こんにちは。グリーンピースでウェブサイトの作成やデザインを担当する嶌田です。

ウェブサイトやfacebook, twitterなどのソーシャルメディアを使って、多くの方が環境問題に気付いたり、社会が良くなるきっかけを作れたらいいな・・・と願いつつ、どうやってグリーンピースの活動を多くの人に伝えようか、試行錯誤しながらデザインする日々を送っています。

 

そんな中、スキルアップと新たなインスピレーションを求めて、先日オーストラリア・シドニーで行われたデザインやアートの国際的なイベント「Semi-Parmanent2014」に参加してきました。

このイベントは、キャリッジ・ワークスという、今は使われなくなった鉄道車両工場を、クリエイターたちの発表の場としてリノベーションした場所で開催されました。展覧会、インスタレーション、上映会やワークショップなどが融合したもので、今回は12回目の開催になるそうです。

建設された19世紀はじめの雰囲気が残る構内で、世界各地から集まったアーティストのインスタレーションや作品の展示が行われていました。

 



著名なグラフィティアーティストMr.Brainwash(=洗脳!!)の作品。ミッキーマウスの表面はおびただしい数の商品のラベルやロゴで埋め尽くされています。

 



女性だけのクリエイティブ・グループ Curvyの展示。ガーリーながらもどこか毒を持った作品が並びます。

 

メインイベントとして、世界的に有名なクリエイティブ・ディレクターや映像クリエイター、アーティストによる講演が行われ、自分たちの作品を紹介しつつ、それぞれの考える「クリエイティブ」について熱く語りました。



ロンドンを拠点とするデザイナー Kate Morros。キュートなタイポグラフィ(活字の書体や、字の並びなどの構成・表現)に定評があります。彼女は大の日本フリークで、来日した際は必ず東急ハンズをチェックするそう。

 



イラク戦争でキャリアをスタートしたフォトグラファー Ben Lowyは、いかに生身の人間の姿に迫る写真が撮れるのか、現場で起きていることを正しく伝えられるのか等、インターネットの時代に求められるフォトジャーナリズムについて語りました。

 

地元オーストラリア出身の映像クリエイター 「Toby & Pete」が手がけたミュージシャンChet Fakerのプロモーションビデオ"Talk Is Cheap"。この撮影では、実際に氷を溶かしたり、草を加えたり、虫を這わしたりと、日本人顔負けの職人芸で作られたそうです。

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彼らは海洋生物の保護を訴えるグリーンピースのゲーム「Ocean Abocalypse(海の黙示録)」も作ってくれています。

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多くの作品に共通しているのは、最新のデジタル・テクノロジーや画像処理を駆使して非常に細かく作りこんでいると同時に、人間が生み出す感情や、コンピューターが作れない偶然性やアナログさをミックスしているところでした。

例えば、ロンドンを拠点に世界中で活動する「Mill+」が手掛けた動物保護団体「PETA」のビデオクリップ。チンパンジーを俳優としてエンターテイメント産業で働かせないよう呼びかけるこのキャンペーンビデオでは、人間の俳優の体のこまやかな動きを撮影して、CGで作り出したチンパンジーに重ね合わせるという処理を行っています。(英語)

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このように、優れたクリエイティブは人々の価値観に訴えかけ、社会に問題を投げかける力を持っています。
クリエイティブができることは、見た目を美しくするだけではありません。新たな価値観を創ったり、社会の仕組みを変えることも、クリエイティブなマインドがあってこそ可能なのです。

 

例えば、スケートボード界の第一人者として、スケートボード界のみならず、アクションスポーツ全体のオーディエンスを増やしたTony Hawk。
彼は設立した財団の活動を通じて、財政破たんして荒廃したアメリカ・デトロイト市にスケートパークを作りました。
その結果、すさんだコミュニティの子供たちにスケートボードに打ち込むという目標だけでなく、生きる希望を与えています。(英語)

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世界的な広告代理店、Weiden + Kennedyのディレクター John Jayは、彼の友人で今年3月に亡くなったエース・ホテルの創業者、Alex Calderwoodがアメリカ各地でオープンさせたデザインホテルが、いかに周辺地域の文化をよみがえらせたかをシェアしてくれました。(英語)

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・・・クリエイティブを使って、社会を変えるなんて本当にできるのでしょうか?

これは、デザインやアートにたずさわる者なら、必ず考える命題のひとつでもあります。

私自身も、2011年3月11日とその後に続く東電福島第一原発事故によって、自分なりに社会にインパクトを残したいと思ってグリーンピースの活動に加わったという経緯があります。

John Jayはその答えとして、アップルの創業者 Steve Jobsが1995年に残したインタビューを紹介してくれました。

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もしも、彼のクリエイティビティと、それを実現させるクラフトマンシップがなかったとしたら?

このようにブログを書き、インターネットを通じて、みなさんに見てもらうことが出来たのでしょうか。福島で本当は何が起こったのか、知ることができたでしょうか。
クリエイティブが新しいコミュニケーションの方法を与え、社会を変えたのです。


グリーンピースも1971年の発足以来、平和と地球環境の保護をもとめて活動を続け、その結果、数多くの企業や政府機関の行動を変えてきました。今では世界40カ以上の国と地域で活動しています。

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そして、いまこの瞬間も社会をより良く変えるための新たなクリエイティブが生まれているはず。そう考えるとドキドキしますね。