(c) Masaya Noda / Greenpeace

こんにちは。核/エネルギー担当の鈴木かずえです。

もうすぐ、九州電力・川内原発(鹿児島県)再稼働差し止め仮処分裁判の司法判断が下されます!

グリーンピースも、証拠提出に協力しました。
良い結果が出ることを期待しています。

差し止めの決定が出たら、九州電力は再稼働ができません。

九州電力は意義申し立てをできますが、それで裁判所の決定が覆えされない限り、再稼働はできません。

もし、差し止めの決定がでたら、日本の原発が裁判で止まる初の快挙です。
(関西電力・高浜原発の差し止めの決定のほうが先かもですが..!)

 

日本の再稼働審査は、国際基準を満たしていない

グリーンピースが証拠提出に協力したのは、火山の評価について、日本の基準が国際基準を満たすかどうかについてです。

グリーンピース・ドイツが英国の原子力コンサルタント、ジョン・ラージ博士に委託して実現しました。

ラージ博士は国際基準である「IAEAの火山評価ガイド」は火山の影響について、それぞれの原発の特徴をきちんと考えて設計基準を確立することを事業者に義務付けているが、日本の原子力規制委員会の火山影響評価ガイドはその義務付けを行っておらず、IAEAの要求を満たしていないと結論づけています。(詳細はこちら)

IAEAは原子力推進の性格を持つ国際機関。そこの要求も満たせないのに、日本政府は「世界最高水準の規制」などと言っています。

 

そこに原発建てる?

また、火山に関しての大きな論点は、「そこに原発建てていいの?」という点。

IAEAの火山ガイドでは、火砕流の影響を避けられない場合は、立地から除外することを求めています。

過去に火砕流が川内原発の敷地まで届いたことがあるのは九州電力も認めるところ。
でも、日本の原子力規制委員会は「可能性が十分小さい」として無視してしまいました。

「可能性が十分小さい」かについては火山専門家からも疑問の声があがっています。

上の図はIAEAの火山ガイドの付録で、過去1万年の間に火山活動がみられた
地域。火山活動を示す点で埋め尽くされ、日本が見えません。

 

地震の想定が小さすぎる

いちばん大きな論点は地震の「最大の揺れ」。

想定する最大の揺れを「基準地震動」といいます。

過去10年間、5つの原発でこの想定を超えた事例があります。

2005年8月16日 宮城県沖地震 女川原発
2007年3月25日 能登半島沖地震 志賀原発1号機、2号機
2007年7月16日 新潟県中越沖地震 柏崎・刈羽原発
2011年3月11日 東北地方太平洋沖地震 福島第一原発
2011年3月11日 東北地方太平洋沖地震 女川原発

 

その他、裁判での論点をまとめたブリーフィング・ペーパーをつくってありますので、
ぜひ、読んでみてください。

巨大噴火は起きない、大きな地震は来ない、という想定での再稼働。

東京電力福島原発事故はそれではダメだと教えてくれています。

裁判長、お頼み申し上げます!という気持ちです。



3万人が署名。とめよう再稼働オンライン署名にぜひご参加ください。

すでに署名にご参加の方は、ぜひ拡散をお願いします。

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