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こんにちは エネルギーチームの鈴木かずえです。

速報です!今日、国会で、原発部品強度不足の問題が取り上げられ、小さく一歩、前進しました。

おさらい:原発部品強度不足問題って?

フランスで日本製の原発部品に、規格を上回る炭素濃度の部分が見つかっています。炭素濃度が高すぎると部材がもろくなり、危険です。フランスでは、原発を止めて、非破壊検査という物理的な検査を現物で行なっています。

日本の場合、電力会社や部材メーカーからの資料と面談のみで「問題ない」と判断してしまっています。

グリーンピースは、「いますぐ検査」を求めて活動しています。

衆議院の原子力問題調査特別委員会で、初鹿明博議員(民進党/写真)から質問があり、田中俊一原子力規制委員長の答弁がありました。議論の中から主なやりとりまとめをご紹介します。(グリーンピースによるまとめ)

「最悪の場合、甚大な事故に」

初鹿議員:強度不足で、最悪の事態はどういう事態が想定されるか?

田中原子力規制委員長:鋼材がもろくなると、急激に冷やすと割れる。そういうことがないようにコントロールされている。

 

フランスでは、現物にあたって調査

初鹿議員:つまり緊急停止をして温度が急激に下がると割れる、ということ。割れるとそれは甚大な事故になるという理解でよろしいわけですね。だからフランスでは原発を止めて現物にあたって調査している。フランス原子力安全局は、どのような調査を行なったか。 

桜田原子力規制部長:運転中の18基で用いられている蒸気発生器についても鏡板(底の部分)で炭素偏析があると。その後、フランス原子力安全局では調査を電力会社に求めて、本年12月には定期検査にはいっていなかった原発でも非破壊検査を命じた。

 

初鹿議員:フランスでは、まず、書類をチェックをした後に、疑わしいものについて非破壊検査をすると。そして運転再開についても、13のデマンドがあり、非破壊検査がされる。これを理解してほしい。

フランスでトリカスタン原発では規格をはるかに上回る0.39%が出た。 規制を通すときには規格の0.22%の範囲内でおさまっていたはず。実際の非破壊検査で0.39%が発見された。これについての見解は。

桜田原子力規制部長:フランス国内で今調査が行なわれている。見解を述べるのを差し控える。

初鹿議員:玄海1号機では(規格を上回る)0.3%がでているが、これでも非破壊検査をする必要がないのか。

桜田部長:0.3%という値は、ブランク材。ブランク材はおおまかに成形した素材。この後、20%削り込んでいく。このブランク材は20%切り取った前か後かわからない。削る前であれば、問題ない。

初鹿議員:削り取る前か後かわからないわけだ。まずは玄海2については、非破壊検査をするべき。廃炉の玄海1号機については、破壊検査をして、炭素偏析があるのかないのか、メーカーの予測値があっているかどうか確認をする必要があると思うがいかがか。

廃炉原発の破壊検査は前向きに検討

桜田部長:廃炉の玄海1号機は、炭素偏析の問題にかかわらずデータをとって知見を高める価値は高いので、前向きに研究に取り組んでいただきたいとしている。

 (写真:玄海原発)

初鹿議員:この前市民団体とグリーンピースが主催した会で、規制は安心という面ではなく、技術的に問題がないことを判断していると。技術的に問題ないことを確認するのは当然だが、国民に安心してもらうのは大切。数字が微妙で判断が別れるような結果がでているのなら、非破壊検査をして、その上で安全でしたと言えばいい。玄海2号機については、微妙な数値がでているのだから、非破壊検査をしてほしい。廃炉になる玄海1号機については、破壊検査をしてメーカーの予測値が実測値とあっているのか早急に確認してほしい。

 

玄海2号機は、稼働までに、確認を深める

田中委員長:安心というのは信頼との裏返し。信頼できるような規制をしていかないといかない。ただ、まず基本的には科学的に安全であるということを確かめるのは原点。圧力容器は放射線の高いところで、非破壊検査で信頼できるデータがどうとれるか考えないといけない。破壊検査は原子炉圧力容器の一部を破壊してどの程度やれるかは難しいところあるが、そういうことも含めて検討していきたい。が、玄海2号機については今のところ止まっているので、稼働までには、その点、についても、確認を深めていきたい。

初鹿議員:玄海2は止まっている。日本は、止まっている原発が多いので、再稼働の前にきちんと調べて国民の信頼を得てその後のことを考えていただきたい。

 


今日の質問で安全が小さく一歩前進

初鹿議員は、住民の安全が第一と、非破壊検査で安心をさせてほしいと、追及をしてくれました。

そして、すでに廃炉となっている玄海1号機については検査をすること、また、再稼働を控えている玄海2号については、確認を深めるという答弁を引き出してくれました。

安全へ小さく一歩前進です。

でも、日本の原発は43基。二歩、三歩と踏み出さなければ。

国会でも、引き続き追求してもらって、直接田中委員長に検査を求め、実現させましょう。

そのためには、世論を高めることが大事です。この問題を広めてください。

ぜひ、「いますぐ検査を」署名にご参加ください。

「いますぐ検査を!」署名する >


 今日のメモは議論を聞いて抜き書きしたものです。

ぜひ、後日、国会会議録検索システムのサイトで議事録を見て下さい。

録画視聴は衆議院TVからできます。

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グリーンピース・フランスは、原子力問題についてのフランス政府の諮問機関「原子力安全情報・透明性高等委員会」(HCTISN)のメンバーであり、仏国原子力安全局、フランス電力会社、アレバ社、IRSNなどとの会合に定期的に参加し、情報を入手し、分析、提言をしています。

そこで得た情報、および個別にフランス原子力安全局(ASN)から得た情報、そして、原子力規制庁からの公表資料(9月まで)の分析を、国際原子力機関(IAEA)や、英国の原子力規制機関にも在籍していたエンジニアであるジョン・ラージ博士に委託しました。

その委託報告書「⽇本の原⼦炉に導⼊された⼀次冷却系部材、炭素異常に関するレビュー 第⼀部 フランスの炭素異常と⽇本の原⼦⼒発電プラントの相互関係」をぜひ、御覧ください。
概要(日本語)

全文(英語)

まさのあつこさんによるショーン・バーニー インタビュー記事 「日本製鋼材の強度不足でフランスの原発停止中! 日本の原子力規制委は何をすべきか?」