こんにちは。

欧州食品安全機関(EFSA)(注1) は12月17日、ネオニコチノイド系農薬のアセタミプリドとイミダクロプリドの2種類について、学習や記憶のような機能に関係する神経と脳の構造の発達に有害影響を与えるかもしれないという見解を発表しました。(注2)

 

そして今後、胎児や乳幼児の発達期の神経に与える影響に関してさらなる研究が必要であるとしつつも、現在この2つのネオニコチノイド系農薬についてのガイドラインでは、健康を守るには充分ではない可能性があるとして、人が体に取り込む許容レベルを下げることを提案しています。

 

ヨーロッパ―毒性を踏まえて基準引き下げを提案

提案では、たえとば、一日体重1㎏当たりどれくらいまでだと許容できるかという量(ADI)は、アセタミプリドについてヨーロッパの現行のADIは0.07 mg(一日体重[kg]当たり)ですが これは、今回0.025に引き下げるべきとされました。

 

今、日本は、食品安全委員会が設定しているADIは一日当たり0.071 mg/kg。日本も再検討の必要があります。

 

イミダクロプリドについても欧州の現行のADI一日体重(kg)当たり0.06 mgはこのままでよいが、農作業などでの曝露許容量が0.08mgとなっており、これも0.06に引き下げるべきとしています。イミダクロプリドは2013年の12月からヨーロッパで使用規制がかかっている農薬でもあります。

 

EUの見解は日本の研究がベース!?

実は、今回出された科学的意見は、これらのニコチノイド系農薬がヒトの神経系、特に脳の発達を阻害する可能性に関する日本の木村[黒田]氏による2012年に発表された研究報告(注3)や、その他の既存のデータの検討を踏まえたもの、ということです。日本のADIは2011年6月に設定されたものです。新しい研究が日本ではどのように検討されているのか、市民がしっかり注目していく必要があります。

 

全てのネオニコチノイドも調査が必要

ところで、この欧州食品安全機関の発表では、農薬の認可のプロセスにおいて、発達神経毒性試験の提出義務を課すようEUレベルでの基準の策定を求めており、(上記の2種類だけでなく)すべてのネオニコチノイド系農薬についても発達神経毒性を評価する必要性が指摘されています。

 

欧州の規制、逆行する日本

欧州で進むネオニコチノイドの規制の強化や、毒性の再評価。しかしこうした動きとは全く逆行して、日本ではネオニコチノイド系農薬のクロチアニジンの食品への残留基準が大幅にゆるめられようとしています。ミツバチへの悪影響だけでなく、人への影響についても報告がなされ、これからさらに研究が進められようとしている中、日本で拙速に残留基準緩和をすることは許されません。

 

【子ども・ミツバチ保護法を求める署名】では、ミツバチの大量死や、子どもの健康への悪影響につながる可能性のあるネオニコチノイド系などの農薬の規制を求めています。グリーンピースは、ミツバチの恵みに支えられ、安全な食で子どもを健康に育める環境を目指しています。そのためには、大量の合成化学農薬に頼る今日の農業から、生態系に調和した農業へと転換することこそが、根本的なただ一つの解決の道です。

今、あなたの、ちからが必要です。

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注1:欧州委員会に食品の安全について専門的助言を行う独立評価機関

注2:12月17日付け欧州食品安全機関(EFSA )プレスリリースhttp://www.efsa.europa.eu/en/press/news/131217.htm

注3: Kimura-Kuroda J, Komuta Y, Kuroda Y, Hayashi Kawano H. Nicotine-like effects of the neonicotinoid insecticides acetamiprid and imidacloprid on cerebellar neurons from neonatal rats. http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0032432

 

 

 

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<ネオニコチノイド系農薬について過去の記事はこちらです>

「EUでネオニコチノイド系農薬の規制スタート!」(2013年12月6日)
「日本は農薬大国!?  農薬を使う理由は?」 (2013年11月22日)
「残留農薬が現在の2000倍に?! パブコメ」(2013年11月1日)
「ヨーロッパのハチに朗報!「ハチ大量死」農薬の追加規制が決まる」(2013年7月17日)
「ハチ大量死の原因はネオニコチノイド系農薬―住友化学は否定するけれど…」 (2013年6月19日)