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みなさんこんにちは。食と農業担当の関根です。 

©KayoSawaguchi/Greenpeace

育ち盛りの子どもたちに、おいしくて安全・安心のオーガニックを食べてもらいたい!そんな熱い思いの有機農家さんや保育・幼稚園関係者の集うセミナー「保育園・幼稚園に有機給食を!」が先月30日に都内で開かれました(注1)。

主催の方のお話によると、このセミナーは保育施設と有機農家をつなぎ、幼稚園の給食をオーガニックにするヒントを集めたグリーンピースの「ハッピーランチガイド」がきっかけになったとのこと。こんなふうにオーガニック給食を実現する具体的な活動に発展していたことに、とても励まされています。当日の様子をご報告します。

オーガニックの素材とフィールドが子どもを育む

最初に登壇したのは、エイビイシイ保育園(東京都新宿区)片野園長先生。こちらの保育園では、オーガニック100%の給食を提供しています。子どもたちには年間をとおして季節のものをいただき味覚を養い、オーガニックの田んぼで田植えを体験したり、有機畜産農家の豚さんを抱っこしたり、食の安全にとどまらない、オーガニックな食育の機会がいっぱいあるそうです。 

©KayoSawaguchi/Greenpeace

オーガニック100%の給食というと、「高そう!」と思うかもしれませんが、片野園長によると、「旬の有機の素材は決して高くはなく、700円かけて給食を外注するなら、同じ予算で、オーガニックの給食にすることは可能」とのこと(ちなみにエイビシイ保育園ではこの予算内で2食+おやつを提供しているそう)。まずはジャガイモをすべてオーガニックで!など、一品からでも、多くの保育園、幼稚園でオーガニックの食材活用を始められるといいですね。

「栄養士も調理師にも、よいものはどんどん取り入れていい、と言っています。トップの意思が大事です」と語る片野園長

(エイビイシイ保育園の給食や保護者のコメントなどはグリーンピースの「ハッピーランチガイド」にも載っていますので、ご覧ください)

なぜオーガニック野菜は美味しいの?

つづいてのお話しは、管理栄養士の小池澄子さん。

小池さんは、有機農業の「身土不二(しんどふじ)」という考え方を紹介してくれました。

有機農業の土にはミネラル分が多く、生きた土が本来の甘み、旨味、こくをつくるのだそうです。それは健康ともつながっていて、人の体と土地は切り離せない関係にあり、その土地で育てられたものを食べて生きることが健康な体をつくってくれるといいます。

最近の子どもの食事は、ちょっと複雑・・・。

お家の事情で不規則だったり、噛まないですむものが多かったり、外食や買ってきたものが多かったり。そんな時代にこそ、と小池さんは「自然のリズムに逆らわず、生態系にそったオーガニックの給食を出すことで、子どもたちの心と体を幸せにし、良い環境を残すことができます」とオーガニックの給食にエールをおくります。

©KayoSawaguchi/Greenpeace

「人間の歯は穀物や野菜を中心にたべてきた歯。子どもには柔らかい加工ばかりじゃなくて、その地域の土で育った素材の味わいを」と小池さん

発達障害と農薬の関係は... 

いま、「発達障害の手前」にいる子たちが増えているのだそうです。まだ発達障害としてカウントされるレベルではないから「数字には現れてない」けれど確実に増えていると専門医の間では認識されているーーそんな心配な実態をお話くださったのは、脳神経学者の黒田洋一郎さん。黒田さんは、こうした実態と農薬との関係を警告しています。

アメリカでは小児科学会が2012年に発達障害と農薬の危険性について公式見解を発表したそうです。まだ日本では認めていないが、あと10年もすれば発達障害と農薬の関連がはっきりしてくるだろう、と指摘。

でもそのときでは遅い...

「だからいま、オーガニックの生産者と消費者や子どもの給食がつながることが希望なのです。」と黒田さんは訴えます。

©KayoSawaguchi/Greenpeace

有機農業が育む支えあい

「有機農業の基本には、多様性や縁を大切にし、深い信頼関係が人と人を結ぶ支えあいの関係がある。」

「そこでは、“売り買い”の関係を超えて、消費者が、土を耕して生きる人のことを感じることができる。」

この言葉は、締めのスピーカー、有機農業40年、ベテラン農家の魚住道郎さんのお話から。有機農家さんからみた消費者とのつながりの大切さが伝わってきました。

集いの後半は、保育園・幼稚園と農家さんの出会いの場に。会場には魚住さん(左から三番目)をはじめ、精鋭有機農家さん10人が、丹精こめてそだてた野菜や果物を持ちより、保育園や幼稚園とのマッチングの試食会が開かれました。 

会場をめぐっていると、幼稚園との連携に繋がりそうな話ができた、という農家さんもいらっしゃいました。 

あなたも、有機農家さんとつながって、土と暮らす思いを受け取ってみませんか?

子どもの給食について有機農家さんとつながるには「ハッピーランチガイド」へ。 

日々のお買い物を作り手と買い手が安心でつながる場所にするには、下のバナーをクリックして、Goオーガニックキャンペーンにぜひあなたも、署名をお願いします。

「有機を増やして!」いますぐ署名で伝える >

注1)「保育園・幼稚園に有機給食を! 有機農家との直接提携を考えるセミナー」 主催:NPO 有機農業推進協会・NPO 日本有機農業研究会

安全なものが消費者の手元にきちんと届くような仕組みをつくっていきたい。そんなグリーンピースの活動を、ご寄付という形で一緒に応援してくださいませんか?

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