを前提に0,9%までは義務表示対象から外されていますが、日本の表示では5%まで対象外で、しかも5%までなら「遺伝子組み換えではありません」と表示してもいいことになっているのです。

EUでは植物油にも表示義務があるのに、日本にはそれがありません。

EUで売られている日本の加工食品には、例えば、お醤油のビンに日本語の表示では「遺伝子組み換えではありません」という文字があっても、ヨーロッパの表示で「GMO soybeans(遺伝子組み換えダイズ)使用」という印刷してあるものも見つかります。
これは表示制度の違いから起こるものです。日本政府の実施している表示では、遺伝子組み換え食品を避けることは不可能です。

 

アメリカの現状は?

これまで報道などを通してアメリカでは遺伝子組み換え食品が消費者に受け入れられているようなイメージが売られていましたが、それが真実ではないこともどんどん浮上しています。

2012年11月の大統領選挙の際には、カリフォルニアで遺伝子組み換え表示の義務化に関する住民投票が行われました。
表示がされては困るという飲料会社や食品会社、農薬会社は40億ドルを超えるお金を使い、表示に反対するキャンペーンを行って、結果は賛成44.8%、反対55.2%で、今回は否決となってしまいましたが、これによってアメリカの遺伝子組み換え表示を求める運動は加速し、様々な州で表示を求める市民運動が始まりました。

 

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