こんにちは。核/エネルギー担当の鈴木かずえです。

今、日本全国の原発はすべて止まっています。
このまま止め続けておくために、この夏、あなたにできることがあります。

川内原発の再稼働適合審査書案へのパブリックコメントを出すことです。
締切は8月15日
。国の原子力規制委員会が募集しています。

 募集するのは「科学的・技術的なご意見」とありますが、ひるむことなく、ふつうに意見を出しましょう。「パブコメ出して、意味あるの?」「科学的・技術的意見を、とあるけれど」などQandAは、後ろのほうの「パブコメよくある質問」をご覧ください。


 パブコメの出し方 3通り

  •  政府のウェブのフォームから こちらのサイトに行き、下までスクロールして、したのほうにある茶色の「意見提出フォーム へ」ボタンをクリックして出てくる、フォームにご記入ください。2000文字まで、となっていますが何通でも出せますので、2000文字を超える場合は、何回かに分けて提出してください。
  • FAXで 「意見提出用紙」に記入、または、この用紙の要領でワープロ書きなどしたものを 03-5114-2179 (原子力規制庁)へFAXしてください
  • 郵送で 「意見提出用紙」に記入、または、この用紙の要領でワープロ書きなどしたものを、下記へ送ってください。〒106-8450 東京都港区六本木1-9-9 六本木ファーストビル 原子力規制庁 原子力規制部 安全規制管理官(PWR担当)付 パブリックコメント担当者宛て

【締切】 2014年8月15日(金)(郵送は15日必着、FAX、ウェブフォームは日付が変わる夜中の12時より前に出してください)

「審査書案」はこちらのサイトの「関連情報」からダウンロードできます。


さて、なんて書こう?

審査書案は423ページ。地震や津波の想定や、事故対策についての審査結果が書かれています。ご一読をお勧めしますが、

「火山の専門家の意見を聞くべきじゃないの?」
「大飯原発差し止め判決は参考にしたのかしら」
「避難計画は審査しないなんておかしい」

.....など、テレビのニュースや新聞/インターネット記事などを読んで、ふだん考えていたことなどを書けばいいと思います。
グリーンピースは以下の4つを書こうと思っています。( グリーンピースのパブコメはこちらをご覧ください(8/11追記))

1)パブコメは公開し、検討し、考慮して

パブコメの目的は、国民の権利利益の保護です(総務省運営WEBサイトより)。そのためには、プロセスも含めて公開し、検討し、考慮すべきです。

2)「科学的・技術的なご意見」募集に異議あり

こんなことで、市民が委縮したら困ります。広く一般市民が参加しやすい呼びかけにすべきです。

3)地震、火山の問題は未解決

地元住民が要望した断層調査は行われておらず、火山については専門家の意見を聞いていません。

4)避難計画に責任を

地方自治体に丸投げされた避難計画は、住民の命を守れるものではありませんでした。お年寄り、寝たきりなどの方の避難計画は完成していません。 

パブコメ出そう、川内原発止まるほど

再稼働には反対だ、と思ったら、この夏はパブコメです。
ぜひ、自分の言葉で書いてくださいね。


参考資料

● パブコメのあり方

「九州電力株式会社川内原子力発電所1号炉及び2号炉の発電用原子炉設置変更許可申請書に関する審査書案に対する科学的・技術的意見の募集について、結果を公開し、検討し、考慮することを求める要請書」(グリーンピース・ジャパン)(本ブログ末尾参照)

● 活断層について

立石雅昭教授ブログ

● 火山問題について

「原発安全審査への疑問 火山リスク過小評価」小山真人静岡大学防災総合センター教授 

<パンフレット>川内原発・火山審査のここが問題(原子力規制を監視する市民の会)

● 避難計画について

「川内原発の避難計画の問題点について」 FoE Japan 満田夏花さん

「原発事故!そのときあなたは逃げられる?」 グリーンピース・ジャパン

● その他、参考になるサイト

原子力市民委員会 「見解:川内原発再稼働を無期凍結すべきである」はこちら

原子力規制を監視する会パブリックコメント文例集「パブコメのタネ」あります

美浜の会 

反原発かごしまネット

● パブコメの事例

川内原発のある薩摩川内市のお母さんの書いたパブコメ

福島のお母さんの書いたパブコメ


パブコメよくある質問

○ パブコメ出して何になるの?

今回のパブリックコメントは、原子力規制庁職員によって読まれ、まとめられたうえで、原子力規制委員が読みます。

また、個人情報を除き、公開されます(審査書の科学的・技術的判断に関係ないものについては、伏せることがあるそうですがー原子力規制庁注意書きより)たくさんのパブリックコメントが集まり、中身が公開されることにより、問題点がより明らかになるでしょう。
また、再稼働に対する反対の意見が多く集まれば、再稼働反対の民意を「見える化」でき、地方自治体や国会議員へ影響を与えることもできるでしょう。

これまでも、新聞社によって、パブリックコメントに寄せられた意見が紹介されたり、国会の場で政府への反対討論の根拠になったこともあります。

あなたが出せば、かならず、一通増えます。ぜひ。

○ 「科学的・技術的意見を求める」とあると、何を書いていいかわからなくなるんだけど。

原子力規制庁に問い合わせたら、たとえ「科学的・技術的意見」と判断されない場合でも、「意見としてうけたまわります」ということなので、ぜひ、書いて出しましょう。

○ 「提出していただく御意見は、必ず御意見の提出箇所がわかるように、審査書案のページ番号及び章番号を明記して提出してください」とありますが、「再稼働に反対」と書きたい場合はどうすればいい?

提出用紙の意見提出箇所の欄には審査結果が書いてある418ページと書いてはいかがでしょうか。「全」ページとしてもいいと思います。
たとえ「意見提出箇所」が空欄でも、出さないより、出したほうがいいですね。

そのほか、不明なことがあれば、パブコメを担当している原子力規制庁の安全規制管理官の方に聞いてみましょう。
電話:03-5114-2113(原子力規制庁 担当部署 直通) 


#とめよう再稼働 オンライン署名継続中!

再稼働申請が出された原発立地県知事あてのオンライン署名です。
まだ署名されていない方は、ぜひ、ご参加ください

署名された方は、ぜひ、まわりの方に広めてくださいますようお願いいたします。


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2014年7月17日

原子力規制委員会委員長
田中俊一 様

九州電力株式会社川内原子力発電所1号炉及び2号炉の発電用原子炉設置変更許可申請書に関する審査書案に対する科学的・技術的意見の募集について、
結果を公開し、検討し、考慮することを求める要請書

国際環境NGOグリーンピース・ジャパン
核/エネルギー担当 鈴木かずえ

国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは1989年の設立以来、一貫して「核のない地球」を目指して活動を続けてきました。東京電力福島原発事故直後には、環境中の放射線の調査と、被災者の方への聞き取り調査を通じて、いったん過酷事故が起きれば、環境の回復は不可能なこと、また、避難によって被ばくを避けることも不可能であることを学びました。この事故は我が国の原子力三原則である「公開・民主・自主」が守られていなかったことも露呈しました。

原子力をめぐるパブリックコメントの在り方でも「公開・民主」の原則は揺らいでいます。

今回のパブリックコメントでは「科学的・技術的意見」を公募するとあります。これは、原子力三原則からも、パブリックコメントの本来の目的からも逸脱したものを言わざるを得ません。

「パブリックコメントは、国の行政機関が政令や省令等を定めようとする際に、事前に、広く一般から意見を募り、その意見を考慮することにより、行政運営の公正さの確保と透明性の向上を図り、国民の権利利益の保護に役立てることを目的としています」と総務省の運営するウェブサイト(e-gov)は説明しています。

今回のパブリックコメントのように任意の募集であっても、多くの市民の安全と権利利益に直接関わる原発の再稼働について、「広く一般から意見を募り、考慮し、行政運営の公正さの確保と透明性の向上を図り、国民の権利利益の保護に役立てるべき」です。

また、「行政運営の公正さの確保と透明性」を担保するためには、集めたパブリックコメントの活用方法、公開方法をあらかじめ決めて、明示すべきです。

これらの理由から、以下を要請します。

一、科学的・技術的意見に限らず、広く市民の意見を募ること
一、パブリックコメントに寄せられた意見の数と内容を公開すること
一、パブリックコメントの結果を検討し、考慮し、最終審査書に反映させること        

以上