みなさん、はじめまして。
このたび、エネルギー担当としてグリーンピース・ジャパンに加わりました、関口 守です。
どうぞよろしくお願いします。

 (写真:関西電力高浜発電所を背にして)

さっそく先日の3連休に再稼働の可能性に揺れる関西電力・高浜原発が立地する福井県の高浜町と周辺市町村を訪れました。

 

山・川・海 ゆたかな自然に恵まれる若狭地方

高浜町のある若狭地方は山、川、海、どこをとっても自然の豊かさに満ちています。エメラルドグリーンの海、波の力によって様々な形に彫り出された岸壁や洞窟が交互に現れる変化に富んだ海岸線、そして山海のもたらす食の恵。

私自身初めての若狭地方。あいにくの天気ではありましたが、その美しい海と山を心踊る思いで見つめました。

(写真:高浜町城山公園から見る明鏡洞)

 

日本にある原発の1/3が同地域に 

豊富な自然に抱かれる一方、若狭地域は直線距離にして60km以内の範囲に14基もの原子力発電施設(高速増殖炉もんじゅ含む)が集中する地域でもあります。日本に存在する全原発の約3分の1がここに集まっていることになります。

いま、九州電力の川内原発に次いで再稼働が進められようとしている関西電力の高浜原発3、4号機は地域に集中する原発群の西端にあり、10kmほど西に行けばもう、京都府舞鶴です。

初めて自分の目で見る原発は、美しい山間の谷を切り裂くようにして建つ要塞の様。ものものしいゲートには警備員が仁王立ちし、近寄りがたい雰囲気を醸し出していました。

(写真:関西電力高浜発電所ゲート)

 

様々な立場の方にお聞きしたリアル

今回の旅では原発再稼働に反対の立場をとる方々、町で防災を担当する方、原発の問題を憂慮しつつも原発に依存するようにして生きざるを得ない地域で、葛藤しつつ懸命に生きる地元の青年など、多くの方々の生の声をお聞きすることができました。

原発なしの生活、経済が考えられないという近年までの日々の暮らしが、東京電力福島原発事故以来大きく揺らいでいる。小さいながらも地域から再稼働を憂慮する声が聞こえてきている。しかし心の中では心配だと思っていても、未だ声を大にして再稼働に異を唱えることがはばかられる様な原発立地地域での営み。

(写真:高浜町の住民の方に、避難計画についてお話を伺いました) 

東京で生活する私にとっては、こんなに多くの原子力施設に近接して暮らすということ自体も想像がつかず、今まではリアルに感じることができませんでした。無論、現地から戻った今も地元の方の実情はごく僅かしか感じとれていないと思います。それでもお時間をいただいてうかがったリアルな声は、今後エネルギーの問題に取り組む自分にとって大きな財産になると感じています。

 今回ひとつ確かに感じたこと。それは、立場は違えど、家族、生活、そしてその基盤となっている地域を本当に大切にする想いは共通である、ということです。たいせつなものをたいせつに。学びを生かしてこれから自分たちだからこそできる活動に取り組んでいきたいと思います。みなさま、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。

 

なお福井では、県民の方々が中心になって、再稼働を認めないでと福井県知事に呼びかける署名を集めています。詳しくはこちら
(署名呼びかけ:「もう動かすな原発!福井県民署名」実行委員会)

グリーンピースでも原発再稼動を止めるべく署名を集めています。

「とめよう再稼動」へはこちら