(c) 2012 zero one film / allegro film / Thelma Film & Ormenis Film


”ミツバチがいなくなれば人類もその4年以内に滅びる”

とアインシュタインが言ったとか、言わないとか。

ミツバチの問題といえ、他人事ではありません。わたしたち人間の生存に深くかかわっています。私たちが食べる農作物の3分の1がハチなどの受粉に支えられていますから、ミツバチがいなくなったら果物も野菜もなくなってしまいます。

ではその原因は? ネオニコチノイド系農薬はもちろん、ダニやウィルス、ストレスなどがありますが、イムホーフ監督も下記のインタビューで述べている通り、要因はただ一つとは考えられません。複合的要因によってもたらされています。

EUはハチを保護するために2013年末にネオニコチノイド系農薬3種の規制に踏み切りました。全ての大量死の問題が解決されるまでは、予防的アプローチが適用されました。しかし残念ながら日本では規制がないどころか、この15年間で使用量が3倍に増加しています。

(c) 2012 zero one film / allegro film / Thelma Film & Ormenis Film

今回紹介するドキュメンタリー「みつばちの大地」は、世界中でミツバチが姿を消していることを知ったスイス生まれのマークス・イムホーフ監督が、そ の実態を追って世界中を駆け巡ります。その中でも強烈な印象を残したのが、ハチの実態を収めるため最新の映像技術を使って撮影された圧倒的な映像美。

ミニヘリコプターや無人偵察機を使って撮影された飛行中の女王バチの交尾、小型カメラによるハイスピードのマクロ撮影されたハチの巣の中や女王バチの誕生の瞬間。神秘的な映像が次から次に出てきます。


<イムホーフ監督のオフィシャル・インタビューをお楽しみください>

※「みつばちの大地」オフィシャル・インタビューより抜粋。より詳しい監督インタビューは劇場用パンフレットに収録されています。

 

(c)Ann-Cristine Jansson

 

インタビューアー
撮影が進行する中で本質的な変更などはあったのでしょうか?例えば最初はもっと登場人物が多かったとか?

イムホーフ監督
特にミツバチ産業において、最初はもっと多くの登場人物がいました。アメリカとオーストラリアの使い捨てミツバチの販売業者も撮影しようとしたのです。使い捨てミツバチとはダンボールの筒に入れられて輸送され、受粉が終ると輸送費削減の為に焼却されるミツバチの事です。しかし販売業者は撮影される事に難色を示しました。

インタビューアー
中国での撮影について教えてください。

イムホーフ監督
中国の色々な地域で人間がする受粉作業を見てきました。その中から中国北部、大連の女性にスポットを当てました。というのは彼女自身が実際にミツバチの役割を担うかのように遠くへ飛んで行き、花粉を扱っていたからです。映画では、彼女が行う想像を絶するような受粉作業が描かれています。

インタビューアー
観客は深い感銘をうけて映画館を後にすることでしょう。そして蜂蜜を食べる時には色々と思いをめぐらせ、映画のシーンを思い浮かべることでしょう。多くの人が「自分も何か出来るか」と自問すると思います。

イムホーフ監督
自分の庭やバルコニーで工業型農業と同じ様な過ちをしてしまう事もあるのです。家庭の庭やバルコニーで使われる農薬は問題が無いとはいえません。これはいわば個人の次元で工業型農業と同じ事が起きていると言っても過言ではないのです。私は犬を飼っているのですが、ノミやダニ予防薬に危険な神経性の薬を使っていません。神経性の駆除薬はネオノコチノイドと同じもので、これがミツバチを殺すのです。

インタビューアー
ミツバチの死は、政治が対処するような問題と考えられているのでしょうか?

イムホーフ監督
それぞれの国にミツバチ研究所があり、様々な分析をしています。たとえそういったものがあったとしても、実際は短期的な収益を求めての活動が行われています。しかし、そのような考え方をしない人も増えてきています。

インタビューアー
このような問題に私たちはどのように取り組んでいけばいいのでしょうか?

イムホーフ監督
私はまずは農業から始めないといけないと思っています。トウモロコシは良い例ですよ。トウモロコシを駄目にしてしまう害虫がいますね。そこで人工のニコチンから製造した神経毒を使って駆除するのです。まず種をこの農薬に浸けて置きます。種を蒔く時に圧縮空気を使った機械で蒔くので、農薬が空中に撒き散らされてしまうのです。2008年にドイツのラインタールでたくさんのミツバチが死にました。もうそれは数え切れない程のミツバチが死んだのです。

今や種子を農薬でしっかりとコーティングするのは法律で義務付けられています。そして種を蒔く際は空気圧を少なめにしなければなりません。植物がニコチンを吸収しますね。その結果、植物は害虫に対して身を守れるわけですけれども、植物が水分を排出するとミツバチたちはそこから水滴を巣に持って帰ります。そうするとミツバチの巣箱はニコチンで汚染されてしまうのです。

なるほど農薬メーカーはホームページ上で「ミツバチが植物から水を取るなんて信じられない」と書いています、しかし、水があればミツバチは水を取るのです。そして花粉も汚染されてしまいます。現在はドイツ、イタリアそしてフランスでネオニコチノイドをトウモロコシに対して使用することは禁止されています。しかしおかしなことにセイヨウアブラナに使う事は許されています。

そのおかげで農薬メーカーは年に5億以上の収益を上げています。そしてネオニコチノイドをトウモロコシに再び使えるようにするために活動しています。おそらくそういうわけで、農薬メーカーは私とのあらゆるコンタクトを拒否しているのでしょう。

インタビューアー
ミツバチに最も栄養を与えているのは農薬なのでしょうか?

イムホーフ監督
農芸化学によれば、ミツバチの死因はアジアからやってきたダニが理由だそうです、この虫は40年ほど前からミツバチが抱える大きな問題の一つとして言われてきました。この見解を巡って化学工業と養蜂家の間で宗教戦争にも似た争いが起きています。ミツバチの死は超常現象でもなんでもないのです。

ミツバチは単に化学殺虫剤、ダニ、抗生物質、近親交配、ストレスで死ぬのではないのです。それら全ての総和としてミツバチは死ぬのです。いわばミツバチは文明の成果が理由となって死ぬのです。

>「みつばちの大地」予告編を見る

 

ミツバチの恵みに支えられ、安全な食で子どもを健康に育める環境を取り戻す。そのためには、大量の合成化学農薬に頼る農業から、生態系に調和した農業へと転換することこそが、根本的なただ一つの解決の道です。

グリーンピースでは、ミツバチの大量死や、子どもの健康への悪影響につながる可能性のあるネオニコチノイド系などの農薬の規制を求める【子ども・ミツバチ保護法を求める署名】を行っています。

今、あなたの、ちからが必要です。

▼いますぐ下の画像をクリック。20秒でできます。



▼「みつばちの大地」 MORE THAN HONEY
公式サイトへのリンク↓
http://www.cine.co.jp/mitsubachi_daichi/

2012年/ドイツ=オーストリア=スイス合作
監督:マークス・イムホーフ

太 古の昔から花粉を媒介して多くの生命を支えてきたミツバチの生態を通し、自然界における人間の暮らしのあり方を問いかけたドキュメンタリー。近年、世界中 でミツバチの大量死や失踪が発生しているという事実を踏まえ、祖父の代からミツバチに親しんできたというスイスのマークス・イムホーフ監督が各地で取材を 敢行。最新鋭の技術を駆使したマクロ撮影でミツバチの神秘的な生態に迫り、人間の営みが多くの生命を危機にさらしているばかりでなく、自分たちの存在をも おびやかしているという事実を浮き彫りにする。

<関連ブログ>

カナダでも農業団体がネオニコチノイド系農薬の5年間のモラトリアムを議会に提言(2014-6-2)

レポート「消えるハチ」日本語版。まとめてみました。(2014-04-18)

オランダ議会は、すべてのネオニコチノイド系農薬の使用禁止を票決。家庭でも使用禁止に。(2014/4/12)

韓国でもネオニコ系農薬の禁止、始まっています! (2014/03/12)

ミツバチの大量死に関係するフィプロニル、処理された種子もEUで3月から使用禁止に(2014/3/6)

ミツバチがいなくなったら、いったいどうなるの?(2014/2/6)