① 次の審査は非公開 !  ―ネオニコ系農薬の食品残留基準の再審議について

ネオニコチノイド系農薬の一つ、クロチアニジンの食品残留基準に関する規制緩和案は、1600を超える反対のパブリックコメントや12,739筆もの緊急署名などの市民の反対の声を背景に待ったがかかり、厚生労働省は再審議を決定し、今まさにその再審議のプロセスに入っています。(詳しくは3月20日付のブログをご覧ください)。



4月15日には、厚生労働省から内閣府の食品安全委員会に、クロチアニジンの毒性の再評価が依頼されました。(注1)

そしてこの食品安全委員会では、農薬専門調査会幹事会が「農薬(クロチアニジン)の食品健康影響評価について」という議題で、5月27日に検討するそうです。しかし、この会議は非公開。(注2)

理由は、“委員の自由な発言のため”、とか、“企業の不利益にならないため”、と説明されています。(注3)

でも、子どもも含めて、みんなが食べる野菜やお米、そして果物などに関わることなのですから、どんな話し合いの末に結論がでるのか、消費者に公開されるべきです。


② 消費者を守る役割を認識していない消費者庁

5月12日、消費者庁の消費者安全課を訪れ、グリーンピースとNGO3団体(ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議、ネオニコチノイド系農薬中止を求めるネットワーク、日本有機農業研究会)で、ネオニコチノイド系農薬クロチアニジンの残留基準の引き上げの即時凍結を求め、要請書と12,739筆の署名を提出してきました。

消費者庁では、残留農薬の決定過程で「過去に事故があったかどうか」という意見を述べるのだそうです。しかし、それだけでは消費者の安全を守るという責任は果たせません。

今後、クロチアニジンの再審議の後に出てきた案について、消費者庁がまた意見を言う機会があるかもしれません。他の農薬についてもそうです。グリーンピースと3団体は、消費者保護のため「予防原則」の観点から、残留基準の緩和を容認しないよう要望してきました。 (注4)


このネオニコチノイド系農薬の規制に関しては、ヨーロッパでは昨年末に一時使用禁止がきまり、韓国でも規制が始まりました。このような世界の流れの中、日本では規制緩和されつつあります。

まだまだこの問題を知らない方は大勢います。そこで、このネオニコチノイド系農薬の問題についてわかりやすく説明したリーフレットを作りました。無料でお送りしますので、この問題を周りの方々に広めてください。

 

注1) 第511回 食品安全委員会
注2) 食品安全委員会 農薬専門調査会幹事会(第105回)の開催について
注3) 食品安全委員会の公開について
注4) 消費者担当大臣への要望書 


<食と農業のリンク集>

レポート「消えるハチ」日本語版。まとめてみました。(2014-04-18)

・農薬が気になる野菜は何ですか? アンケートを実施します!(2014.4.16)

・ピープル・ツリー代表サフィアさんからのメッセージ――食と農と明日のために

・オランダ議会は、すべてのネオニコチノイド系農薬の使用禁止を票決。家庭でも使用禁止に。(2014/4/12)

・ネコのノミとりにも? 身近にあるネオニコ商品(2014/4/7)

・みんなの声が残留基準の緩和をとめています--クロチアニジンの残留基準の緩和が再審議になりました!(2014/4/7)

・ネオニコ系農薬の残留基準が、国会でも問題に。(2014/3/13)

・韓国でもネオニコ系農薬の禁止、始まっています! (2014/03/12)

・ミツバチの大量死に関係するフィプロニル、処理された種子もEUで3月から使用禁止に(2014/3/6)

・立ち上がった生産者たち――ネオニコ系農薬の使用禁止を訴え(2014/03/4)

・署名12,739筆!ネオニコに反対する署名とメッセージを厚労省に提出しました(2014/2/18)

・ミツバチがいなくなったら、いったいどうなるの?(2014/2/6)

・残留農薬を増やさないで! 厚労省との緊急交渉の報告&署名を2月13日まで引き続き集めます!(2014/2/3)