こんにちは。核/エネルギー担当の鈴木かずえです。

新しい「エネルギー基本計画」策定に向けた
ご意見の募集(パブコメ)が始まってます。 

「エネルギー基本計画」は、国のエネルギーをどうするかについて書かれるもので、3年毎に改定されています。前回の改定は2010年。原発をさらに14基もつくる計画でした。その後東電福島原発事故があり、いったん、白紙に。去年、新しい国の方針を決めるため、パブコメ、世論調査、公聴会など「国民的議論」を行って、原発ゼロが打ち出されました。

ところが、今回意見を募集する「エネルギー基本計画に対する意見(案)」を見ると、原発推進に逆戻りしています。エネルギー庁にわけを聞いたら、「政権が交代し、原発ゼロをゼロベースで見直すという指示のもと、基本計画をつくる」とのこと。

パブコメは、建前としては「政策に反映させる」ためのもので、民主主義の大事なツールです。「どうせ反映されない」と出さないのではなく、「反映されない」現実を変えるためにも、出し続けましょう。

パブコメの出し方 3通り

  • ウェブのフォームから こちらから、下の方にある「意見提出フォーム へ」ボタンをクリックして、フォームにご記入ください。2000文字まで、となっていますが何通でも出せますので、字数を気にせず、提出してください。
  • FAXで 「意見提出様式」にお名前とご意見をご記入の上、03-3501-2305へFAXしてください
  • 郵送で 「意見提出様式」にお名前とご意見をご記入の上 下記へ送ってください。〒100-8931東京都千代田区霞が関1-3-1 資源エネルギー庁長官官房総合政策課パブリックコメント受付担当宛

【締切】 2014年1月6日(月)(日付が変わる夜中の12時より前に出してください)

 

さて、なんて書こう?

「去年、原発ゼロと決めたのを変えないでください」

「再稼働しないでください」

「原発や石油に頼らず、省エネと自然エネルギーを進めてください」

などなど、ふだん、エネルギーについて思っていることを、書けばいいと思います。

わたしは、(案)を読んでみて、こんなところ ↓ がおかしいと思いました。 

 

  • 勝手に「原発ゼロ」を見直し!?

2012年、8万9千件ものパブリックコメントが寄せられ、各地の公聴会で「国民的議論」をやって決めた「原発ゼロ」。それなのに、その声を無視して原発推進の基本計画はおかしいです。

 

  • 原発は重要なベース電源で、再稼働をすすめる!?(下記抜粋参照)

・準国産エネルギーである、とありますが、ウラン燃料は輸入しています。

・低コスト、とありますが、過酷事故時のコストは莫大。長期的にみれば発電コストは、原子力と再生可能エネルギーで逆転します。

・二酸化炭素の排出なし、とありますが、ウラン燃料の採掘から放射性廃棄物の処分と管理などライフサイクル全体で見るべきです。

・安定供給できる、とあるが、地震のあと、100%とまってしまった電源は、原発だけです。安定どころか、今も供給量ゼロ。動いていても、事故や不祥事などで予想外の停止があります。

 

  • 再生可能エネルギー(自然エネルギー)は過小評価!?(下記抜粋参照)

・発電コストが高く、出力不安定とありますが、長期的にみれば原子力と再生可能エネルギーの発電コストは逆転します。また、再生可能エネルギーは天気予報などで予測が可能です。 さらに、再生エネルギーをめぐる新しい産業の発生による経済効果も提示すべきです。

 

  • 核燃料サイクルを着実に推進!?

もんじゅ、核燃料再処理工場など、核燃料サイクルは破たんしています。これ以上ムダに税金をつぎ込むより、撤退を決めるべきです。

 

...お忙しい方のため、「エネルギー基本計画に対する意見(案)」の原子力、再生可能エネルギー部分を下記抜粋します。

―「エネルギー基本計画に対する意見(案)」P16より-

原子力

① 位置づけ:燃料投入量に対するエネルギー出力が圧倒的に大きく、数年にわたって国内保有燃料だけで生産が維持できる準国産エネルギー源として、優れた安定供給性と効率性を有しており、運転コストが低廉で変動も少なく、運転時には温室効果ガスの排出もないことから、安全性の確保を大前提に引き続き活用していく、エネルギー需給構造の安定性を支える重要なベース電源である。

② 政策の方向性:原発依存度については、省エネルギー・再生可能エネルギーの導入や火力発電省の効率化などにより、可能な限り低減させる。その方針の下で、我が国のエネルギー政策を考慮し、安定供給、コスト低減、温暖化対策、安全確保のために必要な技術・人材の維持の観点から、必要とされる規模を十分に見極めて、その規模を確保する。安全性を全てに優先させ、国民の懸念の解消に全力を挙げる前提の下、独立した原子力規制委員会によって世界最高水準の新規制基準の下で安全性が確認された原子力発電所については、再稼働を進める。

―エネルギー基本計画に対する意見(案)P16-P17より-

再生可能エネルギー

① 位置づけ:安定供給面、コスト面で様々な課題が存在するが、温室効果ガスを排出しない、国内で生産できる有望な国産エネルギー源である。

② 政策の方向性:今後3年程度、再生可能エネルギーの導入を最大限加速していく。 一方、各エネルギー源で特徴が異なることから、それぞれの特徴を踏まえ、経済性等とのバランスのとれた開発を進めていることが必要である。


パブコメ出したらシェアしよう

意見(案)には上記のほかにもおかしいところはいろいろありますが、それぞれがご自分の関心分野、得意分野、専門分野についてコメントをしていけばよいと思います。

ぜひ、ブロガーのみなさん、フェイスブックを使っているみなさん、専門家のみなさん、パブコメを出そうとしているすべてのみなさん、パブコメを提出したら、世の中に発信して、シェアしてください。

参考: 「エネルギー基本計画に対する意見(案)」 概要

「課題」

・エネルギー自給率がとても低い

・石油の値段が不安定 ・温室効果ガスである二酸化炭素の排出が増えている

・東電福島原発の被害と原発の安全性への懸念

・電気料金の上昇 ・新興国の原発拡大 「視点」

・安全性 ・安定供給 ・経済性 ・環境 ・国際状況 ・エネルギー需給構造

・再生可能エネルギー、原子力、石油、ガスなどのエネルギー源について位置づけと政策

 「取組み」

・原子力(福島の再生に向け「国としても適切に取り組んでいく」とか「世界最高水準の安全性を普段に追求」とか、具体性のない言葉が続く)

・核燃料サイクル政策(「引き続き着実に推進」と断言。高レベル放射性廃棄物の最終処分については国が全面に立って取り組む必要があるとして、自治体に向け移設受け入れ支援策を実施)

・その他のエネルギー源毎に調達強化策

・電力システム改革(広域系統運用の拡大、市場自由化、送配電部門の中立性の確保などの改革により電気料金を抑制、安定供給体制を確立する、など)

・再生可能エネルギー(導入支援、固定価格買い取り制度の見直し、など)

・流通・消費段階(効率化、省エネルギー、技術革新、水素社会の実現など) ・

国際戦略(協力体制の拡大、国際貢献など)

・国民とのコミュニケーション(リスクに関する正しい理解を得ていくための取組強化、エネルギー教育、双方向性)

(グリーンピースまとめ)

 

【参考情報】

 

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