こんにちは、海洋生態系担当の田中です。
2月5日、海洋生態系担当の花岡が、ゲストスピーカーとして世田谷区下北沢で開催されたセミナーで「海で起きている問題」についてお話してきました。 


今回のセミナーには、世田谷区長の保坂展人さんもご参加くださいました。 

お招きいただいた「世田谷こどもいのちのネットワーク」さんとは、今回で3回目のセミナー共催。
海で起きている問題の中でも、魚介類の流通が抱える問題と放射能物質の海への流出問題について海洋生態系担当の花岡が最新情報をお伝えしました。

 

広い海の中で起きている問題を、私たちはなかなか実際に目にすることができません。
そのため、海で起きている問題は「気づいてもらうこと」が難しい状況にあります。

じつは、私たちが普段食べている魚の多くが数を減らしています。
その最も大きな原因は、何も管理のないままに獲れるだけ魚が獲られていること。

その結果、例えば「和食」の代表格であるウナギは日本で消費されているものの99%が絶滅危惧種に指定されていたり、太平洋クロマグロ(本マグロとも呼ばれています。)は漁業が始まる前の状態と比較して4%程度しか海に残っていないとレポートされています。

消費者と漁業者をつなぐ小売業の中でも、家庭の食卓にあがる魚介類の70%が購入されているスーパーマーケットは、次の世代に魚を残していく取り組みを積極的に行うことが求められています。

私たちが直接商品を購入する場所であるスーパーマーケットは、商社や水産企業、行政等と比べ、消費者のニーズにとても敏感です。
実際に、私たち消費者が「スーパーマーケットにはこう変わってほしい」と思いを伝え続けることで、スーパーマーケットは少しずつ変わってきています。

魚を美味しく食べ続け、子どもたちの海と食卓にも確実に魚を残していくために、これからも多くの「消費者の声」が届け続けられることが必要です。 

講演後の質疑応答の時間では、

「スーパーなどの店舗に行ってもどの魚が乱獲されているのか、どの魚なら食べても大丈夫なのかわからない」
「産地として漁獲地ではなく水揚げ港が表示されているというが、どういった基準で魚を選べばいいのか」
「養殖は魚の資源の問題と放射能問題の解決策になりえるのかどうか」
「流出した放射能物質は海流によってどのように拡散されていくのか」など多くの質問があがりました。 

また、「現状は、生産者と消費者との距離が離れすぎているように感じる。みんなで問題を解決していくためには、生産者の状況を考慮していく必要がある」
「大量に獲って大量に販売する今のシステムではなく、魚介類に関しても地産地消的な動きが必要」などセミナーに参加してくださった方と、たくさんの意見を交換し、問題の解決についてみんなで話し合うことができました。 

私たちにとって、海の幸はとても身近な食材です。
でも、魚がどこで、どのように獲られ、どんな経路で食卓まで届いたのか、考えてみる機会はあまりないのではないでしょうか。

次の世代に豊かな海と食卓の魚を残していくために、私たち1人1人が問題に気付き、解決に向けて出来ることを行動することが大切です。 

1.知る

2.選ぶ

3.声を上げる

グリーンピースでは、海洋生態系担当の花岡がゲストスピーカーとしてあなたの街にうかがい、海の問題について広く知っていただく活動をしています。

問題について話し合うきっかけに、セミナーを開催してみませんか。
セミナー開催については、こちらからお気軽にお問い合わせください。