こんにちは、エネルギー担当の柏木です。 

グリーンピースは、経営陣に直接、脱原発を働きかけるため東京電力、関西電力、日立製作所の株主となっています(※)。今日は、東京電力の株主総会に出席してきました。

株主総会では、檀上に20名ほどの取締役ら役員が座っています。経営陣からの事業報告や、株主からの株主提案についての補足説明が終了したあと、出席株主は、手をあげて、指されれば質問や意見を言うことができます。 

事故の責任の全う、それは全基の廃炉 

私が東京電力の会長に直接求めたいこと、それは東京電力が保有するすべての原発の廃炉です。福島第1原発については、廃炉が決まっていますが、福島第2原発、柏崎刈羽原発の廃炉はまだです。

東京電力は、ホームページで「事故の責任を全うする」と謳っています。それは、いまだに苦しんでいる被害者の方に正当な賠償を行うこと、そして、所有の原子炉すべての廃炉を決断することではないでしょうか。

そう聞きたくて、手を上げましたが、
残念ながら、今年は指名されませんでした。

この4年間のあいだに訪れた福島の景色、お会いした方々が目に浮かびます。民家の前でずっと使われていない三輪車、畑を使えなくなった農家さん、お孫さんを呼べなくなったと悲しんでいた方…。

今日、発言できたのは11人。その中のお一人、千葉にお住まいの株主の方が、これは人災だったと、原発から撤退してください、まずは加害者であることを認めてください、とおっしゃいました。

広瀬直己社長は「大変な事故を起こしてしまった。事故の責任を果たしていかなければいけないと思っている。しかし、産業や生活に必要な電気を供給するために、できるだけ電源を多様化し、かつ安い電源を供給する必要がある」と答えました。

東京電力の福島原発事故の被害額は20兆円という試算もあります。原発が「安い電源」などではないことは証明されたはずですが…。

また、第一原発が立地する福島県双葉町の元町長・井戸川克隆さんや柏崎刈羽原発の地元である刈羽村の方が発言されました。

井戸川さん「事故当時、双葉町長をしておりました。原子力発電から撤退することを提案します。東電は原発事故を防ぐことができませんでした。被害者に賠償責任を果たしてください。決して事故は起こしませんと言ってきた責任を果たしていますか? 原発を所有するものとして、企業責任と社会責任はきっちりと果たしてください。事故がなければ、終の住処があり、学校があり、職場があり、町があったのです。なぜ事故にならないような津波対策をしなかったのですか。原発から撤退する以外に会社の存続はあり得ません」(中略、一部抜粋) 

開会から4時間少しのところで、株主からの質問の手があがっているものの打ち切られ、脱原発を求める株主提案はすべて否決されました。再稼働を求める提案も否決されましたが…。

会場の外には、七夕のお飾りがありました。「原発のない明日が早くきますように」と心の中で書きました。

株主の立場から毎年、東京電力に脱原発株主提案をしているグループがあります。
東京電力の株主の方は、ぜひ、つながってください。

また、あらたに「脱原発株主」になりたい方もこちらの「脱原発東電株主運動」のサイトへどうぞ。

とめよう再稼働オンライン署名にご参加ください(こちらから、30秒でできます)

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東京電力株主総会に向けてグリーンピース「声明」はこちら

昨年の東京電力株主総会の報告はこちら
一昨年の東電株主総会の報告はこちら

 (※)グリーンピース・ジャパンは、脱原発と自然エネルギーの飛躍的導入を求め、株主総会への参加・議決権行使などのために、東京電力に加え、関西電力、および日立製作所の株式を最小単位で購入しています。