こんにちは、気候変動・エネルギー担当の高田です。

16日、安倍首相はポーランドを訪れ、チェコ、ハンガリー、スロバキアの各首相と首脳会談をし、日本の原発の「トップセールス」を展開しました。


これに対して、会談が開かれた首都ワルシャワ中心部の旧王宮には地元の市民が集まり、原発開発への反対を訴えました。

次々と到着する首相たちに、グリーンピースの現地スタッフも「安倍首相、原発セールスではなく、自然エネルギー推進を」などと書かれた6か国語のメッセージを掲げ抗議。
(banner photo: (c) Greenpeace  Ewa Drysanska / media interview photo: (c) Greenpeace  Agata Zielinska)


また、グリーンピースの東欧4カ国の事務局長らは、以下の声明を発表しました。(一部抜粋、全文はこちら

「日本のように優秀なエンジニアが大勢いる国でも原発は非常に深刻な事故を引き起こした。事故から2年半を経てはっきりしたことは、日本の原発の安全性ではなく、世界3位の経済国であっても原発なしでやっていけるということだ。

かつての日本と同じように、我々の国ではいまも『原発安全神話』が信じられている。福島第一原発事故は地震と津波により起こったもので技術や規制に問題はなく、人的被害はないと国民に伝えられている。

日本の首相が東欧4カ国の首脳に呼びかけるべきは、原発開発ではなく、クリーンで持続可能な自然エネルギー技術とその効率的な利用実現に向けた5カ国間の協力ではないか。

いま世界の市民が日本に求めているのは、原発の輸出ではなく、事故の一刻も早い収束と被害者の保護である」
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日本政府も、原発を求める国の政府も、『経済政策』の名のもとに、原発をあたかも普通の製品のように語っています。

でも、ひとたび事故が起これば、数えきれないほどの人から安心した暮らしや故郷を奪い、地域の文化や環境を根こそぎ壊し、広範囲を長い間立ち入ることもできないような場所に変えてしまう――そうした危険がゼロと言えないのが原発です。

そんな「製品」が他にあるでしょうか。
日本には、トップセールスに値する製品が他にたくさんあるはずです。

日本政府と日本の原発メーカー(日立、東芝、三菱重工)が輸出を狙う国の市民は、こうした現状をどのようにとらえているのでしょうか。

今週木曜20日~日曜23日に、安倍首相が原発セールスを行ったインド、トルコから核問題専門家を招き、緊急来日集会をおこないます。
東京、大阪、京都で開催。ぜひ、お越しください。
詳しくは下記をご覧ください。