みなさん、こんにちは。
食と農業担当の石原です。
収穫の秋、身近な食と農業について考えるには最高の季節ですね。
グリーンピースの食と農業チームは、「子ども・ミツバチ保護法」の第二次署名提出に向けて、引き続き呼びかけています。
11月1日に東京、日比谷公園で行われる「土と平和の祭典」では、グリーンピースもブースを出して署名活動を行いますので、機会があればぜひ来てくださいね!
ネオニコチノイド系農薬は女王バチにも悪影響!
さて、これまでネオニコチノイド系農薬は、ミツバチ大量死の原因であると主張されてきました。
ミツバチの消失には複合的な理由があると言われていますが、何が原因なのか完全にわかっていません。
なので、科学者による実験結果の一つ一つに大きな注目が注がれています。
そして先日、このネオニコチノイド説を固める新たな論文が発表されました。
これまでは、ネオニコが働きバチに致命的な影響を与えると指摘されてきましたが、女王バチについては何もわかっていませんでした。
そこで、スイスとカナダの8名の研究者によって、ネオニコが女王バチにどのような影響を与えているのかを探る実験が初めて行われました。
そして、ネオニコチノイド系農薬は女王バチはネオニコチノイド系農薬に「きわめて脆弱」という結果が出たのです。
この実験結果はオンライン科学誌「Scientific Reports」に投稿され、10月13日に発表されました。
実験に使用したのは西洋ミツバチ。
実験場所はスイスの都市ベルンで、期間は2013年3月から9月まで。
成長期にある女王バチを実際の環境に近い濃度のネオニコ農薬(クロチアニジンとチアメトキサム)に暴露させました。
論文では途中、科学的な難しい数式や図が並びますが、ネオニコチノイド系農薬が女王バチの成長に影響を与えうることを初めて論証できたと言っています。
ただし、今回の実験でもまだまだわからないことは多く、さらなる研究が必要だと述べています。
科学根拠を待っているだけだと手遅れになる場合も!?
実態解明のためにはさらなる研究が必要です。
しかし、科学的証拠がわかってからでは手遅れということもたくさんあります。
このことが理由でヨーロッパ等ではネオニコチノイド系農薬の一部が規制されています。
グリーンピース・ジャパンではミツバチなどの生態系への影響や、子どもの健康などを守るため、『子ども・ミツバチ保護法』を求める署名を行っています。
すでに今年の8月に第一次提出を行い、国会議員にネオニコチノイド系農薬を規制するように訴えかけてきました。
現在、第二次提出のために署名活動を続けています。
ミツバチを守るため、私たちの食の安全のため、そして子ども達の健康のために、是非署名に参加してください。
すでに署名してくださった方も、ぜひこの問題を広めて一緒に声を届けましょう。
▼画像をクリックすると、署名ページに移動します。
出典:
Williams, Geoffrey R, Aline Troxler, Gina Retschnig, Kaspar Roth, Orlando Yañez,, Dave Shutler, Peter Neumann, and Laurent Gauthier. "Neonicotinoid Pesticides Severely Affect Honey Bee Queens." Scientific Reports. 5 (2015): 14621.
http://www.nature.com/articles/srep14621